今回紹介する映画は タリーと私の秘密の時間
2018年アメリカ製作。 監督：ジェイソン・ライトマン
ライトマン監督、脚本家ディアブロ・コーディとシャーリーズ・セロンが【ヤング≒アダルト】に続き再タッグを組んだミステリアスなヒューマンドラマです。
破天荒な人生を歩んだ脚本家ディアブロ・コーディがリアルな主婦の悩みにメスを入れます。
そして、セロンは本作の役作りで、何と！18キロも体重を増やし生活に疲れた主婦を体当たりで演技しています。
この作品の撮影が2016年に始り、撮影終了後、1年6ヶ月をかけ元の体形に戻しています。
このブログにセロン主演の【ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋】(2019)を紹介していまが、ダイエット後の彼女の変貌ぶりが凄い！是非ビフォーアフターを比べてみて下さい。完璧なスタイルになっています。
【ヤング≒アダルト】【マッドマックス 怒りのデス・ロード】など彼女の作品を観るたびに、毎回凄い女優だと感心します。
【映画：タリーと私の秘密の時間】あらすじ
育児に忙殺するマーロ
もうすぐ3人目が生まれるマーロ(シャーリーズ・セロン)は、2人の子供の育児と家事に追われる毎日を送っていました。
娘のサラ(リア・フランクランド)は、大人しく手がかかりませんが、
弟のジョナ(アッシャー・マイルズ・フォーリカ)は、情緒が不安定で敏感なところがあり、マーロは手を焼いていました。
カウンセラーの勧めで、マーロはジョナの敏感性を緩和させる為、就寝前に全身にブラッシングをしています。
そんな時、小学校の校長から“情緒不安”だと指摘され、ジョナをサポートする専属教師を自分で雇ってほしいと言われてしまいます。
しかし、家計を考えてもとても専任教師を雇う余裕などありませんでした。
夫のドリュー(ロン・リヴィングストン)は優しいものの、家事も育児も妻に任せっきりです。
家庭の全てを抱え込むマーロ。
その夜、マーロの兄のクレイグ(マーク・デュプラス)から、一家はディナーに誘われます。
事業で成功して贅沢な暮らしを送るクレイグ一家。マーロとの生活レベルは雲泥の差でした。
その事が原因でグレイグとドリューは微妙な関係です。
クレイグは、3人目の出産祝いに、夜専門のベビーシッターを雇ってくれるとマーロに提案しました。
しかし、見知らぬ人に赤ん坊を預けることへの抵抗と罪悪感を持つマーロは断ります。
しかし、妹が心配なクレイグは、強引にシッターの電話番号を渡しました。
帰宅後、真夜中に破水したマーロは3人目を出産します。
喜びも束の間、新生児の育児が始まったマーロの負担は、想像以上に大変なものでした。
夜泣き、授乳、オムツ変え、洗濯物は溜まり放題、部屋は散らかったまま……そして、毎日同じことの繰り返し。
眼の下のクマ、髪の毛はボサボサ……自分ばかりがボロボロに擦り減っていきます。
そんな中、小学校の校長から年度末に合わせジョナの症状に合った教育がされている小学校へ転校する事を勧められます。
しかし、マーロは否定されていると感じキレてしまいます。
そして、校長に怒りをぶつけてしまいます……
既に限界になっていたマーロの心は、とうとう折れてしまいました。
そして、夜専門のベビーシッターを頼む事を決心します。
完璧なベビーシッターのタリー
22時半に現れたタリー(マッケンジー・デイヴィス)は、20代の若い女性でした。
いきなりタメグチのイマドキの女の子です。
唖然とするマーロ。
戸惑うマーロにタリーは「私を頼って」と自信たっぷりに言い、2階でゆっくり眠るようにと促します。
翌朝、マーロが目覚めるとタリーの姿はすでにありませんでした。
何と！8年間掃除をしていなかった床、1階のリビングやキッチンの全てが、ピカピカに掃除され花瓶に花まで飾ってあります。
「彼女は何もかも完璧。久々に熟睡出来たわ。なんだか、世界が明るくなった」
マーロは、ドリューと久しぶりに晴れ晴れとした気持ちで話します。
次第にマーロは、タリーを信頼するようになり、2人はまるで親友のように語り合い楽しい時間を過ごしました。
マーロは、昔の明るさを取りもどし始め、家庭内も明るくなっていきます。
ところが、タリーは何があっても夜明け前に姿を消し、自分のことは一切語らないのでした。
タリーには、ある秘密があったのです…
キャスト紹介
マーロ/シャーリーズ・セロン
主人公で3児の母。完璧主義なところがあり、人に助けを求められず家事に育児に悪戦苦闘しています。
タリー/マッケンジー・デイヴィス
26歳の夜専門のベビーシッター。疲れきったマーローのケアをしてくれる唯一の存在。プライベートを決して明かしません。
ドリュー/ロン・リビングストン
マーロの夫。家事や育児は全てマーロ任せ。ゾンビゲームにハマっています。
クレイグ/マーク・デュプラス
マーロの兄。夜専門のベビーシッターを手配してくれます。
恵まれない環境で育ったマーロとクレイグ。マーロの保護者的存在。
勝手に私見考察
ここまでボロボロの主婦を演じたセロン。
汚れ役(？)が好みなのかと思ってしまいますが、見事にリアルな主婦を再現していました(あるあるが盛り沢山)
しかし、小さな子供がいる時は、どうしてもマーロのようになってしまいます(仕方ない！)
マーロの置かれた環境…正に実体験な女性は多いのでは…
これは私の場合
- 昔、夫の実家が自営で主人は跡取り、家庭は殆どシングルマザー状態で育児。
- 息子がADHD。娘は大人しく手がかからない。
- 独身の時は、資格取得や専門職の仕事をこなす
マーロの辛さがグサグサと胸に突き刺さりました。
しかし、辛いのは夫は夫で仕事をしているので結局頼めない…手伝ってくれる旦那さんは、本当に素晴らしい！
私も何処かで心がプッツンしたんです！
母親は完璧でなくてイイ。私も人間だー…と
そこからは、開き直っていい加減なお母さんキャラに変えました。
やってられんわ！
主婦業って不思議です。
手抜きを考えると幾らでも出来るんです…勿論、さじ加減を見ながら、やる時はやりますよ！
こちら↓の作品も発達障害を紹介しています
日本の発達障害等を取り巻く環境は？
息子は現在中学生で地域の中学校の特別支援学級に通学しています。
そこで、息子を通して知った日本の発達障害への取り組みをご紹介します。
息子は、小学校も支援学級に入っていました。
彼は、1歳健診くらいで自閉症を疑われたのがきっかけで、色々なサポートを受ける事が出来ました。
日本の自治体のサポートは、正直手厚いと感じます。
なぜなら日本の教育基本法には、障がい者と同一レベルに発達障害も併記されています。教育現場、地域、自治体は一体となって対応をしなくてはなりません。
医療費は無料で、言語訓練や作業訓練の定期的な診療も受けられます。
ただ、学校は少々難ありでした。
学校によって本当に対応がまちまちです。ここは頭が痛い所でした。
また、マーロのように通常クラスに拘るか、支援学級や支援学校に入学させるかは、親の判断次第になっているのは日本も同じです。
ジョナの状況は、音や環境に敏感に反応していました。
作中にも描かれていましたが、このようなパニック状態が起こってしまうのなら、発達障害等に知識と理解のある場所を選択した方が、ジョナの成長にも良い環境の場合があります。
実体験として、全く違ってくると断言できます。
そして、こうした手厚いサポートは、実は両親にとってのサポートの意味合いもあり非常に心強いです。
受けられるものなら支援してもらう事をお勧めします。
そして、発達障害等の子供達にとって環境を整えるという事は最優先課題です。
息子の通った学校の先生達には、本当に感謝の気持ちしかありません。
どの先生も親の話をよく聞いて頂き、息子に熱心に向き合って貰えたと思っています。
しかし公立学校の場合、障害の知識については親の方が詳しいのが現状だと思います。
親の一方的な思いではなく、どこで折り合いをつけて対応してもらうか…ここに一番骨を折りました。
その時に私が一番心掛けた事は
- 先生達に常に感謝の気持ちを伝える
- 学校任せにしない！何時でも協力するという姿勢
親の熱意が先生達に伝わりますから、とても大事なんです。
我が家の場合の記事↓です
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長々と私事を書きましたが、映画に戻ります。
ラストは、ドリューが反省し家事と育児に協力的な夫に変わっていました。
1人で抱え込まない、他人ではなく家族で協力し合う！結果、家族の絆が深まる…というアドバイスなんだと感じました。
ストリッパーの経験もある脚本家のコーディが描くリアルな女性の姿…エッチなジゴロの番組をコッソリ観ていたり…下ネタ好きだったり
そんなマーロの全て受け入れてくれたタリー。感動する程嬉しかったと思います。
家族の心配はするが母親の心配は誰もしてくれない…母親アルアルですよね～
さあ、明日も頑張りましょう！
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(配信は投稿時のものとなります)
