今回紹介するドラマは ホームランド シーズン5
概要
2011年から2020年にかけてアメリカのケーブルチャンネル・Showtimeで放送された
スパイ・スリラー・ドラマ
全8シーズン(1シーズン 全12~13エピソード)
原作:イスラエルのテレビドラマシリーズ『Hatufim』(戦争の囚人)2シーズンをベースにしている。
前シーズンもこちら↓で紹介しています
シーズン5の背景…アメリカ、ロシア、シリア問題とISIL
今回もかなりスリリングで冷や冷やする展開の連続
シーズン5では、ドイツを舞台にロシアとの諜報戦とISILとの戦いが描かれている。
しかし、アメリカの歴史とは…
民主主義を錦の御旗に、世界のあちこちに首を突っ込んで泥沼化している感が否めない。
2010年チュニジアから端を発した『アラブの春』では、
チュニジア、リビア、エジプトで政権交代が起こったが、
それらの国は未だに混迷したままだ。
また、シリアでは、『アラブの春』を発端に
アサド政権と反政府勢力との間で内戦状態に陥り泥沼化している。
そして、そのアサド政権の後ろ盾になっているのが
ロシアでありイランなのだ。
しかも、反体制派にはアメリカがつき、
そこへトルコが支援してきたイスラム主義勢力も加わってカオス状態。
ここから世界は情勢はますます不安定になってしまっている。
現在の世界情勢を見ればお分かりですね
そして、もう1つ…ISILだ。
この過激派テロ組織は、元々イラクを拠点に活動していたが、
シリア内戦の混乱に乗じてイラク、シリア両国の国境付近を中心に勢力を拡大した。
そして、彼らは2014年6月、イスラム法に基づき「カリフ国家」の樹立を一方的に宣言。
この残虐な過激派組織が世界を恐怖に陥れた事件の数々は、未だ鮮明に記憶に残っている
ところが、各国は彼らの勢いに危機感を持ち、
有志連合などにより掃討作戦を強化した。
これにより、現在ではISILの勢力は減退したものの、その脅威は未だに残っている。
ISILはアルカイダから脱退した組織だ。結局、この危険な過激派を作ったのもアメリカ…というオチ
また、この作品では他にも、シャルリー・エブド銃撃事件、エドワード・スノーデン、欧州移民危機など、
現実世界が抱える問題がいくつか盛り込まれ脚色されている。
個人的には、日本の地下鉄サリン事件も参考にされていると思う。
そんなこんなで、混迷する世界情勢の中で
CIA が如何にテロと戦っているのかを、
ドロッドロに泥臭~い展開で描いている。
そのスリリングさに、ついつい一気観してしまう面白さだ。
キャスト紹介
今回は女優陣の競演も見所なのではないかな。
クレア・ディンズは何時ものことだが、
悪役アリソンを演じたミランダ・オットーもお見事でした!
ソールにアダールまでも掌で転がす悪女を熱演している。
CIA職員と関係者
キャリー・マティソン/クレア・デインズ | 2年前にCIAを退官 ドイツの慈善事業組織デューリング財団の警備責任者となり 娘のフラニー、恋人のヨナスと平穏な日々を過ごしていた |
ソール・ベレンソン/マンディ・パティンキン | CIAヨーロッパ担当部長 ミラとは離婚しており 恋人のベルリン支局長アリソンと同棲している |
ピーター・クイン/ルパート・フレンド | CIA諜報員のプロの暗殺者 28ヵ月間、シリアで特殊作戦を指揮し 帰還後は、ソールの指示でドイツ国内の テロリストを暗殺している |
ダール・アダール/F・マーリー・エイブラハム | CIA幹部。暗殺・秘密工作のエキスパート ソールとイスラエル大使との共謀を疑う |
アリソン・カー/ミランダ・オットー | CIAのベルリン支局長 キャリー同様、ソールに育てられた諜報員で 現在ソールの恋人 |
アストリッド/ニーナ・ホス | クインの元恋人でドイツ連邦情報局職員 |
エタイ・ラスキン/アラン・コルデュナー | イスラエルの駐ドイツ大使 ソールとは旧知の関係 |
慈善事業組織デューリング財団
ヨナス・ホーランダー/ アレクサンダー・フェーリング | デューリング・ファウンデーションの法律顧問 キャリーのパートナーでフラニーと共に暮らしている |
オットー・デューリング/セバスチャン・コッホ | ドイツ人の億万長者 慈悲組織デューリング・ファウンデーションの代表 |
ローラ・サットン/サラ・ソコロヴィッチ | デューリング財団に在籍するアメリカ人ジャーナリスト ハッカーのヌーマンから機密文書の一部を入手し 公表してしまう |
ハッカー、ISILの関係者
ヌーマン/アティール・アデル | ドイツに亡命したハッカー IS(イスラム国)の戦闘員募集サイトを攻撃していた時に、偶然、CIAドイツ支局のネットワークに侵入し、 機密文書を入手してしまう |
カシム/アリレザ・ベイラム | ドイツ在住のイスラム聖戦士のメンバー ビビの従兄弟 |
ビビ・ハメッド/ルネ・イフラー | ドイツ在住のイスラム聖戦士グループのリーダー アサドの追放と国連によるISの承認を目論むテロリスト |
エモリー・フセイン/ラス・ブラックウェル | ドイツで貧困者や難民を無許可のまま治療しているドクター アメリカの空爆で妻を亡くしている 負傷したクインを治療する |
ロシア(SVR)関係者
イヴァン・クルーピン/マーク・イヴァニール | ロシア対外情報庁(SVR)のベルリン支局長 アリソン・カーを使ってCIAの中東戦略を妨害 |
あらすじ エピソード1 新天地(50分)
パキスタンのアメリカ大使館襲撃事件から2年後
キャリーはCIAを辞め、ベルリンで娘のフラニーとパートナーで同僚のジョナスと幸せに暮らしていた。
教会では、ミサに参加しイエスに祈りを捧げるキャリーの姿があった。
その頃
ベルリンにある“キングジョージ・クラブ”にアラブ系移民のヌーマンが入って行った。
その店は、下着姿の女性たちが客の男たちにサービスをほどこすところで、
従業員の殆どが移民だった。
<遅いぞ>
<悪い>
<時間を守れ ここはドイツだ>
しかし、ヌーマンは奥のスッタフルームへ急いだ。
その部屋には、幾つもモニターが並び
カメラの前で如何わしいポーズをする下着姿の女性たちが映し出されている。
このクラブでは、SNS向けの顧客に配信もしているのだ。
ヌーマンの仕事仲間でロシア系移民のアルマンド・コーズニックは既に出勤していた。
「お前の親父に怒られた」
「気にするな あれは?」
ヌーマンがぼやくがアルマンドは気にも留めない。
そして、ヌーマンは用意してきたUSBを差し出した。
「よし」
アルマンドは、早速USBをPCへ差し込む。
すると、再生された動画にはイスラム教徒の男が演説している。
<不信人者から逃れよ ゲイの乱交パーティに加われ
男同士でぶっ飛ぼう 君を待ってる>
それは、あからさまにイスラム教徒を冒涜するような動画だった。
それを観た2人は満足そうにグータッチをする。
「どこに投稿する?」
アルマンドが訊いた。
「決まってる」
ヌーマンが開いた投稿サイトは…
イスラム過激派組織のサイトだ。
「マジか 勧誘サイトに?」
アルマンドの顔が引きつる。
「抜け道を見つけた
忠告だ バカめ ”自称サイバー・カリフ国”ならパスワードは変えろ」
そう言って、ヌーマンはクリックした。
すると…
そのサイトのトップページ画面に
先ほどの動画がアップされ再生されている。
“男同士でぶっ飛ぼう”
それを観た2人は満足そうに笑った。
彼らは、ISIL(イスラム国)の戦闘員募集サイトに攻撃を仕掛けるハッカーだった。
「よし 退散だ」
ヌーマンがクリックすると…
いきなり警告音が鳴り始めた。
「誰だ?」
「さあな」
ヌーマンにも訳が分からない…
一方…その頃、CIAベルリン支局では
「この“Gabe Could”って?」
「逆から“douche bag(クソったれ)”」
「聖戦士では?」
ベルリン支局長のアリソンと部下の職員が
警戒して監視しているISILのホームページに
侵入者がいることに気づいた。
「この名前なら違う」
「接触して」
アリソンはその侵入者を探ろうとしたが…
一方、ヌーマンとアルマンドも他の侵入者に気づいていた。
「接触しろ」
アルマンドが言った。
「ダメだ」
しかし、ヌーマンは慎重だった。
「正体を探れ」
「こっちもバレる」
しかし、アルマンドは強気だ。
「侵入してるってことは 俺らと同類だ」
「仲間とは限らない」
それでも、ヌーマンは警戒心を解かない。
その時…警告音がアラームのような音に変わった。
2人は驚いたが…
何と、侵入者から接触してきたのだ。
強気のアルマンドがキーボードへ手を伸ばしたが、
またも、慎重なヌーマンがそれを制した。
「ダメだ 正体を探る IPアドレスは…独自の体形だ」
「つまり?」
アルマンドも緊張で顔が強張っている
「政府の機関だ バレるとマズい」
続きは本編で!
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