【映画：スピード】1994年のノンストップ・アクション　シャイ・ボーイから聖人へ成長したキアヌ・リーヴスを考察

今回紹介する映画は　スピード

1994年のアメリカ製作のアクション・スリラー

監督：ヤン・デ・ボン　脚本：グレアム・ヨスト

原題：SPEED　上映時間：116分

本作は、1994年に全米で公開されると批評的にも、興行的にも大成功を収め、何と3,000万～3,700万ドルの製作費に対し3億5,040万ドルの興行収入を記録したうえ、アカデミー賞の音響効果編集と音響賞の2部門を受賞するなどコスパ最強作品となりました。

勿論、この日本でも45億円の興行収入を得る大ヒット！

私も映画館に足を運びました～

本当にキアヌがカッコよかった～

また低予算だったことで未公開シーンが少なく撮影した映像はほぼ全て本編で使用されたり

空港でのバス爆発シーンでは、本物のバスを爆発させる大迫力シーンとなっています。

まあ、その為なのか…脇役の演者さんの演技は、大目に見てあげましょう～

では、恒例の

監督紹介

ヤン・デ・ボン

彼は、オランダ出身の撮影監督・映画監督。撮影監督時代の代表作は『ダイ・ハード』（1988年）、『ブラック・レイン』（1989年）、『レッド・オクトーバーを追え!』（1990年）、『氷の微笑』（1992年）などのヒット作多数。本作【スピード】で映画監督デビューを果たしています。監督は、最初の脚本のジャック・トラヴェンが好きではなく「冗談のようなシチュエーション設定と、ダイ・ハードといくつかのコメディを混ぜ合わせた感じだった」と語り、撮影開始前に別の脚本家に依頼し、硬派で“死者を出さない男”ジャック・トラベンの設定に変更しています。

また、主演のキアヌも監督と同意見で、以前出演した【ハートブルー】でロサンゼルス市警と交渉した際、「彼らから感じたのは、人命に対する配慮です。『我々は悪者を捕まえ、我々は善良な者を救うことができる』ということです」とキアヌは語り、その基本的信条を踏まえジャックの役作りをしています。

参考：エンターテインメント・ウィーク

こうしてこの作品は、ハリウッドのアクション作品特有の軽薄で軽いヒーローイメージから、硬派で献身的なヒーローへの変換で成功し、キアヌ・リーヴスの大出世作となりました。

そして、忘れてはいけない

サンドラ・ブロックが、何てチャーミングなこと！

親近感を感じるキャラは、若かりし頃から健在でした。

キアヌとサンドラのイチャイチャムードに当時の私はヤキモキもしましたが、

サンドラなら～と思えるほど彼女は素敵なんですよ

キャスト紹介

私の大好きな(くどいかな～）キアヌは、撮影直前に親友リバー・フェニックスの訃報を受け可哀想にかなりのショックを受けていました。(当時2人は、ゲイカップル疑惑があるほどの仲でした)

そんな彼を心配したヤン・デ・ボン監督は、キアヌの撮影スケジュールを変更し彼を休養させた後、撮影に臨んだそうです。

いやいや～、人気俳優のドラッグ過剰摂取による突然の死というショッキングなニュースでしたから、当時の若者みんながショックを受けました。キアヌはさぞかし辛かっただろうと思います。

あらすじ

ロサンジェルスのオフィスビル

ビルの制御室を巡回しに来た警備員は、奥から物音がする事に気づきます。

しかし、この日のスケジュールには作業の予定など入っていない筈です。

不審に感じた警備員が音のする方へ向かうと、配線盤で1人の男が作業をしていました。

「立ち入り禁止だよ」

警備員は男に声をかけます。

「配線の故障で呼ばれたんだ」

男が答えました。

「聞いてないぞ　作業許可書を」

「見せるよ」

そう言うと男は、鞄に手を伸ばすや否や警備員の側頭部めがけナイフを突き刺したのです。

そのビルの46階

「では会議は　ここまでだ」

「おめでとう」

商談が纏まり会議の出席者たちが次々とエレベーターへ乗り込みました。

ドア付近の男性が1階ボタンを押すと

「すまないな　故障してないだろうな」

奥にいた男性がジョークを飛ばします。

「やめろ」

そして、13名を乗せたエレベーターは下降していきました。

ところが…

その時、何者かがエレベーターに仕掛けた爆弾の起爆ボタンを押したのです。

すると、その爆破でレベーターの籠を吊ったワーヤーロープが切れ、13名を乗せた籠は急降下始めます。

次の瞬間、緊急ブレーキが作動し籠は30階付近で辛うじて停止しました。

動揺する13名

「何のボタンを押したんだ？」

先ほどジョークを言っていた男性が唖然とした様子で言いました。

その頃

ビル周辺は、ビルから非難する人々や消防車と警察車両が何台も到着しパニック状態になっていました。

その中

1台の車が勢いよくジャンプすると見事にビルの前に停車します。

車から降りたのは、SWATの隊員ジャックと相棒のハリーでした。

2人は、手際よく防弾チョッキを着ると颯爽とビルの中へ向かいます。

「他のエレベーターは全て使用禁止だ　」

現場では、チーフのマクマホン警部が既に到着し部下に指示を与えていました。

次に警部は、集まったSWATの隊員たちに事件の状況を説明し始めます。

「13人がエレベーターに閉じ込められた　29階と30階の間だ　犯人は爆弾を仕掛け300万ドルを要求」

「猶予は？」

ハリーが質問します。

「1時間だ」

「残り時間は　あと23分」

「落下を止めるものが？」

「ビルの底」

ジャックが皮肉交じりに言うと

「落下を阻止すんだトラヴェン」

しかし、警部がそう言うものの

エレベーターの脱出装置にも起爆配線が仕掛けられ触る事も出来ない状況だったのです。

「ホシはイカレ野郎だが利口だ」

マクマホン警部は忌々し気に言いました。

「ハリーとおれが行きます」

その時、ジャックが名乗り出ます。

「ああ、行きます」

それにハリーも続きました。

「いいだろう　調べて報告を」

そして、ジャックとハリーはビルの32階へ向かって階段を駆け上がって行きました

勝手にキアヌを私見考察

ここからは、かなり私情を挟みますのでご容赦下さい。

ご興味のある方、どうぞお付き合いください。

この当時のキアヌ・リーヴスの評判は、かなりシャイボーイだと映画雑誌などで書かれていたものです。

そして、【リバーズ・エッジ】に続いて共演2作目となるデニス・ポッパーは「彼はいつも自分の仕事に対してとても真剣でしたが、いつもとてもよそよそしかったです…。彼は心の中に混乱を抱えており、それに対処している。それが何なのかは分かりませんし、彼に質問したこともありませんが、（しかし）彼が何かを持っているのは確かです。」とインタビューで語っています。

また、撮影当時2人の恋愛関係を噂されていたサンドラ・ブロックもキアヌの内向的な性格に驚いたというほど、若かりし日のキアヌは、心に闇を抱えていたのかもしれません。

それは、明らかに幼少期の過酷な環境がキアヌの黒歴史となって不安定な情緒になっていたのでしょう。

いわゆる…親ガチャだったんです

おまけに、彼の人生には常に大切な人の死や不幸が付きまといました。

• 12歳年下の妹キムがまだ2歳の頃に父親が家を出て行ってしまい、それからキアヌは父親に代わってキムの面倒を見てきました。ところが、1991年にキムは白血病と診断され闘病生活は10年間にもわたりました。(小児病院やガン研究の支援のためキアヌは慈善団体を設立し多額の寄付をしたのは有名な話)
• 前述した親友リバー・フェニックスの薬物依存による死(1994)
• 恋人ジェニファーとは、キアヌの子を流産したことがキッカケで2人は破局、その後ジェニファーはうつ病を患い交通事故(2001)で亡くなっています

いつの頃か…キアヌはこうして大切な人の生死を通して何かを達観したのかもしれませんし

或いは、映画【リトル・ブッダ】(1993)でシッダールタ王子を演じ仏教から影響を受けたのかもしれません。

決して彼の内面を誰も推し量ることは出来ませんが

2019年頃には彼の寄行がスクープされるようになりました。

• ホームレスと酒を酌み交わす
• ぼっちキアヌフィギアまで出る始末
• セレブなのに地下鉄で何度も目撃される
• 親日家のキアヌはお忍びで何度も日本を訪れ、特に味噌ラーメンが大好物なんだとか！

何だか…奇行とかではなく、全く自由に何にも縛られることなく思いのままに生きているって感じますね

そんな彼は今では…

聖人キアヌ

キリストの生まれ変りなどと言われるまでのハリウッドきっての人格者と言われるようになりました。

何て素晴らしい人生の軌跡！だと思いませんか？

もし、若い方で自分に自信が持てなかったり、将来に不安を感じている人がいたなら

是非、キアヌから(私もそういう人生のどん底を味わった人間です)人生のどん底を味わうことを恐れず

生き抜く力を学んでほしい…怖い物なんてなくなりますから

などと正月から勝手なことを言っていますが…

キアヌ作品で」一番好きな【スピード】を紹介してみました。

いや～見た目は本当にキリストぽっいですが、人間味溢れるキアヌは益々素敵です