今回紹介する映画は 陰陽師0
概要
2024年公開の日本映画
監督・脚本:佐藤嗣麻子(代表作:アンフェア、エコエコアザラクなど)
上映時間:113分
原作:夢枕獏の累計670万部を突破した小説『陰陽師』シリーズ
本作は、佐藤監督と古くから親交のある夢枕の全面協力の元、晴明が陰陽師となるまでの青年時代を描いた完全オリジナルストーリーになっている。
また、数々の呪術シーンやアクションシーンではVFXを駆使し、幻想的な世界観を映像化した。
このVFXを製作したのは…
【ゴジラ-1.0】で一躍有名となった
あの『白組』!
それもその筈、佐藤監督の旦那様は、あの山崎 貴監督ですから~
美術や衣装など細部に至るまでの考証に拘っただと?
「映画に出て来る陰陽寮なんて、誰も見たことがないですよね(笑)。寺社仏閣以外、平安時代の建物なんてほぼ残っていないなかで、作り込まなければいけないわけです。さらに夢の中の世界にまで範囲が広がったので、何もないところから作っていくのはとにかく大変でしたね」
参考:映画.COM
と語っている佐藤監督
「和」と同等以上に「洋」のテイストを感じさせる世界観が、観る者の目を楽しませてくれる。ここにも、佐藤監督ならではの根拠が見え隠れする。
参考:映画.COM
しか~し
イチ視聴者としては、平安時代の安倍清明が観たいわけで、
ファンタジー作品はリアリティを追求しなければ、必ずと言っていいほど失敗に終わる (あくまで私見です)
そもそも、平安時代は中国の影響を大いに受けた奈良時代から変わり、
日本独自の文化が花開いた時代。
その歴史的背景を無視して
あの衣装に!
あの御所!
当時の貴族の女性は十二単だし
建築様式は寝殿造。
高貴な女性が…あんなに肩を露わにするなんてありえんでしょ~
しかも、帝が…公に姿を見せるなど…
イヤイヤ、現代風にアレンジするにしても
リアリティを無くしてしまっては
その時点で、作品への興味は半減だ!
ならばいっそのこと、架空の時代で描いた方が余程イイ
そして、本作は若い人を中心に10億円以上の興行収入だったそうだ。
やれやれ… 10億円でヒットと謳っているのが我が国の映画界…
そりゃあ、見応えのある作品なんて製作できんだろうな~
キャスト紹介
「とても不思議な人」
これは、佐藤監督が清明役に抜擢した山﨑賢人の印象。
私の世代なら清明と言えば野村 萬斎(2001年公開 滝田洋二郎監督作品)
では、彼は若き日の清明をどう演じたのでしょう…
安倍晴明/山﨑賢人 | 陰陽寮の学生 賀茂忠行の弟子だが陰陽師に対し不満を抱いている |
源博雅/染谷将太 | 醍醐天皇の孫で高名な雅楽家 徽子女王に恋心を抱いている |
徽子女王/奈緒 | 醍醐天皇の皇孫 伊勢神宮の斎宮を退き京に戻ってきた 従兄弟の博雅を慕っている |
帝/板垣李光人 | 醍醐天皇の第十四皇子 兄の朱雀天皇崩御後に村上天皇(むらかみてんのう) として即位 |
平郡貞文/安藤政信 | 陰陽寮の学生で農家出身の45歳 故郷に残してきた母のために帝の陰陽師となるべく 得業生を目指している |
陰陽博士・賀茂忠行/國村隼 | 高名な暦家で陰陽寮では教師として陰陽道を教えている 両親を亡くした晴明の育ての親 |
天文博士・惟宗是邦/北村一輝 | 天文や陰陽道としての心得を教える天文道の専門家 |
陰陽頭・藤原義輔/小林薫 | 陰陽寮のトップである陰陽頭 帝の陰陽師「蔵人所陰陽師」に最も近いとされている |
あらすじ
<あなたは 今 夜ごとの夢の中にいます
その夢は 過去の記憶です
何が 見えますか…>
清明は、どこかの草原を彷徨うように歩いていた。
そして、丘の上を見上げると
その丘の上に男がいた。
空には黒々とした雲が立ち込め無数の流れ星のような光が落ちている。
その時、清明は
ふと…足元にある何かに気づいた
そこは…誰かの墓のようだ。
盛り上がった土の中から
人の手が出ている。
その手は白い人形のようなものを握りしめ、もう片方の手でその人形を指さしていた。
まるで…清明に何かを伝えているように…
その時
丘の上にいた男が、いきなり清明の目の前に現れ
刀を抜いたかと思った刹那、清明の血しぶきが飛び散った…
…清明は夢から醒めた
京の夜空には北斗七星が輝き、幾つもの光が流れ星のように飛び交っている。
<平安時代 闇が闇として残っていた時代
人々の何割かは 目に見えないものの存在を 確実に信じていた
遠い森や 山の奥ではなく 人も鬼ももののけも
おなじみやこの暗がりの中に 時には 同じ屋根の下に
息をひそめて 一緒に住んでいたのがこの時代である>
続きは本編で!
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勝手に私見考察
辛辣な感想を書いてきたが、
若い人が観ればそれなりに面白い作品なのかもしれない。
がしかし、遠い昔の平安時代を
作品を通し若い人たちに伝えるのも、1つの役割なのではと思う。
何故なら、滝田洋二郎監督の2001年の『陰陽師』を観れば分かる!
2001年『陰陽師』との比較
2001年の『陰陽師』では
役者のアップを多用しその表情から伝わる感情に心を揺さぶられた。
特に、悪役の真田広之や夏川結衣の演技は素晴らしかったし、
人の妬み嫉妬、欲望といった感情が、本作同様にテーマとなっていたが、
その演出は、本作と比べ数段上だったのではないかな。
また、ロケ地やセット、衣装も当時を彷彿させてくれ楽しませてくれた。
一方、『陰陽師0』では、
清明役の山崎賢人、博雅役の染谷将太ともなかなか良かったのではないかな~
特に、博雅は2001年の伊藤英明よりも良かった!
けれども…
なあだかな~ あのハリーポッター感はどうかと…
もう、昔のような重厚な時代劇は観れない時代になったのかな…
年代の違いだろうか…