今回紹介するドラマは The Bit
2021年 アメリカのCBSスタジオ、Spectrum Originals の共同制作による風刺ドラマシリーズ
脚本、製作総指揮:ロバート・キング、ミッシェル・キング
全6話(1話45分前後)
コロナ禍で人々がロックダウンの真っ最中、とんでもない変異ウィルスが人々に感染していました!
そのウィルスとは…
それは、嚙まれた人は次々にゾンビになってしまう恐怖の殺人ウィルスだったのです!
何~て、奇想天外なブラックコメディのホラー作品です。
キャスト紹介
主人公レイチェル役のオードラ・マクドナルドは、ブロードウェイのスーパースターで、トニー賞6 回受賞と4 つの演技部門すべてを獲得した最初の人物。
また、舞台以外にも映画、テレビドラマ、コンサートなどマルチに活躍する、筋金入りの実力派俳優なのです。
レイチェル・ブテラ/オードラ・マクドナルド
NYの開業医。仕事で留守の続く夫との関係に不安を感じています。
リリー・ライトハウザー/テイラー・シリング
作家志望で、生活のため仕方なく顧客にSMの女王様をサービスしています。レイチェルと同じマンションに住む隣人
ザック博士/スティーブン・パスクアーレ
レイチェルの夫。CDCの最高幹部で広報担当。コロナ対応に追われワシントンDCの本部に缶詰状態
シドニー・エステレオ/フィリッパ・スー
CDCの医師でザック博士の元浮気相手
ブライアン・リッター/ウィル・スウェンソン
レイチェルの浮気相手。ですが彼は本気です。
ヘスター・ブテラ/レスリー・アガムス
レイチェルの母親で著名な医師
バッカリン/ベン・シェンクマン
リーリーの顧客
♦スポンサーリンク♦
只今こちらの動画配信サイトでご視聴頂けます
(配信は投稿時のものとなります)
あらすじ 第1話:第1波
「アメリカは“コロナ疲れ”を感じています。自宅にこもる生活は1年で2度目。1ヶ月に及ぶ自粛生活には終わりが見えません。果たして自粛に効果は…」
NYの最新ニュースでは、未だ先の見通せない自粛生活に、キャスターまでも嘆いているようでした。
開業医のレイチェル・ブテラは、遠隔医療の顧客を何件もオンライン診療する自粛生活を送っていました。
診療中の患者オリビアは、インターネットサイト“ジョシュ&ジョエル ルーム・ランカー”という番組で、レイチェルの部屋が採点されていたと言うのです。
その後診察が終わったレイチェルが、早速そのサイトを見てみると…
それはジョシュとジョエルの2人が、配信されている映像から勝手に世界中の部屋を採点するという企画だったのです。
そして今回の採点は、ケーブルテレビのニュース番組から、テロ専門家の部屋がピックアップされていました。
2人が採点している映像では、時折テロの専門家が奇妙な行動をしています…
彼は、大きな口を開けると噛みつくような仕草をしたのです。
しかし、酷評された彼の映像はそこで終わり、変わって映ったのは、同じマンションに住む隣人のリーリーの部屋でした。
映し出された彼女の姿は、何とSMの女王様だったのです。
そして、彼らが採点したリーリーの点数は10点満点でした。
そんな事とは知らないリーリーは、まだベッドの中で眠っていました。
しかし、外で大きな花火の音が鳴り起こされてしまいます。
そこへ顧客のルイスから仕事の依頼が入ります。
クローゼットから衣装を選びメイクも決めたリーリーは、すっかりSMの女王様に変身しました。
準備万端!
リーリーはカメラの前にスタンバイし、顧客にサービスを始めます。
「MR.ルイス、あなたは一体何をやっているの?」
「おはよございます…」
自粛生活の中で、リーリーの女王様の仕事は大繁盛で、今日も何件も依頼がありました。
一方、レイチェルは遠隔診療でマイルズとペトラ夫妻を診察していました。
ところが2人は、開始から言い合いをしています。
「どうしたの?」レイチェルが仲裁に入いると
「予約してないのに悪いけど、マイルズが噛まれちゃったの」
ペトラが説明しました。
ところが、マイルズは傷は少しだけだ、診察の必要はないと言い張り、2人はケンカしていたのです。
マイルズの話では、ブロードウェイのスーパーの店員に噛まれたと言います。
「コロナが心配なの」
ペトラはコロナ感染を案じていました。
レイチェルは、顔色の悪いマイルズの血圧を測るように指示を与えます。
次に、マイルズの体調を聞くと
「少し頭痛がするだけだ」
と彼は元気に答えました。
ところが、ペトラが血圧を測ろうとすると、マイルズは嫌がって抵抗しています。
その時、突然WI-FIが不具合を起こし、画面がフリーズしてしまいました。
レイチェルは、再接続をお願いし一旦リモートを切ります。
そしてレイチェルは、スマホに撮ったマイルズの傷をもう一度確認しました。
上の階のリーリーは、独身の顧客ゲイレンに2万ドルで出張して欲しいと頼まれ迷っていました。
リーリーは、1時間後にかけ直すと言うとリモートを切るなり
ビリヤードのキューを持ち出し、トントンと床を叩き始めたのです。
するとその音は、レイチェルの部屋まで響いてきます。
彼女は、ペトラと通話中でした。
しかし、電話の調子まで悪く、またかけ直す事にしました。
ちょうどその時、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の記者会見が始まり
レイチェルの夫ザックが、記者会見で発表始めました。
しかしレイチェルは、画面に見切れて映っているザックの浮気相手エステレオの姿を見つけてしまいます。
その時、上階からの物音が続いている事に気づいたレイチェルは外に出ると
「何か要る?」
と大声で上階のリーリーに声をかけました。
「アドバイス」
リーリーは、窓から顔を出してレイチェルに相談します。
「タクシーで10分のところに来て欲しいって客がいるの」
「危ないからダメ」
感染を心配して、レイチェルは反対しました。
「車を持っている人?じゃあ家に呼んで」
「ありがとう先生」
リーリーは、お礼を言いました。
「上の階で元気にしてる?」
「ええ、でもウンザリ」
「私も」
2人は短い会話を交わし部屋へ戻って行きました。
戻ったレイチェルは、CDCの会見の続きを見ます。
するとそこには、記者の質問に困っているザックの様子が流れていました。
レイチェルの母親ヘスター・ブテラ博士は、ノーベル賞の受賞経験もある著名な医師で、CDCの経済優先の方向性に強く反対していました。
「義母とケンカしろと?」
とザックが答えると、記者からの厳しい質問が続きます。
その後、CDCの会見が終了すると、レイチェルは5カウントを数え始めました。
すると…ザックからの呼び出しが鳴ります。
「見たわよ」
「お義母さんに電話」
「頑固よ。何とかするわ。元気?」
「政治が絡んで大変だ」
ザックは相変わらず忙しい様子です。
「シンディが映ってたわ」
すると…ザックは困ったように
「待ってて」
と言って画面から離れました。
シンディは、まだ近くにいたのです。
「政府の指示で…半年前のことは過ちだった」
とザックは言い訳を並べました。
しかし何日も一緒に過ごしている2人に、レイチェルは不安を感じます。
「環境が違う。レイチェル、浮気はしてないし、君だけを愛してる」
とザックは否定します。
「私も同じ気持ちだったけど…寂しい」
「分かるよ…来週、家に帰る」
レイチェルは納得できないまま、ザックは仕事に追われるように通話を切りました。
そこへ、マイルズとペトラから通話が入ります。
「いい感じよ。血圧は?」
「おかしいの40の20よ」
「今、うえが40て言った?」
レイチェルは、信じられない値に驚きます。
「ちゃんと測って40よ」
ペトラは、正確な値だと言います。
レイチェルは、もう一度マイルズの傷口を診せてもらいます。
すると、大変なことにマイルズの傷口は前よりも悪化していました。
「大変だわ、恐らく何かに感染してる」
レイチェルは、コロナではない別のウィルスに感染したと診断します。
「今すぐ救急車を呼んであげる」
「何だって!」
すると、また画面がフリーズしてしまいました。
続きは本編で!
♦スポンサーリンク♦
只今こちらの動画配信サイトでご視聴頂けます
(配信は投稿時のものとなります)
ロバート・キング、ミッシェル・キング作品を気に入った方は
こちらも↓お勧めです!
勝手に私見考察
コロナ・パンデミックの風刺ドラマ【the bite】では、ブロードウェイで活躍する役者を多く出演させています。
それは、ロックダウンの続く中、いつ再開されるか分からないブロードウェイ
多くの関係者たちは、不安を抱えていました。
そこで、製作総指揮のキング夫妻は、知り合いのブロードウェイで活躍する役者を多く出演させることにしたのです。
そして、撮影自体も通常とはかなり変わった撮影状況でした。
ストーリーでは、殆どリモートでの会話が中心で、音響を活用しゾンビの襲撃感を演出していました。
そうです!蜜を避けての撮影でした。
また、作中で絡みのあったキャスト
レイチェル役のオードラ・マクドナルドと不倫相手のブライアン役のウィル・スウェンソン
ザック役のスティーブン・パスクアーレと不倫相手エステレオ役のフィリパ・スーは、
実生活ではリアル夫婦です。
配役にもかなり気を配ったことが分かりますね。
しかし、リアル夫婦が不倫相手を演じ、迫るシーンを撮るのって…やはりプロですね~!
こうして制作された作品は、ブラックユーモアが利いたホラーの中に、
パンデミックにより国が滅びかけ寸前の時、命をかけてウィルスと戦った人々の姿を感動的に描いていました。
レイチェルとリーリーの治療薬にかける信念、ザックやブライアンの命をかけて愛する人を守ろうとする姿!
いや~感動しました!
ゾンビホラーなのに…
ドラマ放送から1年後…
アメリカでは既に通常の生活を取り戻しています。
街中でマスクをする人など殆どいません。(州によって違いはあります)
日本なんかに比べ、感染者数も死者数も桁違いに多かったアメリカ。
パンデミック当時は、きっと【the bite】で描かれた通りだったのだと思います。
がしかし…未だに日本ではコロナ、コロナと大騒ぎ
いつ元の生活に戻れることやら…