今回紹介する映画は シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション
最近、Netflixの実写版『シティハンター』がYouTubeの動画で絶賛されています。
そこで、同じ実写版でよく比較されてるフランス版『シティーハンター』を紹介していこうと思います。
このフランス版も原作愛に溢れた素晴らしい作品なので、今回ドーンと持ち上げていきますね。
概要
2019年のフランスのアクションコメディ映画(日本公開は同年11月29日)
同年2月には劇場アニメ版『劇場版シティーハンター〈新宿プライベート・アイズ〉』が公開されていて、
まさに2019年は『シティーハンター』YEARだったわけです。
監督・脚本・主演:フィリップ・ラショー
原題:Nicky Larson et le Parfum de Cupidon(ニッキー・ラルソンとキューピッドの香水)
上映時間:93分
原作:北条 司により1985年に連載が開始された漫画『シティーハンター』
そして、日本語吹き替え版のエンディングには、テレビアニメの初代エンディングテーマ「Get Wild」が使用され、アニメをリスペクトするようにラストには…あのイントロが~流れてきます
ファンには堪らない
当時の私は『シティーハンター』をキッカケに、TMNのファンクラブに入会するほど「Get Wild」にハマりました
興行成績:フランスでは観客動員数168万人の大ヒットを記録(フランスでは【ニッキー・ラルソン】というタイトルで、リョウがニッキー・ラルソン、カオリはローラという名前)
フィリップ・ラショー監督の実写化までの熱意
出典:livedoorNews
北条氏は、ラショー監督の脚本に1点だけアドバイスをしたそうです。それはラストシーンなのですが…まさに獠らしいシーンになっていますのでお楽しみに。
実物のラショー監督ってブロンドのイケメンで、冴羽獠と時と印象がずいぶん変わりますね。
監督・脚本・主演を務めたフィリップ・ラショーは、フランスの俳優、映画監督、脚本家、アニメーター。
1980年代のフランスでは、日本のアニメが何作もTV放送されていました。監督曰く「世界で一番日本アニメのファンが多い国」と言うほど昔から日本アニメが浸透していたんですね。特に『シティーハンター』『ドラゴンボール』『キャプテン翼』『聖闘士星矢』の人気が高かったそうです。その影響を受け、彼は少年時代から映画監督か漫画家になる事が夢だったそうです。
ラショー監督は『シティーハンター』実写化の前に、自身で書いた脚本を持参し初来日。そして原作者の北条司氏に直談判!すると、脚本を読んだ北条氏は快諾。帰国後は冴羽 獠になるために、ブロンドから黒髪へ、そしてリアル獠をめざし筋トレに励み8キロも体重を増量させました。
また、今回初めてのアクション作品とあって、銃捌きやアクションの訓練を受け、作中では華麗で笑える銃撃シーンが見どころになっています。
そして、実写化にあたりラショー監督は「元々の『シティーハンター』のファンの人を裏切らない」。僕が他の漫画やゲームが実写化されてがっかりしたという思いを絶対させないぞ、という思いで今回作りました」と熱意を込めて製作された本作には『シティーハンター』だけでなく、『ドラゴンボール』『キャプテン翼』の日本アニメをリスペクトした素晴らしい作品でファンから賞賛される実写版となっています。
フランス版では“もっこり”に苦労も
冴羽 獠と言えば「もこっり」が口癖ですが…
フランス版では子供向けアニメだった為、そんなセリフは一切なかったそうで、
フランス人で知っているのは、日本アニメを観たコアなファンのみ。
そこで、ラショー監督は、冒頭に”モッコリー氏”なる人物を登場させ、
彼を全裸で手術台で眠らせ、その彼の周りで獠と海坊主が派手な乱闘を繰り広げ、
何と!モッコリー氏のモッコリの上に何故か…獠の拳銃が置かれて2人がその拳銃を取り合うという…
冒頭から下ネタ満載でもっこりをフランス人にも分かりやすく笑えるようなシーンになっています。
他にもくだらないギャグ満載で笑えます
日本アニメのオマージュ満載
この作中には、いくつかのアニメキャラを思わせるようなシーンが散りばめられていますので
見つけられたシーンをピックアップしてみました。
いくつ探せるかな?
- 公園でサッカーをしていた少年が「ツバサ」「ゲン」と自己紹介している(キャプテン翼)
- ヒデユキと打ち合わせしたクラブの店員の名が「ランマ」で「1/2ビールを」と獠が注文している(らんま1/2)
- 空港で「内海さま、来生さまがゲートAでお待ちです」とアナウンスが入る(キャッツアイ)
- ファッション・ポリスのパーティー会場でカオリをウソ発見器に誘ったガジェット警部(ガジェット警部)
- スキッピーのライブ配信を見ている亀仙人(ドラゴンボール)
私が気付けたのは以上かな~ でも、もっとありそうなので、気になる方は探してみてね
キャスト紹介
ラショー作品は、彼が監督・脚本・主演を務め、スタッフやキャストも同じメンバーでチームで活動している印象を持ちました。
そして、本作でも彼は、監督・脚本・主演を務め、カオリ役には実生活でもパートナーのエロディ・フォンタンが演じ、全編で大いに笑わせてくれるパンチョ役のタレク・ブダリとスキッピー役のジュリアン・アルッティはおなじみの俳優たちです。
リョウ/フィリップ・ラショー 山寺宏一 | プロのスイーパーで通称”シティーハンター” 依頼方法は、駅の伝言板に「XYZ」の 暗語と連絡方法を書く |
カオリ/エロディ・フォンタン 沢城みゆき | リョウの親友・ヒデユキの義妹 兄の死後、獠の相棒となり同居する |
海坊主(ファルコン)/カメル・ゴンフー 玄田哲章 | 2mを優に超える筋骨隆々の大男で、 スキンヘッドとサングラスが特徴 元傭兵のスイーパーで獠とは敵対関係 |
ヒデユキ/ラファエル・ペルソナ 田中秀幸 | 獠の親友で相棒 カオリの義兄 1年前に追っていた組織に殺害される |
サエコ/ソフィー・モーゼル 一龍斎春水 | 美人刑事で獠とは長い付き合い |
パンチョ/タレク・ブダリ 浪川大輔 | 公園の清掃人 偶然カオリにかけられた 「キューピッドの香水」を嗅いでしまい、 カオリに恋して事件に巻き込まれる |
ジルベール・スキッピー/ジュリアン・アルッティ 多田野曜平 | 偶然公園に居合わせ「キューピッドの香水」が 入った鞄を誤って持ち帰えってしまうが、 香水の威力を知り至る所で利用する |
ドミニク・ルテリエ/ディディエ・ブルドン 土師孝也 | 依頼人で自分にかけた「キューピッドの香水」をリョウに嗅がせ てリョウを夢中させる中年の男 |
モッコリー/ジャリ 神谷明 | 手術中にリョウと海坊主の戦いに巻き込まれた気の弱い市長 |
スキッピーの妻/オドレイ・ラミー 伊倉一恵 | 意地悪な妻 |
あらすじ
「下に履いているパンツは脱いで下さい モッコリーさん」
手術室では、医師や看護婦が手際よく手術の準備をする中、モッコリーは不安げに手術台に座っていました。
「そうなの まいったな僕シャイだから 目が覚めたら痛むのかな?」
「ご心配なく 簡単な手術です」
安心させようとする医師の言葉を聞いても、モッコリーは不安で仕方ありません。
「でも痛いのが苦手なんだ 人に比べて痛みを感じやすくて 例えばホラ」
そう言ってモッコリーは、自分の左手の甲を叩き痛がってみせるのです。
「ご心配なくモッコリーさん」
その時、長い針の注射器を看護婦が用意している事に気づきます。
「それは何?そんなブッとい物を刺すの?」
モッコリーはますます怖くなってきました。
「直ぐに済みます」
しかし、看護婦は淡々と答えるだけで、いよいよ注射を打つ時が迫りました。
「あ~既に痛い イタッタッタッタ~」
その後、麻酔のお陰でモッコリーは大人しく眠る事が出来ました。
そして、いよいよ手術が始まろうとした、その瞬間…
手術室の扉がいきなり開き、2人の男が激しく殴り合い揉み合ってなだれ込むと、
モッコリーの術台にぶつかって行きました。
すると、突然の出来事に驚いた医師たちは、モッコリーを残して手術室からサッサと逃げてしまいます。
今度は、一方の男がモッコリーに掛けられていた手術用のドレープを剥ぎ取り、相手のスキンヘッドの大男へ投げつけました。
そして、ドレープに顔を覆われ大男がもがいている隙に、
一方の男…
プロのスイパーで裏の世界ではシティーハンターとして有名なリョウは、大男目がけ無影灯を投げつけます。
すると、大男こと…
同じくプロのスイパーで海坊主の名で有名なファルコンは、眠っているモッコリーの上半身を起こすと勢いよく飛んできた無影灯に当てガードします。
しかし、素っ裸のモッコリーは麻酔で眠ったまま…
下ネタギャグの続きは本編で!
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只今こちらの動画配信サイトでご視聴頂けます
(配信は投稿時のものとなります)
勝手に私見考察
ラショー監督の決意通り、ファンからも評価の高い実写版として愛されている作品です。
私もシリーズ化して欲しいと思える完成度の高い作品でした。
93分の上映時間で全く無駄なシーンがなく綺麗に纏まっている!
しかし、残念ながら続編は製作されていないようです。
そこで、フィリップ・ラショー監督の作品で【バッドマン】(2022年)を観てみました~
こちらもアクション・コメディ映画でしたが…
フランスでは大ヒットのようですが、どうでしょう~
下ネタコメディでフランス人には受けるのかな?日本人には内容のないストーリーがイマイチかな~
フランス版【シティーハンター】が成功したのは、ラショー監督のコメディセンスと原作【シティーハンター】の素晴らしいストーリーが相性よく融合できたからだと改めて納得しました!
北条先生もラショー監督の『ヒャッハ~』シリーズをご存じだったとか…流石です