今回紹介する映画は ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ
2010年イギリス・アメリカ・フランス合作 監督:スザンナ・ホワイト
前作に引き続きエマ・トンプソンが脚本、主演を務めています。
英題: Nanny McPhee and the Big Bang, 米題: Nanny McPhee Returns
上映時間:109分
原作:クリスティアナ・ブランドの児童小説マチルダばあや(Nurse Matilda)シリーズ3部作。
原作の主人公は看護婦マチルダですが、では一体マクフィーという名前はどこから来たのかな?
と思われるかもしれませんが
どうやらイギリスで実在するナニー・マクフィー(エマ・マクフィー)の名前から脚本家のエマ・トンプソンが主人公の名前にしたようだと言われています。
興行成績が伸び悩んだ続編
当初【ナニー・マクフィー】シリーズは第3作が計画されていたようですが、
評論家の評価は高かったものの2作目の興行収入が伸び悩み第3作を続行できなかったと
トンプソンがインタビューで答えていました。
幻の第3作目は21世紀のイギリスが舞台だったようです。
物凄く残念です。
何と言っても、単純明快なストーリーの中に笑いあり涙ありととても感動的でファミリー向けには素晴らしい作品でした!
もっとシリーズを見たかったですね。
キャスト紹介
これぞ!エマ・トンプソンの人脈なのでしょうか…
何という豪華キャスト!
そして、マギー・スミス演じるドカティー婦人は、唯一前作からの登場人物です。
ラストに答え合わせが出来ますのでどうぞお楽しみに。
ナニー・マクフィー/エマ・トンプソン
グリーン家に突然現れた不思議なナニー
イザベル・グリーン/マギー・ジレンホール
夫の留守を預かり農場と子供たちの世話に追われ疲れ果てている主婦
ローリー・グリーン/ユアン・マクレガー
イザベルの夫でフィルの弟 第二次世界大戦に出兵し行方不明になっています
フィル・グリーン/リス・エヴァンス
ギャンブルで負けたため農場を売ろうとするイザベルの義理の弟 子供たちの叔父
ノーマン・グリーン/エイサ・バターフィールド
グリーン家の長男
メグシー・グリーン/リル・ウッズ
長女
ビンセント・グリーン/オスカー・スティア
次男
グレイ卿/レイフ・ファインズ
シリルとセリアの父親で陸軍省の将軍
シリル・グレイ/エロス・ヴラホス
グレイ卿の長男で親戚のグリーン家へ疎開してきました
セリア・グレイ/ロージー・テイラー=リットソン
グレイ卿のオシャレ好きな長女 シリルと共にグリーン家へ疎開してきました
アガサ・ローズ・ドチャティ(アギー・ブラウン)/マギー・スミス
イザベルが働く店のオーナー
ドカティー氏/ドカティー氏
ドチャティ夫人の夫、ARP (空襲予防措置) 所長
あらすじ
イギリスの片田舎
イザベル・グリーンは疲れ果てていました。
何故なら、戦争へ出兵した夫ローリーに変わり、代々受け継がれた農場を守りおまけにヤンチャな3人の子供たちの世話に追われていたからです…
「客間でケンカをしないで!」
今日もイザベルは、朝から大声をあげていました。
客間のソファの上では、子供たちがキャンディーを奪い合っているのです。
しかし、イザベルは
”何も問題ない”
と家族の問題を直視していませんでした。
そして、ソファの上に上ると
「3人ともソファの上に乗っちゃあいけません」
とイザベルが思い切り叫ぶ始末。
それでも彼女は
”家の中はいたって順調”
そう自分に言い聞かせているのです。
「乗ってるのはママの方だ」
すると長男のノーマンと長女のメグシーが大声で言い返してきます。
“大丈夫”イザベルは心の中で呟きます。
「大声出さないで!」
「出しているのはママ」
今度は末っ子のビンセントに言われる始末でした。
こんな調子のグリーン家へ明日からロンドンの親戚の子供たちが疎開してくるのです。
イザベルは心配で仕方ありません。
「ママが見たいのは、助け合い、譲り合い、分け合いよ 疎開がどんなに辛いか想像してみなさい」
それを聞いていたビンセントは
「ジャムはダメ」
とまだ戦地から帰ってこない父親が作ったジャムのことを言い出します。
「それはそうよ パパのだもの 分け合うのは部屋とおもちゃ」
「パパから返事は?最後に返事が来たのは何年も前だよ」
ビンセントは、父親のことが心配でなりません。
するとイザベルはビンセントを膝に座らせ、夫のローリーから届いた手紙の束をビンセントに見せ
「3か月前に来てる そう書いてあるでしょ?陸軍は色んな場所に移動するの 何も心配いらない分かった?」
そう言ってビンセントにキスをして慰めました。
「ママは仕事に行くから農場の掃除をして」
「どんな子たちなの?」
ノーマンはロンドンからやって来る従兄弟が気になるようです。
「都会の子だから洗礼されてるわね これだけは確かよ2人とも とても行儀がいいはず」
イザベルはまだ見ぬ甥っ子たちを洗礼された都会っ子だと想像していました。
その頃
従兄弟のシリルとセリアは、車でグリーン家に向かっていました。
ところがガタガタの田舎道に揺られシリルは車の中に吐いてしまっています。
「また、シリルが吐いた 車を止めて 靴が汚れたわ」
ロンドンっ子らしく綺麗に着飾ったセリアは、運転手のブレンキンソップに訴えました。
「ブレンキンソップ 大丈夫だ」
ところが、吐き終えたシリルは、今度はブレンキンソップにマシュマロを注文します。
「シリル様 またご気分が悪くなりますよ」
ブレンキンソップはシリルを止めますが、
「おいしいから いいんだ」
シリルは口いっぱいにマシュマロを頬張っていました。
「サイテー」
隣に座っているセリアが怒ります。
「ブランド物の靴が台無し ピンクの方はお家なのよ」
すると、セリアの目にお屋敷とその庭にいる何匹かのヒツジが映ります。
「ステキ あそこの家?」
セリアの期待は膨らみましたが
「いいえ」
ブレンキンソップは難しい顔をして答えました。
続きは本編で!
♦スポンサーリンク♦
只今こちらの動画配信サイトでご視聴頂けます
(配信は投稿時のものとなります)
勝手に私見考察
ここからはネタバレを含みます
ラストの役目を終えたマクフィーさんが去って行く場面
子供たちよりもイザベルが必死でマクフィーさんを追いかけていました。
「子供たちに必要なくても私には必要なの 1人じゃ無理なのよ戻ってきて」
と叫んで必死に追いかけます。
この後、感動のラストシーンに繋がりますが
この作品を通して感じたのは、子供たちをイイ子にするのも悪童にするのも大人次第!
(そのと~り)
しかし、本当に助けが必要なのは問題を抱えた親の方なのかもしれませんね…
そこのお父さん!
育児や家事に協力していますか?
奥さんに寄り添っていますか?
(我が家の場合は働くこと事しか役に立ちませんが…)
さて、この作品の監督スザンナ・ホワイトは、このブログでも紹介しているドラマ【ジェーン・エアー】(2006)や【荒涼館】(2005)などBBCのドラマをはじめHBOの作品も手掛けるなど活躍している監督です。
だからか~
女性監督と女性脚本家ならではの主婦や子供に寄り添った優しい作品でした。