今回紹介するドラマはWhy Women Kill~ファビュラスな女たちシーズン2
2021年アメリカ パラマウント+・チャンネル
製作総指揮・脚本:マーク・チェリー(代表作:デスパレートな妻たち)
全10話(1話41分~50分)
シーズン1とは、全く異なる設定と新キャスト!
そして、今回の【なぜ女性は殺すのか】では
華やかな“ガーデンクラブ”を舞台に繰り広げられる
女性の熾烈な権力争いとその欲望に巻き込まれて行く人々…
また、女性にとって本当の幸せとは何か!を描いたダークコメディ
スリリングな展開にドンドン引き込まれました。
シーズン2は、1949年の LAが舞台
地味で目立たない不器用な主婦が、美しいセレブの婦人たちが所属するガーデンクラブに強い憧れを抱いていました。
そんな平凡な主婦が、あることをきっかけに覚醒したとき…
もう家族でさえも彼女を止められない
そんな主人公が、ドンドン自分を見失い深みに嵌って行く様をスリリングに描いていてハマりました!
キャスト紹介
予告編にも流れているナレーション
あれ?このイケボは…
と聞き覚えのあった方もいるのではないでしょうか。
そうです!
このナレーターは、シーズン1でカール・グローブを演じていたジャック・ダベンポートでした。
彼の品格を感じさせるナレーションは、登場人物たちの低俗感と対照的でより滑稽に映り
さらにブラックコメディ感がアップされいいスパイスになっています。
シーズン1はこちら↓
フィルコット家
アルマ・フィルコット/アリソン・トルマン
バートラムの妻でディーの母親 地味で平凡な専業主婦、お洒落なセレブが会員のガーデンクラブに強く憧れています
バートラム・フィルコット/ニック・フロスト
町の獣医でアルマの夫 温厚で優しい性格の裏に恐ろしい正体を隠していました
ディー・フィルコット/BK キャノン
フィルコット夫妻の1人娘 ダイナーのウエイトレス
カスティーヨ家
リタ・カスティージョ/ラナ・パリラ
カルロの年の離れた後妻でガーデンクラブの会長 若い役者のスクーターと浮気をしています
キャサリン・カスティージョ/ヴェロニカ・ファルコン
カルロの前妻との娘でリタの天敵
カルロ・カスティーヨ/ダニエル・サカパ
資産家のリタの夫でキャサリンの父親
イザベル/アイリーン・ガリンド
カスティーヨ家のメイドでリタの味方
その他のキャスト
ヴァーン・ルーミス/ジョーダン・クリスティ
私立探偵 リタの依頼を受けてスクーターの浮気調査をしています
スクーター/マシュー・ダダリオ
リタの浮気相手でティーとも2股をかける売れない役者
メイジー/レイチェル・ベイ・ジョーンズ
バートラムの病院で飼い犬を安楽死させます。
グレース/ヴァージニア・ウィリアムズ
ガーデンクラブのメンバーでアルマをメンバーに推してくれる協力者
キャロル・ヨスト夫人/ロンディ・リード
フィルコット家の隣人で1人暮らしの老女 アルマからの招待を全て断るなど一家との交流はありませんでした。
あらすじ 第1話 屋根裏の秘密(50分)
2人の女
1949年 ハリウッド
(ダベンポートのナレーションから始まります。まるで一人語りを聞いているようでウットリ~!)
『ある種の女性を引き付ける町、彼女は悠然と闘いに挑む
選んだ武器は、口紅と胸の谷間
人生の教訓を得た彼女は勝利を確信している
“美しさは力なり”
でも、これは力を持った女の話ではない…
別の種類の女の話だ』
街角のレストランでは、お洒落でセレブな女性たちが会員の“ガーデンクラブ”が開かれていました。
そこには、華やかに着飾った女性たちが楽しそうに集っています。
中でも一番の輝きを放っているのは、クラブの会長リタ・カスティージョ。
彼女は、真っ赤な口紅と真っ赤なドレスで現れ、正にこのパーティの主役でした。
そんな華やかな様子を、ガラス越しに見つめる女性がいました。
彼女の名はアルマ・フィルコット
『話題にも上らない中年の主婦。誰にも相手にされない地味な女…
パーティにも呼ばれない平凡な女
彼女には、美しさも、品格も優雅さもない。臆病な彼女は誰にも注目されず生きてきた
軽視された経験から、期待しない事を学んだのだ
待つのが一番だと教わった…
大人しい女性がついに…
待つのをやめる物語』
憧れのガーデンクラブへの入会
ある朝
「バートラム起きて」
アルマは、朝刊の“地元の慈善家が死亡”の記事を見るなり
まだ寝ている夫のバートラムを大声で起こします。
「ヴォンダ・ヴァン・エッセンが死んだ」
「誰?」
アルマの声で起こされたバートラムはまだ眠そうです。
「ガーデンクラブの創設者よ」
その後、バートラムはシャワーを浴びますが、アルマのおしゃべりは止まることなく続いていました。
「閉鎖的なクラブで入会がすごく難しいの」
次にバートラムは着替えてヒゲを剃ります。
しかし、アルマの話はまだまだ続いていました。
「定員は20名だけど、彼女の死で空きが出来たのよ」
その後も延々とアルマの話は終わりそうにありません。
「普通は期待しないけど、庭には自信があるの」
バートラムは、朝食を済ませ職場へ向かい始めましたが…
「申し込むべきかしら、可能性あると思う?」
庭まで付いてきたアルマは、バートラムからガーデンクラブへ申し込む許可が欲しかったのです。
バートラムは振り向くと
「君が入会するのは他の会員にも幸運な事だ。だが、彼女たちは上流階級の人間だ。庭の手入れはプロに頼む。それに入会の競争率が激しいなら…」
どうやらバートラムは反対の様です。
「確かに。夢見た私がバカね」
それを聞いたバートラムは、安心して仕事に出かけて行きました。
しかし、どうしてもアルマは諦めきれませんでした。
ダイニングテーブルに座ったまま何も手につきません。
そこへ1人娘のディーが起きて来ました。
「おはよう」
ディーは、ダイナーのウェイトレスのユニフォームを着ています。
「ディー 朝食は?」
「ダイナーで食べるわ」
そう言ってディーは出かけようとしますが
アルマはディーのユニホームの裾がほどけている事に気づきます。
「縫ってあげるわ」
「カウンターの中は見えない」
とディーは気にしていません。
しかし、アルマは出会があってもいいように、身なりを整えなさいと言って
裁縫道具を用意しました。
ところが
ディーはダイナーの友人に頼むと言って断ろうとします。
「バカにしないで。裾を縫うくらい私にもできるわ」
ディーは、流石にそれ以上言えず、アルマに裾を縫って貰いました。
そしてその間、ディーは両親が話していた“ガーデンクラブ”の事を尋ねてみました。
どうやらアルマは、入会したいけど知り合いがいないから無理だと半ば諦めている様子です。
ただ、会長のリタ・カスティーヨにはバートラムの診療所で会ったことがあるようでした。
「言ってみれば?」
ティーは積極的にアプローチする事をアドバイスしました。
「どうだか、何度か自己紹介したけど覚えられてないの。私は印象が薄いみたい」
「もう一度言えば?行動しなきゃ何も始まらないわ」
このディーの言葉に、諦めかけていたアルマは戸惑いを覚えます。
「どうしたらいい?リタにいきなり”クラブに入りたい”と…言うの?」
それを聞いたディーは
「印象に残ると思う」とアルマの背中を押し仕事に向かいました。
続きは本編で!
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(配信は投稿時のものとなります)
勝手に私見考察
ここからはネタバレを含みます
欲望の果てに…
まず、このドラマのテーマは”ささやかな幸せ”だと感じました。
シーズン1では、夫婦の絆を描き
シーズン2では、女性の本当の幸せとは…家庭のささやかな幸せなんだとアルマやリタを通し描かれていたように思います。
いや~シーズン2も良かったです!
富も名誉も兼ね備えたリタが、夫婦仲睦まじいフィルコット夫妻を見て羨ましいと感じたシーンがありました。
全てを持っている彼女が唯一ないもの…
それは、家族とのささやかな幸せでした。
しかし、ナルシストでサイコパスのリタとアルマにとって、自分の自己顕示欲の方が大切だったのでしょう。
最終話では、全てを失ったリタがやっとささやかな幸せを求めスクーターとやり直そうとしますが、
復讐心にかられた彼女は、それさえも叶いませんでした。
一方のアルマは…
彼女は、富や名声ではないリタの持っていない“ささやかな幸せ”を持っていました。
ところが、彼女は憧れの“ガーデンクラブ”に執着してしまいます。
そして、彼女を覚醒させたきっかけは
夫の正体がシリアルキラーだったことなのか…
或いはリタのサイコパスに刺激を受けたからなのか…
結局、アルマはどれ程大切なモノを失ったのか気付かないまま、自己顕示欲に陶酔し終わりを迎えます。
見方を変えれば、失ったものの大きさに気付かないまま
夢見た主人公のままで終われたことは、彼女にとって幸せだったのかもしれませんね。