今回紹介する映画は ホビット竜に奪われた王国
2014年日本公開 アメリカ、ニュージーランド合作 監督:ピーター・ジャクソン
原題:The Hobbit: The Desolation of Smaug(直訳:スマウグの荒廃) 【ホビット】シリーズの第2章です。
【ホビット】撮影秘話
クルー達は1年半の間、朝5時半から1日12時間以上の撮影をこなし
ロケで移動する時は140台以上の車両で移動。他にもロケ地での電気の供給や調理場、食堂、トイレ等の準備と かなり大規模で、まるでサーカスのようだったと感想を語っています。
また特殊メイクのクルーは1日20人、延べ5千人のメイクアップをしていたそうです。特殊メイクなので、1人にかかった時間はかなりのものだと想像できます。
数々の美しいセットの撮影では、2500枚以上のスケッチが描かれ、そのスケッチのセットが数日後に組まれて撮影が開始……終了後に次の日のセットを組み直し、翌朝から撮影を開始します(想像しただけでも疲れますね)
主演のマーティン・フリーマンは「長い撮影をとおしてキャストとクルーの間に強い絆が生まれた、小さな軍隊みたいに」と語っています。
こうして作り上げられた【ホビット竜に奪われた王国】は、闇の森、湖の町・エスガロスで起こる数々の危機を乗り越えて、エレボールの邪竜スマウグ退治に挑みます。
【ホビット竜に奪われた王国】あらすじ
トーリンとガンダルフの出会い
ある雨の夜。ホビット庄の境、ブリー村のバー“踊る小馬亭”に1人のドワーフが入って行きました。
多くの客で賑わう店内。ドワーフは彼を狙う数人の男達の気配を感じ取ります。
男達が立ち上がりドワーフに近づき始め、ドワーフに緊張が走ります。
ドワーフが剣に手を伸ばそうとした瞬間…
「失礼するよ」と1人の老人が合い席します。
「わしは、灰色のガンダルフ。魔法使いじゃ」と老人は名乗りました。
「奇遇じゃのう。トーリン・オーケンシールドがなぜブリー村に」
ガンダルフはドワーフの正体を知っていたのです。
そして、トーリンも灰色のガンダルフの事を知っていました。
トーリンは、行方不明になっている父スラインの情報を聞きつけ、ブリー村を訪れましたがスラインを見つける事は叶いませんでした。
ガンダルフは、スラインが行方不明になる前に会ったうちの1人で 「ドワーフの7氏軍で竜を倒しエレボールを取り戻せ」と彼に進言していました。
そして今夜、トーリンにも同じ事を伝える為にガンダルフは現れたのです。
ガンダルフは、邪竜が長い期間エレボールを支配すれば、邪悪な奴等に狙われると危機感を持っていました。
そして、旅の途中でガンダルフを襲った“よからぬ者”が持っていた“黒の言葉”をトーリンに見せます。
そこには、トーリンの首に懸賞金がかけられたと書かれてありました。
ガンダルフは、エレボールの奪還を繰り返し主張しますが、トーリンはその為には、王の証“アーケン石”が必要だが、竜に奪われたままだと答えます。
「奪い返す手伝いをしよう。だから、“忍びの者”が必要じゃ」とガンダルフは、何かを含んだように言いました。
“皮を変える者”ビヨルン
12か月後
偵察に来たビルボは、執拗に追いかけてくるアゾクの集団と他にも巨大な熊の姿を目撃し、急いで仲間の元に戻ります。
すっかり仲間達から信頼されたビルボは巨大な熊の話を伝えます。
どうやらガンダルフは熊の事を知っているようでした。そして、少し先にある屋敷に避難しようと言います。
しかし、その屋敷に行く事は賭けになります。
何故なら、屋敷の主が一行を助けてくれるのか……皆殺しにするのか……ガンダルフは分からないと言います。
もう近くまで熊の唸り声がしています。選択の余地はありませんでした……一行は屋敷まで必死に走り出します。
そして、危機一髪のところで屋敷に逃げ込みました。
ところがガンダルフは、バツが悪そうに熊こそこの屋敷の主だと皆に伝えます。
「彼の名前はビヨルン“皮を変える者”じゃ」
ビヨルンは、巨大な黒熊の時と屈強な男の時があり、熊の時は危険だが人間の時は話が分かるのだとガンダルフは説明します。
ただ、彼はドワーフが好きではない……
すると熊は諦めて屋敷から離れて行ったので、一行はこのまま屋敷で眠る事にしました。
その頃、オークのアゾクの元へ伝令が到着すると「至急、ドル・グルドゥアへ首領がお呼びです」と伝えます。
闇の勢力のネクロマンサー(サウロン)がアゾクの首領だったのです。
明け方、1人眠れないビルボは、ゴラムから盗んだ指輪が気になって仕方がありませんでした…
そして、いつの間にか眠っていたビルボが目覚めると、仲間達は既に朝食をとっています。
何とビヨルンは、ドワーフを助けてくれたのです。
彼は、オークがビヨルンの種族にした残酷な仕打ちを話します。
アゾクはビヨルンの家族を殺し、生き残った者を奴隷にして拷問しました。
“皮を変える者”の種族で生き残った者はビヨルン1人だけだったのです。
ビヨルンは、アゾクとネクロマンサーが手を組み、このままだと闇の森も危険だと教えてくれました。しかし、一行はドゥリンの日までにエレボールに行かなければなりません。
そのために「エルフの道を行く」とガンダルフは決断します。
しかし、闇の森のエルフは、他のエルフとは違って愚かで危険だとビヨルンは反対します。
時間がない一行は、危険を冒しても闇の森を行くしかありませんでした。
ビヨルンは、ドワーフは嫌いだがオークはもっと嫌いだと言って、一行が無事に闇の森まで到着出来るように馬を貸してくれました。
それぞれの戦い
一行は、闇の森の入り口に到着しました。
森の様子を伺うガンダルフは、闇の力が増している事を感じ、ネクロマンサーの正体を1人で突き止める決心をしました。
ガンダルフが行ってしまう事に不安そうな表情のビルボに「ホビット庄を出た頃とはすっかり別人じゃ」とガンダルフは優しく諭します。
ビルボは「話がある…ゴブリンの棲み家で見つけた」と言いかけます
「何おじゃ?何を見つけた?」
何かを迷っているように見えるビルボは「…勇気だ」と指輪の事を隠してしまいます。
しかし、ガンダルフは理解したように「それは良かった。必要になる」と言い残して
一行に森を通る忠告を伝えると馬に跨って出発して行きました。
そして、時間がないとトーリンを先頭に一行は森の中を進んで行きました。
エルフの道から外れてしまえば迷ってしまい2度と見つけられません。
道を進むしかありませんでした…
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(配信は投稿時のものとなります)
ストリー解説と勝手に私見考察
【ロード・オブ・ザ・リング】の伏線
きっかけは“踊る子馬亭”
【ロード・オブ・ザ・リング】で登場した“踊る子馬亭”【ホビット】でもガンダルフとトーリンの出会いの場所になっています。
闇の森でのレゴラスとグローインの会話
エルフがドワーフから武器を取り上げているシーンで、レゴラスがグローインのポケットから写真の入ったケースを見つけ「この見苦しい生き物は?ゴブリンの子か」と尋問しますが…
1枚はグローインの妻、もう1枚は息子のギムリの写真でした。
レゴラスは【ロード・オブ・ザ・リング】では息子のギムリと旅の仲間です。レゴラスの表情にクスッとしてしまいました。
ガンダルフは、ビルボが指輪を持っている事を知っていました。
第1章でゴラムの指輪を盗んだビルボは、ポケットに指輪を隠していました。ガンダルフは、ビルボがポケットに指輪を隠すところをしっかり見ています。
第2章では、ビルボは指輪の事をガンダルフに告白しようとしましたが 結局出来ませんでした。しかし、ガンダルフはすべてお見通しです。
ガンダルフや他のイスタリは、闇の勢力の監視をしています。危険な指輪をビルボが持っている方が良いとガンダルフは、判断したのだと思います。サウロンの復活を全て見通していた為の判断だと考えられます。
第3章への伏線
トーリンは冒頭からエレボールの金に執着心を持っていました
第1章でビルボの袋小路屋敷に集まった時から、エレボールの金を誰にも渡したくないと言っていました。
国王の心に闇が少しでもあれば、闇の力は見逃しません。
アゾクの大軍
ドル・グルドゥアが闇の勢力の本拠地になっていました。
邪竜スマウグがエレボールから去ると一気にそれぞれの思惑が動き出し、エレボールに集まる事になります。
ネクロマンサーが操るアゾクの大軍もエレボールに出兵します。しかし、彼らはこの時を待って着々と準備を進めていました。ノープランで勢いだけのドワーフと大違いです。
まとめ
闇の森のエルフから樽に入って川を流れて逃げるシーンは、見応えがありました。
現場での撮影とプールのセットで撮影してCG、VFXで合成したものを使用しています。
無敵のスーパーレゴラス(スーパーマリオのようでした)が本当に凄い!まるでゲームを見ているような面白さがあります。
しかし、【ホビット】はこうしたアクションシーンだけでなく、各国の国王や権力者のあるべき姿を問うている作品でもあります。
私達にとって本当の幸せとは…
第3章はアクション、ヒューマニティと感動のラストが待っています。