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【ドラマ:刑事シンクレア シャーウッドの事件】シーズン2更新決定!脚本家が故郷に込めたメッセージに感動!

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今回紹介するドラマは 刑事シンクレア シャーウッドの事件

概要 

2022年6月13日にBBC Oneで放映された犯罪ドラマ

“今年度最高のBBCドラマ!” “素晴らしいキャストと舞台の特殊性から計り知れない力を引き出す、

手に汗握るミステリーである『シャーウッド』は、競合作品が貧弱に見えるほど豊かなシリーズである”

などメディアや批評家から絶賛され、既にシーズン2の更新も決定しています。

そのシーズン2は2024年にBBC OneとBBCiPlayerで初公開される予定。

なら、もうされたかな?

脚本:ジェームズ・グラハム(僕と世界の方程式)

ドラマの冒頭にテロップが流れますが、

これはグラハムの出身地ノッティンガムシャーの集落で実際に起きた、イギリス全土を震撼させた2つの悲劇的殺人事件に着想を得て作られ、1984年に発生した炭鉱労働者のストライキを発端に、長年に渡る村の住民達の分断と悲劇を描いた作品です。

全6話(1話56分~59分)

Sherwood | Trailer – BBC Trailers
補足説明

この作品はイギリスアカデミー賞を受賞し高い評価を受けました。

何故なら

長年にわたるイギリス国民の心に刻まれた”傷”を描き、

それが多くの国民の共感を得たからではないでしょうか。

では、その“傷”とは…

このドラマを楽しむ上で欠かせないイギリス全土を巻き込んだ争議がありました

サッチャー政権下、国有石炭産業で「不採算」とみなした炭鉱の閉鎖を強行したために、その阻止を訴えた炭鉱労働者の大規模ストライキと政府との争議がキーとなっています。

この件を詳しく知りたい方はWikipediaをご参照ください。(参考:1984-1985 イギリス炭鉱労働者ストライキ

その後何年にも渡り、ストライキを強行した労働者と生活のためストライキに参加しなかった労働者間で亀裂が生じ、各地でスト破りに対し暴力行為が行われイギリス全土に遺恨を残す事となりました。

その中でも、ノッティンガムシャーの暴力行為は脅迫や車への破壊行為など激しかったようです。

イギリスのたっくさ~んある黒歴史の中の1つですが… 

しかし、さすが鉄の女サッチャー!

国民が分断しようとも労働組合の弱体化を強行し政府は勝利した!

だがしかし、問題は残したまま…

実にイギリスらしい顛末だと思うのは私だけではないでしょう~

おススメ度:★★★★☆ BBCらしい重厚なドラマで、俳優も演技派のベテランで固め完成度の高い作品でした。”大人なら誰しも心に傷を抱えて生きている!”そんな心の傷を治癒するような作品で大人のための大人のドラマ!
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キャスト紹介

イギリスドラマ好きなら堪らない。

皆が見た事のある名脇役が勢揃いしています。

個人的には、このブログで紹介している作品にも登場しているあの俳優たちが堪らなかた!

たとえば…【名探偵ポワロ】シリーズでお馴染みフィリップ・ジャクソン

【スリーピーホロウ】【リトルトリッド】など数々の作品に出演しているアラン・アームストロング

【グランフォード】のローズ夫人を演じたレスリー・マンヴィル

【ジェーン・エア】でフェアファックス夫人を演じたロレイン・アシュボーン

【キリングイヴ】で数回登場したマーティンを演じたアディール・アクタル

また、超人気ドラマ【ダウントンアビー】からジョアン・フロガットケビン・ドイル

挙げれば切りがない!

そんな名優たちの演技が見所でもあります。

警察関係者
イアン・シンクレア/デイヴィッド・モリッシー
        (1984年)ジョージ・ハワード
ノッティンガムシャー警察の警視正
2つの殺人事件の捜査責任者
1984年のストライキ
時はまだ若い警察官だった
ケビン・ソールズベリー/ロバート・グレニスター
         (1984年)トム・グレニスター
1984年の事件時にギャリーの無罪を証言したこと
一生の汚点となり警部補のままでいる
イアンの捜査協力依頼がキッカケで
再びロンドン警視庁から派遣されたが、
イアンとは当時の遺恨が残っている
DSクリーバー/テレンス・メイナードイアンの部下
テイラー警部/アンドレア・ロウイアンの部下
シンクレア家、友人
ヘレン・シンクレア/クレア・ホルマンイアンの妻
マルティン・シンクレア/マーク・フロスト
      (1984年)カラム・ハイマーズ
イアンの弟で元警察官 顔に火傷の痕が残っている
ジェニー・ハリス/ナディーン・マーシャル小学校の校長でヘレンの友人
1984年の事件当時ソールズベリーの恋人だった
ジェイコブ・ハリス/ドン・ジレジェニーの夫
ジャクソン家
ジュリー・ジャクソン/レスリー・マンヴィル
      (1984年)ポピー・ギルバート
ゲイリーの妻でシンデレラとノアの祖母
1984年にゲイリーと共にピケラインに立
ている
妹家族とは犬猿の仲
ゲイリー・ジャクソン/アラン・アームストロングジュリーの夫で元炭鉱労働者の労働組合員
村では数少ないストライキ参加者でピケラインにも立った

1人目の被害者
シンデレラ・ジャクソン/サフィア・オークリー・グリーンジュリーとゲイリーの孫娘
両親が旅行中で弟のノアと祖父母の家に預けられている
スパロウ家
ダフネ・スパロウ/ロレイン・アシュボーンミッキーの妻
肝っ玉母さんで家族を支えている
ミッキー・スパロウ/フィリップ・ジャクソンダフネの夫
農場経営者でアーチェリー場も営んでいる

麻薬犯罪歴があり警察からも睨まれ、
住民からも敬遠されている
ロリー・スパロウ/ペリー・フィッツパトリックスパロウ家の長男でタクシードライバー
ロナン・スパロウ/ビル・ジョーンズスパロウ家の次男
ンデレラとの交際を秘密にしている
ローリー家
フレッド・ローリー/ケビン・ドイル元炭鉱労働者でストライキに参加しなかった1人
ゲイリーからは”スト破り”と罵られお互いに
関わり合わない
キャシー・ローリー/クレア・ラッシュブルックフレッドの後妻でジュリーの妹
隣家に住む姉家族との関係に心を痛めている
スコット・ローリー/アダム・ハギルフレッドの連れ子
給付金詐欺で審判を受けることになっている
フィッシャー家
アンディ・フィッシャー/アディール・アクタル地元の鉄道運転手で妻に先立たれ落ち込んでいる
息子の花嫁のサラと折り合いが悪い
ニール・フィッシャー/バリー・ギルアンディの1人息子でサラと結婚する
サラ・ヴィンセント/ジョアン・フロガットニールの花嫁
トーリー党員で次の選挙の立候補

あらすじ 第1話 過去の闇(56分)

「今こそ心を決める時だ ひざを屈して甘んじるのか 立ち上がって産業の閉鎖や解体と戦うのか」

サッチャー政権下の1984年から85年に起こった炭鉱労働者のストライキは、炭鉱閉鎖を阻止しようとした、イギリス炭鉱業界内での大規模な労働争議であった。

「昨夜の騒動をテレビで見たでしょう 暴力による支配が法の支配によって取って代わろうとしている それが現状なのです」

ストライキへの反対運動は、労働組合の力を弱めようとしたマーガレット・サッチャー首相の保守党政権が主導し

警察では“特別デモ捜査班”が秘密裡に結成された。

そして、新聞やテレビは連日のように労働争議を伝えている。

”警棒で殴られ頭蓋骨を骨折した 背中や脚もめった打ちされたよ”

”誰に?”

”警察だ”

”この状況を見ろ”

警察による厳しいピケラインの取り締まりの様子が流れる。

“ノッティンガムシャーの12の炭鉱のうち10坑が通常操業しています”

そんな中、ノッティンガムシャーはスト破りの多い地域だと女性アナウンサーが伝える

「なぜスト破りを?」

「生活に余裕がないんだ」

記者に聞かれストに参加しなかった男性が答えた。

そして、次々とスト破りが現れた。

“スト破りを忘れない”

街のレンガ塀には抗議の言葉が書かれ、労働者同士の分断が激化して行った。

“働きたい男たちはスト参加者から激しい非難を浴びています”

“スト破りの汚名は一生消えない!”

”村で炭鉱に関わる問題が起こると全員の身に降りかかるんだ”

 

 

ノッティンガムシャー現在

サラ・ヴィンセントは、選挙用のビラ配りで一軒一軒ドアをノックして回っていた。

1軒のドアの郵便受けにビラを入れようとした時、急にドアが開き家人が出てきた。

「あら どうも ごめんなさい」

この家人は、顔に火傷の痕が残るマルティン・シンクレア。

「これをポストに入れようとしてたの」

サラはビラを差し出し

「投票して」

と付け足した。

しかし、そのビラを見たマルティンは信じられないといった様子だ。

「正気じゃないよな?トーリー党員?」

※トーリー党は保守党の前身の政党

「問題でも?ここの議員にもいるわ 労働党は落ち目よ」

サラの言い分を聞いたマルティンは思わず笑ってしまう

「労働者階級の支持票は当然視できない」

「失礼するよ」

そう告げると、マルティンはサラのビラを受け取りもせずドアを閉めてしまった。

「入れとくわね 私のSNSもフォローして」

ところが、サラは郵便受けにビラを押し込み、家の中に聞こえるように言うと

次の家への郵便受けにビラを入れた。

その時、サラの携帯が鳴った。

「ニール 何の用?」

電話に出ながらもサラはビラ配りを欠かさない。

すると…

「ビラ配りしてるな」

ニールはまるで見透かしているとばかりに言った。

「まさか これから美容院よ バカ言わないで」

サラはしらばっくれたが

「君が訪ねてきたとカトリーナから聞いたんだ」

新郎のニールにはお見通しのようだ。

彼は、これから始まる結婚式のスーツ姿で鏡に向かっている。

「美容院に行く途中 寄り道」

「何も今日しなくても」

そこでサラは話を変えようとした。

「準備は?順調?」

「ビラ配りは止めろ」

やはり彼はサラの魂胆などお見通しだ。

「分かったわ 後でね」

さすがのサラも諦めて、真直ぐ美容院に向かうことにした。

続きは本編で!

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只今こちらの動画配信サイトでご視聴頂けます

(配信は投稿時のものとなります)                                  

勝手に私見考察

ジェームズ・グラハムが故郷に込めた思いを考察

ここからはネタバレも含みます

まずもって、こんなにも長年にわたって国民の間でくすぶり続ける確執があることに驚いた!

そりゃあ~ 昔からイギリスは世界中に紛争の火種を残す訳だ~ それを自国でもやってるなんて…

脚本家のグラハムが育ったノッティンガムシャーはドラマのような有様だったんでしょうね。

実際に殺人事件が起こってしまうんですから。

きっと、彼の周りでもロリー・スパロウのように大人たちの影響を受け組合員を憎む若い世代もいたのでしょうし、

イアンやケビン、事件に関わった大人たちのように、心の傷を引きずった人もいたでしょう。

ところが彼は

連続殺人事件の犯人の動機を物凄く肩透かしなものにしています。

なんと…

”目立ちたかったから”

全くストライキ事件とは関係ないじゃ~ん

あんなに警察をあたふたさせておいて…

なんじゃそりゃ~と思った方もいるんじゃないですか?そんな私もズッコケました。

しかし、ちょっと待った~!

きっと、グラハムは言いたかったに違いない。

もういい加減未来を見ようよ!

過去に囚われるな!

子供たちを解放しろ~と

多くの大人たちよ、心の傷に向き合い精算しろと!

私はドラマを観終わった後、そんな彼の故郷への強い思い感じ感動しました。

いや~ いいドラマだった~

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