今回紹介するドラマは フレイザー家の秘密
概要
2020年にアメリカのHBOで放送されたテレビドラマのミニシリーズ。
監督・脚本:スサンネ・ビア 原案・脚本:デヴィッド・E・ケリー
原題:The Undoing(元に戻すこと)
全6話(1話49分~66分)
原作:ジーン・ハンフ・コレリッツの2014年の小説『You Should Have Known(知っておくべきだった)』
監督紹介
監督のスサンネ・ビアは高い評価をされているデンマーク出身の監督です。
彼女の代表作には『未来を生きる君たちへ』『ナイト・マネージャー』などがありますが、社会派作品からスパイ、ラブコメと幅広いジャンルを手掛けその多くの作品で脚本も書く監督です。
こちらでも↓ビア監督のラブコメ作品を紹介しています
そして、意外や意外ニコール・キッドマンとヒュー・グラントが本作品で初共演とのこと。
しかも、ジョナサン役にヒュー・グランドを推したのはプロデューサーでもあるニコール・キッドマン自身!
いや~さすがです
観終わったときにその理由が分かりました~
キャスト紹介
私はニコール・キッドマンの顔が大好きでした!
そんな彼女は
トム・クルーズに気に入られ1990年公開の【デイズ・オブ・サンダー』で共演し2人は同年に結婚。
当時、【トップガン】でトム・クルーズの大ファンだった私は…
2人の結婚に大ショックをうけるも
ニコール・キッドマンも大好きになっていました。
そして、その後のキッドマンはトム・クルーズの奥さんから瞬く間に大出世、
ハリウッドで主役をはる大女優になって行きます。
まさに!アメリカンドリームを掴んだわけです。
ところが…本人も公言していますが、2013年にボトックスをしたために顔が~
せっかくの心理サスペンスも…気になって、気になって…どうしても視線が顔に行ってしまう~
イヤイヤ 人様の顔のことをとやかく言うものではありませんね
失敬~
グレイス・フレイザー/ ニコール・キッドマン | ニューヨーク在住のセレブの臨床心理士 |
ジョナサン・フレイザー/ ヒュー・グラント | グレイスの夫で医師 |
ヘンリー・フレイザー/ ノア・ジュープ | グレイスとジョナサンの息子 エリート校のリアドン校に通学している |
フランクリン・ラインハート/ ドナルド・サザーランド | グレイスの富豪の父親 |
エレナ・アルヴェス/ マティルダ・デ・アンジェリス | ハレームで家族と暮らす画家 息子は給費生でリアドン校に通っている |
フェルナンド・アルヴェス/イスマエル・クルス・コルドバ | エレナの夫 |
シルヴィア・スタイネッツ/リリー・レーブ | グレイスのママ友で弁護士 |
ジョー・メンドーザ/ エドガー・ラミレス | 殺人事件を担当する刑事 |
ヘイリー・フィッツジェラルド/ ノーマ・ドゥメズウェニ | フランクリンの雇う有能な弁護士 |
あらすじ
ニューヨーク マンハッタンのある朝
「ママは?」
「アトリエだよ 仕事をしてる」
「帰らなかったね」
今朝になっても帰宅しなかった母親を心配したミゲル・アルヴェスは
登校する前にこっそりと、家から程近い母親のアトリエへ向かいました。
しかし、アトリエの扉を開けたミゲルは、息を吞み立ち尽くしてしまいます。
そこには変わり果てた姿の母親が横たわっていたのです…
2日前の朝
心理療法士のグレイス・フレイザーは、医師の夫ジョナサンと地元のエリート学校リアドン校に通う息子のヘンリーとともにマンハッタンに暮らすセレブです。
彼女はママ友と資金集めの会議の為に着ていく服を選んでいました。
その頃、1階のキッチンではジョナサンとヘンリーがそれぞれの支度をしています。
ガーガー
ヘンリーがミキサーでジュースを作っています。
「少し音を下げてくれ 集中できない 繊細な作業をしてるんだ」
ジョナサンはネクタイと格闘していましたが、ミキサーの音がうるさくて仕方ありません。
「音量調節は出来ない」
「屁理屈を言わず音を下げろ」
2人が言い合っている間にジュースは完成し、ヘンリーは水筒に注いでいました。
「パパ」
「何だ」
「昨日の夜調べてみたんだ 」
「何を?」
グレースが準備を済ませ階下へ降りて行くと、ジョナサンとヘンリーが犬の事で言い合っています。
「犬アレルギーの心配はないし 超かわいい」
「犬はダメ 言ってやれ」
ジョナサンはグレイスに助け船を求めます。
「なぜ?パパ」
「前にも説明しただろう 犬がいるとパパは喉が詰まる 息が出来ずに死んでしまうんだ ネコとか他の動物ならいいぞ 今時は吸血コウモリもペットか?」
それを聞いたヘンリーは驚いて念押ししました。
「約束する?」
「ああ 約束だ」
2人の会話を聞きながらグレイスは果物を口へ入れました。
「”パパと僕で車の旅”も約束したけどそれきりだよ」
とヘンリーはもう1つ約束の話を持ち出しました。
「ひどいな 約束は果たすさ」
ジョナサンは心外だと言わんばかりです。
「バイオリンを忘れた」
話の途中で、ヘンリーは急いで部屋へ戻って行きました。
2人の話を黙って聞いていたグレイスはあきれ顔を見せます。
ジョナサンもバツが悪いのか
「ネクタイを頼む うまく結べない」
と話題をかえます。
「今日は なぜネクタイなの? またお葬式?」
グレイスはネクタイを結びながら心配になって訊きました。
「やめてくれよ 僕の患者がみんな死ぬわけじゃない よそ行きの服だ 相手の男は?」
すると今度はジョナサンが質問を返します。
「学校のママ友と資金集めの会議よ」
「オークションか 僕は行かないぞ」
ところがグレイスの返事は
「来てもらうわ」
「僕らは学校に多額の寄付をしてるだろ」
ジョナサンはどうしてもオークションへ行きたくなさそうです。
「僕ら?」
グレイスはジョナサンの言葉が気になり訊き返しました。
「君のお父さんがね」
学校へ多額の寄付をしているのはグレイスの裕福な父親でした。
「木曜日は父とディナーよ」
「学校行事と義父との食事が同じ週にあるとは」
ジョナサンは愚痴をこぼします。
ちょうどキッチンへ戻って来たヘンリーはそれを聞いて意外そうに言います。
「リアドン校が嫌い?」
「お前は好きなのか?」
「うん」
「結構 ママにキスを 行くぞ」
しかし、ヘンリーは嫌そうな顔をし
「パパがしなよ」
と小声でジョナサンに言います。
グレイスは2人の会話を無視し、ミキサーを汚したまま出かける息子に小言を言い始めました。
「とにかくキスを 行ってくるよ」
ジョナサンはグレイスにキスをするとヘンリーの後を追って行きました。
こうして慌ただしく1日が始まります。
グレイスにとって完璧な人生でした…
この後起こる殺人事件が起こるまでは…
続きは本編で!
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(配信は投稿時のものとなります)
勝手に私見考察
ここからはネタバレを含みます
臨床心理士を主人公にした訳とは
この作品は
- 私たちは他人をどこまで知ることができるのか?
- 果たして自分の直観をどこまで信じることができるのか?
- 自分が目にしたものをどこまで信用できるのか?
上記をテーマに描いた心理サスペンスでした。
そして、主人公グレイスは臨床心理士でありながら、14年間夫の本性にまったく気付かなかった!
ジョナサンのような人物の手口を熟知しているはずのグレイスがです…
だからこそ、テーマがより深く胸に突き刺さり、心理戦が複雑に展開していきました。
上手いな~
グレイスの目を曇らせた魔法の言葉
ジョナサンの公選弁護人が夫を信じられなくなったグレイスを説得する場面で
彼が放った魔法のような一言があります。
その言葉は、その後グレイスの心理に大きな影響を与え、ますます真実を曇らせてしまいました。
”自分のことをひどく裏切った相手なら殺人だって何だってやるように思える。
しかし、ジョナサンは人殺しに見えない、事件の前に彼が人を殺せる人間だと思ったか?”
非常に説得力があります。
そして、これを聞いたグレイスと私たち視聴者はまんまとワナにハマったように真犯人を探し始めることに…
弁護士や臨床心理士さえも騙してしまうほど善人に見える人物
だ・か・ら
ニコール・キッドマンはヒュー・グランドを推したんですね!
まさに適役でした。
そして、ストーリーが展開するうちに
登場人物の誰もが怪しく見えて来るんです。
極上の心理サスペンスを楽しめるわけです!