今回紹介する映画は 仮面の男
1998年の作品。当時私は映画館へ行き、ガブリエル・バーンかっこいい!と思って観ていました。ただのミーハーです。
実在した仮面の男!
この仮面の男!実在した人物だと知っていますか。正体は…諸説あるようですが2016年の海外科学サイト「Live Science」によると、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校で歴史学の教授ポール・ソンニーノ氏がその謎を解いたようです。詳細を知りたい方は引用先:知的好奇心の扉トカナさんを是非一読下さい。仮面の男の正体が分かりますよ。
本作は、その中の1説をフランスの作家アレキサンドル・デュマ・ペールの『ダルタニャン物語』の3部作中『ブラジュロンヌ子爵』から鉄仮面部分が映画化されています。ストーリーはかなり脚色されていますので、ダルタニャン物語とは切り離して観る事をオススメします。
見どころ
この作品のディカプリオは、まだ20代前半。
憧れの王子様役がピッタリのディカプリオの時代です。
しかし彼の演技力は、この作品でも光っています。ルイとフィリップの1人2役を演じたとこも見所です。
残酷で冷徹なルイ。心優しく純粋なフィリップ。
対照的な2人の瞳の違いにハマります。
またダルタニアン、アトス、アラミス、ポルトスといったあの三銃士の中年期を舞台に。
それぞれの人生で、重荷を背負った男達の潔い生き様と、若い従士達の尊敬の念に値すリーダーとは!
と騎士道を描いた作品でもありました。
素敵です。こんな人達が会社の上司だったらなぁ…
キャスト紹介
ルイ14世/フィッリプ:レオナルド・ディカプリオ
ダルタニアン:ガルリエル・バーン
アトス:ジョン・マルコヴィッチ
アラミス:ジェレミー・アイアンズ
ポトス:ジェラール・ドパルデュー
アンヌ王妃:アンヌ・パリロー
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仮面の男:あらすじ
ルイ14世の圧政
1662年パリ。
ルイ14世の圧政によって貧困と食糧難になった国民は苦しんでいました。
ルイ13世の時代に活躍したアラミス、アトス、ポルトスの三銃士は現役を引退しアラミスは司祭に、アトスとポルトスは隠居生活を送っています。
一方ダルタニアンは、現役のまま銃士隊長としてルイ14世に仕えていました。4人の友情は変わらず『One for all, All for one』の絆は硬いままでした。
国王ルイ14世は、国政には全く関心がなく、非常に自己中心的で忠誠心に値する国王ではありませんでした。
ある日、ルイはアラミスを城へ呼び出し、「反乱を主導するイエズス会の指導者を秘密裡に探し出し暗殺しろ」と命令します。
一方、アトスの息子ラウルは、銃士隊に入隊していました。
ある日、ラウルは城で開かれる園遊会で、いよいよ恋人クリスティーヌにプロポーズする事を心に決めていました。
アトスは、緊張している息子に亡き妻の指輪を渡し「2人で帰っておいで」と送り出します。
そして、2人がお城に到着し出迎えたルイに挨拶をします。
するとルイは、クリスティーヌの美貌に惹かれ、後に邪魔になったラウルを戦争の最前線に異動させてしまうのです。
ラウルの報告にダルタニアンはアトスの家へやって来ました。
立て続けてにラウルが出兵することにアトスは納得いきませんが、ダルタニアンがルイの説得を試みる事で一旦怒りを納めます。
その時アトスは「君には、息子の成長を喜ぶ気持ちが分からないだろう」とダルタニアンに言います。
ダルタニアンは「想像するしかない」と残念そうに答えました。
別れ際、アトスは”もし息子が傷つけば王を敵とみなす”とダルタニアンに告げます。
ダルタニアンが城へ戻ると、門の前で暴動が起きかけていました。
ルイが食糧難で苦しむパリ市民に、腐った食料を配ったことに市民の怒りは爆発寸前です。
砲撃をすると焦る部下を抑え、ダルタニアンは市民を説得し何とかその場を治めます。
若い兵士たちの尊敬の念が一斉にダルタニアンに集まりました。
一方、戦場で最前線に生かされたラウルが砲弾に打たれ戦死してしまいます。
そして、ルイの思惑通り、クリスティーヌはルイの愛人となり城で暮らし始めることに…
3銃士復活
その夜、アラミスが3人を地下墓地へ集め、ルイがイエズス会の指導者を探し出し殺せと命令している事を告白をします。
そして、ルイの言うイエズス会の最高責任者が誰なのか…
アラミスは、ある計画も提案します。
それは、国をも揺るがす事となりかねません。
アトスとポルトスは快諾しますが、ダルタニアンは頑なに拒否します。
「重い秘密を背負っている事は分かる。孤独な戦いだぞ」
アラミスは、ダルタニアンの決意を察していました。
硬い友情で結ばれていた仲間が、敵と味方に分かれてしまったのです。
一体、アラミスの計画とは…
続きは本編で!
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勝手に私見考察
ここからはネタバレを含みます。
最後は、原作同様ダルタニアンの死で完結なります。
アメリカ製作で作られる王家の歴史物語は、重厚感に欠け、人間模様の描き方が大雑把な為、内容が軽くなりがちですが、豪華キャストと流石の演技力で重厚さが補われていたように感じました。
例えば、登場人物達の背景、人間模様とその対比が幾つも組み込まれています。
- ルイとフィリップ兄弟の性格の対比。
- 息子に寄り添い成長を見守る理想の父親アトス、父とは名乗れずただ見守る事しかできないダルタニアン。
- 王妃アンとの許されない愛を貫いた父親のダルタニアンと誰も愛せず、誰からも愛されない息子ルイ
しかし、ダルタニアンは、ルイの罪を背負い最後は自らの命をかけてフィリップを守りぬきました。
2人の父親像の対比も深みがありました。
男として、父親として…男の美学を描いています。
何度観ても感動する作品ですね。