今回紹介する映画は レッド・ドーン
2012年公開 アメリカ合衆国製作 監督:ダン・ブラッドリー
1984年の映画【若き勇者たち】のリメイク作品。
【若き勇者たち】では、敵国はソ連、キューバ、ニカラグアの共産圏連合軍になっていましたが、【レッド・ドーン】では、北朝鮮、ロシアの共産圏の設定になっています。
当初対中国の設定で製作されていましたが、中国マネーに配慮し急遽北朝鮮に変更された話は有名です。
北朝鮮を知る日本人が観れば荒唐無稽な設定ですが、北朝鮮を中国と置き換えて観てみると作品の面白さは断然違ってきます。
数年先にも現実に起こるかもしれない台湾有事、南シナ海での軍事衝突……複雑で不安定な国際情勢
【レッド・ドーン】に描かれた世界は、もしかすると日本に起こりうるストーリーなのかもしれない……
一度、国家安全保障について考えてみるのも良い機会かもしれません。
【レッド・ドーン】あらすじ
緊張が高まる国際情勢
アメリカ諜報局は、海外スパイによるインフラ制御装置の監視やサイバー攻撃によって国家の安全が揺るがされると懸念し最も重要な問題と認識していました。
その頃北朝鮮はPRCO(環太平洋機構)に加入し、内政干渉を許さないとしてアメリカ及び同盟国へ強い警告をしています。
韓国テレビ局は、金正日総書記が脳卒中で倒れ金正恩氏が後継者とし最高指揮官に就いたと報道。
一方ロシア国内では、大統領選を前にテロ行為が激化する中、ロシア軍はグルジア首都へ侵攻、西との軍事的緊張が一気に高まります。
アメリカはロシアとの関係を白紙に戻すと発表。これにより中東、南アジア、朝鮮半島にアメリカ軍が配備され、自国の沿岸警備が手薄になってしまいます。
北朝鮮の韓国軍艦を魚雷で撃沈し、延坪島襲撃と繰り返される軍事的挑発に、韓国国内では抗議活動が継続されていました。
遂に北朝鮮は不可侵条約を破棄。アメリカを潰すと威嚇します。
悲劇の始まり
アメリカ・ワシントン州スポケーン
高校のアメフトチーム”ウルヴァリンズ”は、地元の期待に応えられず試合に敗れてしまいます。
クォーターバック選手のマット・エッカートは、自分のミスで負けてしまい落ち込んでいました。
その日、アメリカ海兵隊員の兄ジェドは、休暇でイラクから帰郷していました。
夜の町には、若者達がクラブに集まり盛り上がっています。
ところが突然、町中が停電になり辺りは真っ暗闇です。
この大規模停電は、アメリカ北西部全域で起きる恐れがあり、原因は依然不明でした。
2人の父親は警官で、停電になった町の警戒にあたるため出かけて行きました。
翌朝、ジェドとマットは大きな物音で目を覚ます。
外へ出ると…町の上空を埋め尽くす数の空挺部隊がいたのです。
ジェドは直ぐに危険を察知し、マットと共に父のトムを探しに車に乗り込みました。
途中、トムと会えた2人ですが、そこへ空挺部隊の攻撃を受けてしまいます。
トムは「山小屋へ行け。マットを頼む」と言って2人を逃がし、彼は住民の救助に向かいました。
2人はマットの恋人エリカを救いに向いますが、既に北朝鮮軍が配備しており攻撃を受けてしまいます。
エリカを救出できないまま、友人数名を救助してそのまま山へと避難しました。
その直後、アメリカ全土は北朝鮮兵によって制圧されてしまいました。
ジェドらは、祖国解放のため最初のレジスタンスとなり戦いを挑むことになります…
【レッド・ドーン】キャスト紹介
ジェド・エッカート :クリス・ヘムズワース
アメリカ海兵隊員。仲間達に軍事訓練を指導し”ウルヴァリンズ”を結成。レジスタンスチームのリーダーとして反乱活動を開始します。
マット・エッカート :ジョシュ・ペック
ジェドの弟。アメフトチーム名“ウルヴァリンズ”はレジスタンスチームの名前になります。母の死後、逃げるように海兵隊に入隊したジェドに冷たい態度を取っていましたが、ジェドと共に“ウルヴァリンズ”の一員になります。
ロバート・キットナー :ジョシュ・ハッチャーソン
初めは銃の扱いにも不慣れでシカを撃つことも躊躇していましたが、故郷や仲間を守るために立ち上がりレジスタンス“ウルヴァリンズ”の一員として次第に戦士へと成長していきます。ダリルの友人。
トニ・ウォルシュ :エイドリアンヌ・パリッキ
レジスタンス“ウルヴァリンズ”の一員。ジェドの幼馴染で昔からジェドに恋心を抱いていました。
エリカ・マーティン :イザベル・ルーカス
マットの恋人。北朝鮮の兵士に連行され収容所に入れられますが、マットに救出された後は、レジスタンス“ウルヴァリンズ”の一員として共に戦います。
ダリル・ジェンキンス :コナー・クルーズ
レジスタンス“ウルヴァリンズ”の一員。父は市長。ロバートの友人。市長の父は、北朝鮮側に寝返ってしまい複雑な立場になってしまいます。
トム・エッカート :ブレット・カレン
ジェドとマットの父親。2人を逃がした後、北朝鮮軍に捕まり、ジェド達に投降を促すよう命じられますが「正しい選択をしろ。2人とも愛しているそれを忘れるな。私の代わりにやれ」と呼びかけチョウ指揮官に射殺されてしまいます。
チョウ指揮官 :ウィル・ユン・リー
北朝鮮軍指揮官。“ウルヴァリンズ”に立ちはだかります。
勝手に私見考察
1984年当時、私は【若き勇者たち】を映画館で観ていました。
その頃10代前半だった私は、少し年上の高校生達が武器を持って侵略者達と戦うストーリーに衝撃を受けていました。
だいたい、この映画の設定自体が、当時の私にはセンセーショナルな事でした。
本作リメイク版【レッド・ドーン】の感想は、正直に私は面白かったです。
荒唐無稽なストーリーとの意見も多い作品ですが、現在の国際情勢を鑑みても決してそう言い切れないと思えるのです。
【若き勇者たち】の脚本家ケヴィン・レイノルズの原案からカール・エルスワースとジェレミー・パスモアが手を加えストーリーは現代に沿ったかたちにアレンジされています。
ジェドが軍事訓練をするシーンのセリフ「まともに戦ったら勝ち目はない。ベトコン、イスラム戦士、独立戦争の民兵が手本だ。ノミでも犬に傷を与えられる」
…と今までアメリカ軍を苦しめていたゲリラ戦で戦うわけで
何とも皮肉なセリフです…
ラストは、勧善懲悪でスッキリした終わり方ではありませんが、希望を与えた形の終わり方で良かったです。
続編があれば是非観てみたい。
また【若き勇者たち】に出演していた、パトリック・スウェイジ、チャーリー・シーン、C・トーマス・ハウエル、ジェニファー・グレイ、リー・トンプソンといった若手俳優はその後…
【ゴースト】【ダーティーダンシング】【メジャーリーグ】【バック・トゥ・ザ・フューチャー】【ヒッチャー】などに次々出演し大躍進しました。
では、【レッド・ドーン】で気になる出演者は、主演の クリス・ヘムズワースは既に人気俳優ですが、他にもダリル役のコナー・クルーズは、トム・クルーズ&ニコール・キッドマンの養子です。
しかし、現在のコナー・クルーズは俳優としては活動していないようです。
個人的には、テレビドラマ【Hawaii Five-0】でサン・ミン役を演じていたウィル・ユン・リー見~けっ!と喜んでしまいました…
本作では、仇役のチョウ指揮官ですが、ついつい応援してしまいました~
シリアスでチョット辛いストーリーなので、ラストは緩~く締めたいと思います。
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