今回紹介する映画は 屍人荘の殺人
2019年日本製作。 監督:木村ひさし
木村監督作品の代表作と言えば【トリック】シリーズ、【20世紀少年】シーリーズが印象深いですが、TVドラマや映画で数多くの作品のメガフォンを撮っています。
本作品でも、【トリック】同様コメディ要素が強く、個性の強いキャラ設定となっていました。
原作は今村昌弘の同名デビュー作品で、【屍人荘の殺人】は数々の賞を受賞しています。
原作、脚本、監督、配給は東宝、キャスト、主題歌はperfumeと一流を揃えた作品でしたが、2019年に公開され低評価意見の多い出来ばえとなっているようです…
【屍人荘の殺人】あらすじ
神紅大学のミステリー愛好会会長の明智恭介とミステリーおたくの部員葉山譲は、“神紅のホームズとワトソン”と呼ばれていましたが…
愛好会の部員は2人だけ。しかも殆どは明智の気まぐれで学内や近所で起こった事件に首を突っ込む程度のものでした。
ある日、学内の物理学教授の部屋から試験問題が盗まれる事件が起きます。
そこに居合わせた文学部1年の剣崎比留子は、鋭い洞察力をもって2人の推理にヒントを与え解決に導きます。
そして、3人は無事に犯人を突き止める事が出来ました。
その後、比留子からフェス研に届いた脅迫状の話を聞かされる2人。
その話には続きがあり、去年の夏合宿中に参加した女性部員が1人行方知れずになり、フェス研との因果関係は現在も不明のままだというものでした。
そして彼女は、明智と葉山に今年の夏合宿参加を持ち掛けてきたのです。
フェス研夏合宿には、謎の脅迫状…湖畔のペンション…行方知れずの女子部員…と
興味深い疑惑に惹かれ2人は比留子と参加する事に…
紫湛莊に着いた3人を管理人の菅野唯人が出迎えます。
次々と登場する個性的な合宿参加者達…
しかし、その後開催されたフェス会場で前代未聞の事態が発生し参加者は巻き込まれてしまいます。
事態は悪化の一途をたどり、合宿参加者達は余儀なく紫湛莊に立て篭る事に…
キャスト紹介
葉山譲/神木隆之介
主人公。神紅大学理学部1年 趣味はミステリー小説を愛する推理オタク。疑惑のフェス研夏合宿に参加したことから思わぬ事態に巻き込まれてしまいます。
剣崎比留子/浜辺美波
神紅大学文学部1年 警察に捜査協力をして来た本物の名探偵。フェス研の夏合宿にある思惑を持って明智と葉山を誘います。推理で閃いた時に雲竜型で手を打つクセがあります。
明智恭介/中村倫也
神紅大学7,8(?)年生 ミステリー愛好会会長“自称ホームズ” フェス研夏合宿に参加し思わぬ事態に巻き込まれます。推理で閃いた時に指を鳴らすクセがあります。
進藤歩/葉山奨之
フェス研幹事長。OB達に都合よく使われる役回り。女子参加者が減ってしまった為、恋人の星川麗花を参加させたことで、OB達に目を付けられてしまいます。
静原美冬/山田杏奈
フェスでスマホを落としたところ、フェス研OBの七宮と立浪に助けてもらいますが、思いがけない事態が発生したため、皆と共に紫湛莊に立て篭ることに。
菅野唯人/池田鉄洋
七宮家の執事で紫湛莊の管理人。甲斐甲斐しく宿泊者の世話をします。
立浪波流/古川雄輝
フェス研OB。チャラ男で自分勝手な性格 同じくOBの七宮とは仲間。
七宮兼光/柄本時生
フェス研OB。七宮家の御曹司で夏合宿に紫湛莊を提供しています。夏合宿で立浪と共に我が儘放題に振舞います。
出目飛雄/塚地武雅
ロックフェスで思わぬ事態に遭遇し紫湛莊に逃げ込む、関西弁のおじさん。
高木凛/ふせえり
出目と共に紫湛莊に逃げ込む、文句ばかり言っているおばさん。
勝手に私見考察 ネタバレあります要注意
TVドラマ【トリック】を彷彿とさせるコメディ要素が満載の木村ひさし監督らしい作品でした。
個性的なキャラ設定は面白かったし、管理人役の池田鉄洋やふせえりの出演とあって何かやってくれるだろうと登場から期待も高まりました。
明智役の中村倫也もいい味が出ていたのに…活躍シーンは物足りないくらいで明智ってコレだけ?感で一杯でした。
密室殺人事件とゾンビを融合させた新たな展開が見物のミステリーの筈ですが…
欧米のゾンビ作品をこれでもか!と観ている私達に、このゾンビはいかがなものか…
まるでハロウィンのUSJにしか見えません。
以上が不評を買った原因ではないかと推測します。
木村監督作品を好んでよく観ましたが、今回の【屍人荘の殺人】は正直イマイチになってしまいました。
どうせなら、ゾンビとの戦いや明智との別れにもっとサバイバル感を出し、その対照軸に個性の強いキャラ達のコメディでよりストーリーにメリハリをつけていたら…
素人考えではありますが、もう少しテンポも感じられたのではないかと思います。
原作はシリーズ化されていますので、是非続編のリトライを期待したい。
昨今は、動画配信サービスが充実し海外ドラマや海外映画が思う存分堪能できる時代です。
日本のエンタメ界もアニメ頼りでなく
映画やドラマ作品も危機感をもって製作していかないと、ガラパコス化が止まらないだろうと不安に思います。
兎に角ナイーブすぎて深みのないストーリー
ミステリー作品には、金田一耕助シリーズや松本清張、東野圭吾原作作品のような日本社会の闇を描いた良質な作品も沢山製作されています…現実感の無いお花畑的な軽いストーリーにはもう飽き飽きだ!
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