今回紹介する映画は JFK
概要
1991年アメリカ公開の現代史スリラー映画
監督、脚本:オリバー・ストーン
上映時間:206分(ディレクターズカット版)
原案
- ケネディ大統領暗殺事件をめぐる唯一の訴訟”クレイ・ショー裁判”を捜査した、ニューオリンズの地方検事ジム・ギャリソンの著書『暗殺者の足跡』
- ニューオリンズのジャーナリストのジム・マース著書『クロスファイア:ケネディ暗殺の陰謀』
作品の興行
この作品について、多くのアメリカ主要メディアは、
ストーン監督は、暗殺事件の黒幕として利得権益者と副大統領リンドン・B・ジョンソンと結論付け、
彼らが戦争を回避したケネディ大統領をクーデターの一環として暗殺した
主張を含む虚偽を広めていると非難する社説を掲載した。
ところが、このような論争があったにもかかわらず、
映画『JFK』は演技、監督、音楽、編集、撮影技術で批評家の賞賛を受け、
興行収入は出だしこそ低調だったものの徐々に伸び、全世界で2億500万ドル以上の収益を上げた。
また、アカデミー賞では作品賞を含む8部門にノミネートされ、撮影賞と編集賞の2部門で受賞している。
陰謀論と言われようが、
ストーリ展開ははぼ原案に忠実であり、当時の実際の映像と撮影された映像を組み合わせ緊張感を演出し、
事件の結論も納得できる説得力があったのは確かだ!
ケネディ大統領暗殺事件機密文書の公開
アメリカでは、外交文書を記録作成から30年以内に機密指定を解除し公開されることになっている。
ところが、このケネディ大統領暗殺事件の機密文書は
何故か…今まで小出しに公開されてきた。
そして、2025年3月18日
再選されたトランプ大統領は、公約通りこの機密文書公開した。
しかし、今回も残念ながら、膨大にあるページのうちの約8万ページと限定された公開になっている。
安倍首相暗殺事件との類似点
【JFK】は、1992年の日本公開時も大変話題になった大作だ。
もちろん私も映画館に足を運んだ1人。
しかし…長い…上映時間3時間は長い…
トランプ大統領が機密文書を公開するにあたり、
もう一度、この作品を観なおしてみて
あら、ビックリ!
- 当日、長野遊説から奈良への急な予定変更
- 警察の警備の失態(緩慢)
- 担当医と検死官の見解の食い違い
- 謎の銃弾
- 複数犯人説
何と!
JFKを観るうちに
余りにも類似点が多く、安倍首相暗殺事件を思い出したほどだった。
あの事件からもうすぐ3年
未だに裁判さへ行われず、国会で議論もされない!
これには、多くの国民も疑念を持たずにはいられないだろう~
そりゃあ陰謀論がなくならないわけだ…
日本でもほぼ同じ手口で暗殺事件が起こってしまった…
いや…今だからこそ観るべき大作だと思う。
ただ…残念なことは
あのアメリカの方が、日本よりも健全な国家だとよく分かったことだ。
キャスト紹介
表に挙げた面々を見るだけでも凄い。
ここにはないが、ナレーションの声はマーティーン・シーンだし。
中でも、ゲーリー・オールドマンのオズワルドへの寄せ方は流石だった。
オズワルドについては、日本人の私でも何度も映像を目にしているのだから、
作品のリアリティを失わない為にも、彼の役作りは要だっただろうと推測できる。
ジム・ギャリソン/ケビン・コスナー | ニューオリンズ地方検事 JFK暗殺事件のウォーレン報告書に疑念を持ち 再捜査を開始する |
リズ・ギャリソン/シシー・スペイセク | ジムの妻 JFK暗殺事件の捜査で家庭を顧みない ジムに不満を抱く |
クレイ・ショー(クレイ・バートランド)/ トミー・リー・ジョーンズ | ニューオーリンズのビジネスマン ケネディ暗殺に係わる人物として浮上する |
ウィリー・オキーフ/ケヴィン・ベーコン | 売春斡旋で懲役5年の刑に服している男娼 裁判の証人の1人 |
リー・ハーヴェイ・オズワルド/ ゲイリー・オールドマン | 元米海兵隊員でソ連からの亡命が疑われている 警官殺しで逮捕された後に ケネディ大統領暗殺犯として逮捕される |
ビル・ブラサード/マイケル・ルーカー | ジムの捜査チームの一員 優秀な部下だがジムの真犯人説には懐疑的 |
ルー・アイヴォン/ジェイ・O・サンダース | ジムの捜査チームの一員の優秀な部下 ジムに熱い信頼を寄せている |
スージー・コックス/ローリー・メトカーフ | ジムの捜査チームの一員で唯一の女性 |
ヌマ・バーテル/ウェイン・ナイト | ジムの捜査チームの一員 |
ジャック・マーティン/ジャック・レモン | ジムの捜査チームの一員 |
デヴィッド・フェリー/ジョー・ペシ | 民間パイロット ケネディ暗殺に係わる人物として浮上する |
ミスターX/ドナルド・サザーランド | 「X」と名乗る軍の高官 ジムに暗殺の真実を示唆しショーを起訴するよう勧める |
アール・ウォーレン/ジム・ギャリソン | 最高裁判所長官 |
あらすじ
“抗議すべき時に沈黙するのは 卑怯者である”
ーエラ・W・ウィルコックス
「間に合わせの国防は 国を危うくするだけだ
我々は恒久的な軍事産業を 努力して築いてきた
そして350万人の男女が この国防体制に参加している
我々は毎年軍需予算を…」
1961年1月 アイゼンハワー大統領の辞任演説だ
「この巨大な軍事機構と軍需産業の合体は
アメリカの新しい試みだ
その影響は 経済や政治や精神面に及び
あらゆる市や州議会や官庁に波及する
だが その野放図な成長は警戒せねばならない
軍と軍需産業の結合は一人歩きの心配がある
この巨大な複合体が自由を危うくしてはならなぬ」
1960年11月 ジョン・F・ケネディ上院議員は
まれに見る激戦の選挙に勝った
ニクソン候補とわずか10万票差だった
美しく優雅な妻ジャックリーンと共に
ケネディは60年代の自由の象徴で
大きな変革を意味していた
「人は平等である」(キング牧師演説)
「心と精神のすべてをささげ世界の平和に尽くしたい」(ケネディ大統領演説)
「今一番の自慢はわたしはベルリン子だ」(ケネディ大統領ドイツ遊説時演説)
ケネディはキューバとの秘密戦争を継承
CIA が亡命キューバ人を戦わせていた
カストロの革命派は成功でアメリカの企業を脅かした
侵攻作戦はピッグズ湾上陸で最高潮
1961年1月
だがケネディは作戦への援護爆撃を拒否
そしてこの失敗の責任を認めたが
CIAがウソをついて侵攻を開始した事に 大統領は不満を表明した
1962年10月
核戦争1歩手前の危機が発生
ケネディが重大な発表を行った
世界がほっとした
だがワシントンでは秘密協定説が流れた
キューバへ侵攻しない代わりに ソ連側もミサイルを撤去したと
ケネディは容共だという疑いが生まれた
ソ連の核ミサイルが米国の150キロ沖にあると
だが ソ連のミサイル運搬船は 最後の瞬間引き返した
当時はベトナムでも戦争中だった
「あそこが問題ですね」(インタビュアーの質問)
「世論を味方にするために政府の努力が必要です
ベトナムでは勝てません
ベトナム人がすべて握ってる」(答えるケネディ大統領)
「運命のあの夏 ケネディは大学で新しい展望を語った」
「我々はどんな平和を求めるのか?世界に向かって
アメリカの武器を売って平和は来ない
ソ連への態度も再検討すべきだ
我々を結びつける基本は
この小さな天体に住んでいることです
同じ空気を吸ってる 子供の将来を案じる
しかも必ず死ぬ」(大学でのケネディ演説)
一人の娼婦が走行中の車から道端に捨てられた。
彼女は酷いケガを負っており病院へ運ばれたが
彼女は信じられない言葉を繰り返し訴えていた。
「ダラスへ行ったわ あの2人ケネディを殺しに行ったの
警察に電話して… 捕まえるのよ
あいつら本当にやるつもりだわ!」
続きは本編で!
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(配信は投稿時のものとなります)
勝手に私見考察
ギャリソン役のケビン・コスナーは【アンタッチャブル】の連邦捜査官エリオット・ネス役を
彷彿とさせる熱演をみせてくれた。やはりいい役者だな~
特にクレイ・ショー裁判シーンでの彼の演技は圧巻だった。
この作品は物議を醸したが、ストーン監督の狙い通り
ウォーレン委員会の報告書に反論しうる作品になったのではないか。
ストーン監督の狙いとは…