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【映画:特捜部Q~檻の中の女~】あらすじ、感想。デンマークのハードボイルド系人気シリーズ第一弾

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今回紹介する映画は 【特捜部Q 檻の中の女】

2013年公開 デンマーク製作 監督:ミケル・ノガール 脚本:ニコライ・アーセル

原題 Kvinden i buret:檻の中の女性 上映時間:96分

原作は、デンマークの小説家ユッシ・アドラー・オルセンの人気シリーズ

【部門Q】から【Kvinden:その女】

本作の脚本家ニコライ・アーセルは、日本でも人気の【ドラゴン・タトゥーの女】の脚本家です。

特捜部Qシリーズの紹介

2013年にデンマークで公開された【特捜部Q~檻の中の女】は、その年トップの興行収入を記録。

この後に続く人気シリーズの火付け役でした。

そして、この【特捜部Q】シリーズは、デンマーク映画で最も成功したと言われています。

  • 【特捜部Q キジ殺し】(2014)
  • 【特捜部Q Pからのメッセージ】(2016)
  • 【特捜部Q カルテ番号64】(2018)

その後、2021年ついに最新作【特捜部Q 知り過ぎたマルコ】が公開され、本作ではキャスト・スタッフが一新されています。

監督は【ヒトラーの忘れもの】のマーチン・ピータ・サンフリトがメガホンを撮っています。

さらに原作もまだまだ続いていますので、今後も楽しみなシリーズです。

Kvinden i Buret – Trailer

主人公の殺人課の敏腕刑事カール・モルクは、刑事の仕事しか取り柄の無いダメ男。

しかも彼は、極端に頑固な性格で、事件の捜査となると後先考えずに突っ走ってしまうイカレタ刑事です。

そのイカレタ刑事が事件解明の執念だけで未解決事件の真相に迫る北欧ミステリー&ハードボイルド作品です。

また、カール&アサドの硬軟真反対なコンビが、ストーリーの深みを演出しています。

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キャスト紹介

カール・モルク/ニコライ・リー・カース

殺人課の刑事。

自分が突っ走ったせいで、部下の1人が殉職、1人は全身不随状態になってしまいます。

そして、カールはこの1件で“特捜部Q”へ異動左遷させられます。

余りに頑固な性格で厄介者、妻には愛想を尽かされ別居中。

アサド/ファレス・ファレス

新部署「特捜部Q」に配属されたカールの部下。移民でイスラム教徒。

以前の部署は倉庫で2年間スタンプを押す仕事でした。カールにとって「特捜部Q」は墓場でしたが、アサドにとっては昇進と同じでした。

アサドは、カールの性格を理解して、献身的にサポートします。

ミレーデ・ルンゴー/ソニア・リヒター

5年前に失踪した議員。自殺と結論付けられ捜査は打ち切られていました。

子供の頃の自動車事故で両親は亡くなり、解離性障害になってしまった弟の面倒を看ていました。

ウフェ/ミケル・ボー・フォルスゴー

ミレーデの弟。8歳の時の自動車事故で脳に外傷を負い解離性障害になってしまいました。ミレーデの失踪後、症状は悪化してしまい療養所に入所していました。

マーカス・ヤコブセン/セーレン・ピルマーク

カールの上司で殺人課の課長

ハーディ・ヘニングセン/トールス・リュービュー

殺人課での部下。カールの強引な捜査によって負傷し全身不随状態になってしまいます。

あらすじ

新部署「特捜部Q」

その日、3人の刑事は入り込み中でした。

「応援を待とう。焦るな」

助手席のハーディは、焦るカールを落ち着かせようとします。

「早く行こう」

ところが、カールは焦るばかりでした。

後部座席にいるアンカーは、市のクレーム対応の悪さを延々と愚痴り、更にカールを苛立たせます。

とうとうカールは、耐え切れなくなり、車を降りて張り込み中の家へ向かってしまいました。

「応援を待とう」

ハーディは、カールの後を追って必死に止めますが、

カールはそれを無視して家の中へ入ってしまいます。

「警察だ」

奥の部屋からは、何の反応もありません。

ところが、家中に異臭が立ち込めています。

3人は、銃を構えゆっくりとリビングへ侵入しました。

するとそこには、ターゲットの男が椅子に座った状態で既に死んでいました。

それを見たカールは落胆します。

すると突然、銃声が鳴り響き、3人は次々に床に倒れます。

撃たれたカールは、薄れゆく意識の中で、苦悶するハーディを見ていました…

その3か月後

カールは早々に復職を求め、上司のマーカスのオフィスに向かいました。

しかし、彼の傷はまだ完治しておらず、右手が小刻みに震えています。

「あと半年休め」マーカスは早期の復職に難色を示しました。

ところが、カールの復職の意思は固く、マーカスを悩ませます。

そして「殺人課には戻せん」とマーカスはハッキリと命令しました。

何故なら、殺人課にカールを歓迎する仲間は誰一人いないのです…

そこで「新部署がある」とマーカスは提案しました。

マーカスは先を見越して、既にカールの新しい配属先を決めていたのです。

そこは、過去20年間に起った未解決事件の書類のミスを探し分類するという…いわゆる資料整理の“特捜部Q”のことだったのです。

しかし行く当てのないカールは渋々特捜部Qに向かうと

そこは地下でした。

しかも部屋の中は、蜘蛛の巣だらけの物置です。

まさしく、特捜部Qは刑事の墓場でした。

とてもやり切れないカールは、あの事件以来入院しているハーディの見舞に訪れました。

「最悪だ」

ハーディは、銃弾の当たり所が悪く全身不随の体になってしまったのです。

そして、ハーディは、その状況を受け入れられず苦しんでいました。

その後、帰宅したカールは別居中の妻ヴィガに電話を掛けますが

「勘弁してよ。そんなに電話しないで」

彼女はそう言い捨てると、一方的に電話を切りました…

5年前の失踪事件

翌日

特捜部に出勤したカールは戸惑います。

部屋は、昨日とは見違えるほど整理され、大音響でラップが流れていました。

すると奥から、イスラム系の若い男がカールを出迎えにやって来ました。

「どうも、アサドです」

彼は、にこやかにカールに手を差し出します。

一方のカールは、握手をするや否や「消してくれ」と大音響のラップの耳障りの悪さにぶっきらぼうに言います。

アサドは、音楽を切ると

「今すぐ。事件の資料を壁に貼りました。どこから始めます?」

とやる気に満ちていました。

既にアサドは、部屋の壁一面にコールドケース毎の資料を貼って、カールを待っていたのでした。

「誰の命令できた?この部署は定年間近のヤツがやる仕事さ。終着駅だ。前の部署に戻れ」

カールは、まだ若いアサドに言いました。

するとアサドは

「ボス。倉庫で2年間スタンプを押していました。それよりずっといい。指示を待っています」

そう言ってコーヒーを入れたカップをカールに渡すと、彼は書類整理に戻って行きます。

「濃すぎる」

カールがそのカップをテーブルに置くと、再び大音響でラップが流れ始めます。

この状況に我慢ならないカールは、課長のマーカスに電話をかけました。

課長を待つ間、壁に貼られた資料が次々と目に留まります。

するとその中に、5年前に起った事件の資料がありました。

“ミレーデ失踪” “溺死?” “ミレーデの弟に疑いが”

カールは、マーカスを待たずに受話器を置きデスクに戻りました。

「この事件にしましょう」

その時、アサドが声を掛けます。

「本気か?仕事に戻れ」

アサドにはそう言ったものの

カールにとってこの事件は、当時から疑問が残っていました。

事件当時、選挙に向けて勢いに乗っていたミレーデ議員が突然自殺してしまいました。

彼女は本当に自殺なのか?…

しかし、その疑問は無視され、捜査は自殺で終了していました。

ところが翌日、カールとアサドは車に乗っていました。

「いいんですか?こんな風に捜査して。書類整理が仕事では?」アサドは心配そうです。

「何か問題でも?」

しかし、カールは書類整理などしていられませんでした。

「いいえ…」

そして車は、ミレーデと弟のウフェが乗船した港に到着します。

2人は、部署の範疇をこえて、事件当日の2人の足取りを追い始めます。

続きは本編で!

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勝手に私見考察

ここからはネタバレを含みます

人にも自分にも興味のない仕事一筋のカール

そして、そんな彼を嫌う人間とアサドやハーディの様に受け入れる人間がいます。

それは、表面上だけでカールを嫌な奴と感じるのか、あるいは彼の本質を見抜くのか…

その人の受け止め方によって人間関係は、実に複雑になってしまいます。

不器用な主人公カールの孤独や人間模様がよ~く伝わりました。

そして、この【特捜部Q】シリーズのストーリーは”檻の中の女”同様に北欧サスペンスらしくかなりエグイものになっています。

この【檻の中の女】では、何故女性に対してここまで残酷な事を~と

観客に怒りを覚えさせてからの~

実は、ミレーデの悪ふざけで起こした事故によって、実に多くの人達が人生を狂わせていました。

被害者も加害者家族も塗炭の苦しみを味わされてしまったのです。

  • 貴方はそれでも犯人を憎みますか?
  • それともミレーデの自業自得だと思いますか?
  • 物事の本質を見抜けますか?
  • 何が正義ですか?

物事の本質や正義とは何か!

偽善者なのか!

とまるで投げかけられているような作品でした。

そしてラストは、とってもやるせな~い気持ちにさせられますが、

不器用で仕事バカのカールに、やはり犯罪は悪なのだと諭されるのです。

どんな理由があっても、犯罪は悪なんだ!

イカレタ刑事のカールが全身全霊で教えてくれています。

このシリーズが人気なのは、単純な善悪でない人間の本質を突いたところにあるんだと思います。

北欧ミステリーが面白い!

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