今回紹介する映画は 007/スカイフォール
2012年アメリカ、イギリス合作。監督:サム・メンデス。
監督は007シリーズ【スペクター】でも引き続きメガホンを撮っています。
本作品【スカイフォール】は、007シリーズの23作品目で、1962年に【007は殺しの番号】でシリーズが始まって以来、丁度50周年作品にあたります。
英国アカデミー賞を始め数々の賞を受賞
また、英国アカデミー賞では1963年の【007 ロシアより愛をこめて】以来の撮影賞受賞で、作品賞受賞に至っては、シリーズ史上初の快挙となりました。
そして、全世界で興行収入が10億ドルを超えた14番目の作品となり、007シリーズでは初めての快挙となっています。
正に50周年記念作品がシリーズ記録を塗り替える記念作品となりました。
キャスト紹介
【映画:007/スカイフォール】あらすじ
イギリス・MI6のエージェント・ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、新人エージェントのイヴ(ナオミ・ハリス)とトルコのイスタンブールで作戦に参加していました。
しかし、任務遂行中にMI6の仲間達が殺され、各国に潜入しているスパイの情報が収められたハードディスクを奪われてしまいます。
ボンドとイブは現場から立ち去った犯人の後を追い
イスタンブールの市場で激しい追跡劇を繰り広げた末に、犯人を走行中の列車まで追い詰めます。
一方、車で追跡していたイヴは、丘の上から犯人に照準を合わせますが、ボンドと犯人が列車の上で格闘しているため、なかなか撃つことができません。
そこへ、MI6部長・M(ジュディ・デンチ)は非情な指令を下します。
そして、命令に従ったイヴが発砲した銃弾はボンドに当たってしまいます。
ボンドはそのまま峡谷に落下してしまいました。
残った犯人はそのまま逃亡し、任務は失敗に終わってしまいます。
◊
数カ月後。ボンドは未だ行方不明のまま公式に死亡が認定されてしまいます。
Mは任務失敗の責任を問われて、情報国防委員会の新委員長であるギャレス・マロリー(レイフ・ファインズ)から引退かマロリーの指揮下に入るかの選択を迫られました。
しかし、Mはその提案を断ってしまいます。
その時、突然Mのコンピュータが何者かによってハッキングされたのです。
すると…MI6本部が爆破され、壊滅状態に陥ってしまいました…
その事件で6人の職員が犠牲になってしまいました。
MI6は危機的な状況に陥っていました。
その頃、ボンドは奇跡的に救助され僻地で秘かに過ごしていました。
しかし、イギリスで起こったテロ事件のニュースを目にし、ボンドはロンドンに戻ることを決意します。
一方、MI6新本部は大戦中の古い地下壕を利用して、無事に任務を遂行していました。
そんな時、ボンドがMの前に突然姿を現したのです…
その後ボンドは、00(ダブルオー)要員へ復帰の為のテストに臨みますが、成績は惨憺たるものでした。
何故なら、ボンドの右肩に、犯人追跡中に撃たれた銃弾がまだ残っていたのです。
テスト終了後、ボンドは右肩の傷をえぐり、体の中に残っていたその銃弾を取り出し、解析に回しました。
すると、その銃弾から犯人はフランスの傭兵パトリスという男だと判明します。
マロリーは、ボンドの年齢や散々なテストの結果で、復帰に懐疑的ですが、Mはボンドを信じ職務復帰を押し通しました。
復帰を果たしたボンドは、上海にパトリスが現れる情報を得て、再びパトリスの追跡を開始します。
ボンドは、上海任務の前に美術館で新任の兵器開発課長・Q(ベン・ウィショー)に会い、「小型発信器」と「生体認証型ワルサーPPK/S」を渡されました。
Qは、このワルサーはボンドしか操作出来ない仕組みだと説明します。
最新の武器を手にボンドは、上海に向かいます。
続きは本編で!
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(配信は投稿時のものとなります)
勝手に私見考察
冒頭とラストのアクションシーンは見応え十分。
冒頭のイスタンブールでの追跡劇は、まるで【ルパン3世・カリオストロの城】を実写化したようなイメージです。(人々や露店がひしめく中で、お構いなしにカーチェイスをしたり銃撃戦を繰り広げます)
瓦屋根のバイクシーンも圧巻です。
そして、ラストの対決では、時代の新旧対比が武器や戦術にまで及び、
多勢に無勢で絶体絶命のピンチと思いきや…
アナログな武器と戦略で戦い危機一髪…とハラハラドキドキしっぱなしです。
そして、最後に敵の止めを刺す武器とは…
アナログだってまだまだだ!
スカイフォールのテーマがそこにあったように思います。
OPやライティング効果の映像美。
アデルが歌う主題歌「スカイフォール」と共に始まるOP、滝底へ堕ちていくボンドがミュージックPVの様に始まります。
また、暗闇の中で、硝子張りの高層ビルで繰り広げられるボンドとパトリックの格闘シーンは
ビルの照明や街のネオンを使ったプラクティカル・ライティング効果により、暗闇とネオンの美しさの中に、2人の格闘する姿が浮かび出されていて非常に効果的でした。
そして、同じくプラクティカル・ライティングの演出がされた上海カジノのシーンでは
色彩とプラクティカル・ライティングを効果的に使用し迫力ある演出と、そこへボンドが颯爽とカジノに乗り込むシーンは圧巻です。
その後現れる妖艶なセヴリン(ベレニス・マーロウ)を一層引き立たせていました。
Mの非情
本作では、Mとボンドの絆の強さが描かれていました。
MI6のMという職務にとって、任務の成功が最優先です。
その為、時には部下を見捨てなければならない、非情な決断を何度も迫られてきました。
ボンド自身もその部下の一人でした。
しかし、ボンドは「自分に任せて欲しかった」と言って、決してMの決断を責めていません。
黒幕のシルヴァの目的がMだと分かると、ボンドは全てをかけて彼女を守ります…
反対にシルヴァの場合は、Mの非情な決断によって塗炭の苦しみを味わい、Mに復讐するために巨大な悪の組織に入ってしまいました。
マンパワーか…最新技術か
映画:スカイフォールのストーリーは、時代遅れ使用済みといった古いものと、若いさ最新等の新しいものとが対照的なテーマとしてあったように思えます。
ボンドも年齢的に中年ですし、MI6に復帰する際もマロリーは懐疑的でした。
また、政府の審問会ではハッキリとスパイの活用は時代遅れだと指摘しています。
しかし、最後の最後で危機を救ったのはマンパワーであり旧式の武器や戦術でした。
この人間臭いストーリはサム・メンデス監督の哲学でしょうか…
まだまだ行ける!そんな勇気をもらいました。
さて、1995年から2012年までの17年間に渡って3代目Mを演じたジュディ・デンチが、有終の美を飾りました。
私にとって、Mと言えば彼女でした。
そして、2021年の「ノー・タイム・トゥ・ダイ」をもってダニエル・クレイグ版ボンドもラストを飾ってしまいます。
寂し~い
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