今回紹介する映画は ホビット思いがけない冒険
2012年アメリカ、ニュージーランド合作
監督:ピーター・ジャクソン
【ロード・オブ・ザ・リングシリーズ】の前日譚になる作品です。
この【ロード・オブ・ザ・リングシリーズ】の撮影が大変だったからでしょうか、あるいは訴訟問題があったからでしょうか…
ジャクソン監督は当初【ホビット】の撮影には、消極的だったそうです。
ファンタジー作品はどれも、原作の世界観に忠実な映像化に拘り、
且つ、そのリアリティを追求した映像化に挑む姿勢は…正に職人技だと思うのです!その作業量は計り知れません。
そんな消極的だったジャクソン監督も、準備段階からエンジンがかかり、
そして、遂に完成された作品とは……
1937年発行のJ・R・R・トールキン原作の児童書『ホビットの冒険』
何と!3部作で撮影期間266日、上映時間は約8時間に及ぶ大作を作り上げたのです。
ジャクソン監督始めスタッフ&キャスト陣の熱意に感服するばかりの素晴らしい作品になっています。
ニュージーランドの壮大な自然をバックに繰り広げられるアクションシーンの数々…実に壮観です。
お勧めは、やはり3部作の一気鑑賞です!
第1部は、2部と3部のプロローグ的な内容となっています。冒頭ドワーフの無作法な訪問を不快に感じる方が多いようですが、
3部作の鑑賞後は、このドワーフ達が愛おしく感じますよ!
【ホビット思いがけない冒険】あらすじ
中つ国のホビット庄の袋小路屋敷に住むビルボ・バギンズはもうすぐ111歳の誕生日を迎えます。
そこで、ビルボはある物語を書き始めました…
それは、60年前に経験した思いがけない冒険の物語でした。
ドワーフ王国の悲劇
遠く離れた東方に“谷間の国デイル”という平和と繁栄に満ちた国がありました。
そのデイルの前に、はなれ山の下の国・要塞都市エレボールがあります。
エレボールは、山の下の王スロールが統治するドワーフの王国です。
スロールは、一族の繁栄が続いていく事を疑っていませんでした。何故なら地中には貴重な鉱石と金脈が豊富にあったからです。
ある日、鉱山から“山の精髄アーケン石”が発見されます。
アーケン石は、王家の宝と呼ばれ、王の支配が天の定めである証とされ、
それ以来他国からも表敬を受けるようになりました。
その国の中には、気高いエルフの王スランドゥイル の姿までありました。
しかし、エレボールの繁栄は決して永遠ではありませんでした…
王の心は蝕み始めていたのです。
スロール王は金の魔力に憑りつかれ異常な執着を持ち始めたのです。
やがて王の病んだ心は災いを呼び寄せてしまいます。
火竜スマウグが突然人間の街デイルを襲い、街は焼き尽くされ多くの人々が亡くなりました。
スマウグは次にエレボールに襲いかかります。
スマウグの本当の狙いは、エレボールの金や宝石だったのです。
そして、瞬く魔にエレボールはスマウグに占領されてしまいました。
エレボールから多くの人々が次々に逃げ出しています。
その中には、スロール王の孫トーリン2世(オーケンシールド)の姿がありました。彼は、崖の上にエルフ軍を見つけ必死で助けを求めます。
しかし、エルフ王のスランドゥイル は、助けるどころかそのまま撤退してしまいました。
以来、トーリンはエルフに対して憎しみを抱くようになったのです。
故郷を追われたドワーフ達は、放浪の民となり荒地を彷徨います。
そして、苦難の中でトリーンはスマウグへの復讐を誓いました。
冒険の始まり
ビルボは庭のベンチでパイプ草をふかしていました。
そこへ魔法使いのガンダルフが現れ「冒険の仲間を探している」と言うのです。
保守的なホビットに冒険に興味のある者などいないとビルボは答えます。
しかし、ガンダルフは初めからビルボを冒険の仲間に決めていたのです。
ビルボは「僕は冒険なんてお断りです。特に今日はね」と家の中へ逃げて行きました。
するとガンダルフは、家のドアに何か印を刻み去って行きました。
その夜、ビルボが夕食を食べようとした時、ドアベルが鳴ります。
ドアを開けると、そこに1人のドワーフが居ました。
「ドワーリンだ。どうぞよろしく」と挨拶をすると勝手に家の中へ入ってきます。
ビルボは、会ったこともないドワーフの突然の来客に驚きます。
ドワーリンは「夕飯だ。たっぷりあると言われた」と言ってビルボの夕食を食べています。
おまけにお代わりまで要求してきました。
来客の予定はないはずなんだが…とビルボが話かけると、再びドアベルが鳴りました。
バーリンと名乗る白髪で白髭のドワーフが居ました。しかも2人のドワーフは兄弟のようです。
その後もドワーフの来客は次々とやって来ました。
若いフィーリとキーリ兄弟
そして8人のドワーフ(オイン、グローイン、ビフール、ボフール、ボンブール、ドーリ、オーリ、ノーイ)がなだれ込み、そしてガンダルフも一緒にやって来ました。
彼らの無作法に我慢ならないビルボですが、彼らは全く無視して、家にある食べ物を勝手に漁り始めます。
ガサツで行儀悪く…しかし、皆で楽しそうにテーブルを囲んでいました。
すると…最後の来客がドアベルを鳴らします。
ドアの外にトーリンが立っていました…
彼らは、テーブルを囲み真剣な面持ちで話し合いを始めました。
彼らの国に伝わる予言“いにしえの鳥がエレボールに戻る時、獣の時代は終わる”
ドワーフ達は、今がその予言の時だと信じていました。
しかし、頼りにしていた援軍は見込めず、ここに居る13人だけでエレボールの奪還を目指すようです。
その時ガンダルフは、ビルボを“忍びの者”と称して強引に14人目の仲間に入れようとします。
しかし、ビルボは無理だとガンダルフの誘いには応じません。
一方、バーリンは「まだ止められる」とトーリンに最後の説得をしていました。
トーリンは王として、生き残った一族を青の山脈で再生させ、ドワーフ達に平和で満ち足りた暮らしを送らせていました。
青の山脈は「エレボールに眠る金より価値がある」とバーリンは諭しますが、既にトーリンの気持ちはエレボールの再興で固まっていました。
何よりこの旅は、命の保障も出来ない過酷な旅になります。
この旅路には、霧ふり山脈のゴブリン、モリアのオーク、巨大なクモの住む闇の森など危険な場所が幾つもありました。
翌朝、ビルボが目覚めると、家の中は綺麗に片づけられ、ドワーフ達は既に出発した後でした。
安堵するビルボ…のはずでした。
しかし、ビルボは慌てて旅の支度と誓約書にサインをして、家を飛び出したのです。
バギンス家の冒険好きの血筋がそうさせたのでしょうか…
こうして、ホビットの思いがけない冒険が始まります。
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(配信は投稿時のものとなります)
ホビットシリーズ総キャスト解説
ホビット
穏やかで争いを好まない保守的な種族。身長は1メートル程ですが、大きな足が特徴で裸足で生活しています。平均100歳くらいまで生きます。
ビルボ・バギンズ(青年期)/マーティン・フリーマン
(晩年) / イアン・ホルム(ロード・オブ・ザ・リングに登場)
ホビット庄の袋小路屋敷の住人。気ままに平穏な暮らしを送っていましたが、ガンダルフの企みで13人のドワーフと共にエレボール奪還の旅に同行する事になります。
強引にビルボを誘ったガンダルフには、バギンス家に対する信頼感があり、危険な旅にビルボが必要だと信じたからです。
フロド・バギンズ /イライジャ・ウッド(ロード・オブ・ザ・リングに登場)
ホビット庄の青年。父の死後、養子として親戚のビルボに引き取られビルボから冒険の話を聞きます。
後に、ガンダルフや仲間と共に冥王サウロンを滅ぼすための旅に出ます。
魔法使い(イスタリ)
イスタリは、見た目は老人の姿ですが肉体にも精神にも強い力を持っています。イスタリの総数は不明ですが、サウロン打倒の任務を負っています。
灰色のガンダルフ/ イアン・マッケラン(ロード・オブ・ザ・リングに登場)
ガンダルフはトゥック翁の古い友人で、幼い頃からビルボを知っていました。このはなれ山への危険な旅にビルボを誘ったのも彼の性格を知っていたからでした。自らもはなれ山への旅に同行し仲間を導きます。彼は、火と光の魔法を使い剣術にも長けています。
白のサルマン/ クリストファー・リー(ロード・オブ・ザ・リングに登場)
イスタリの中の第一人者。5人のイスタリ(他に青の魔法使いが2人います)の中で最も偉大な力を持っています。 賢人会議「白の会議」の主宰者。
白の会議の席では、ガンダルフが進言したネクロマンサーについて懐疑的でしたが、エルフのエルロンド、ガラドリエルと共に、闇の勢力に捕まったガンダルフを救うため冥王サウロンと戦います。
茶のラダガスト/ シルヴェスター・マッコイ
闇の森の奥深くに住み、自らの使命を忘れ森に邪悪な者が侵入しないように守っていました。帽子の中に2羽の小鳥を飼っている為、髪や顔は鳥の糞だらけになっています。ガンダルフはラダガストを変人と語っています。
森の動物達や植物が死に始め闇の勢力の恐怖を感じたラダガストは、闇の勢力が古い砦(ドル・グルドゥア)にいる事を突き止め、ガンダルフに警告し協力者になりました。
ドワーフ(冒険の仲間)
小柄だが頑強な体格で頑固な気質の種族。寿命は250歳くらい。鉱石の加工技術に優れた種族です。
ドゥリンⅠ━∥━ナインⅡ┳ダインⅠ┳スロール━スラインⅡ┳トーリンⅡ ┃ ┃ ┗ディース━┳フィーリ ┃ ┃ ┗キーリ ┃ ┗グロール━ナイン━━━ダインⅡ(決戦の行方で登場) ┗ボーリン━ファリン┳フンディン┳バーリン ┃ ┗ドワーリン ┗グローイン┳オイン (ドゥリンの王族の系譜) ┗グローイン━ギムリ(引用先:Wikipedia)
トーリン・オーケンシールド(トーリン2世) /リチャード・アーミティッジ
ドワーフ王国の国王。ドゥリン一族の血筋。祖父のスロール王は、オークとのアザヌルビザールの合戦で討死、父のスライン王は、悲観に暮れ行方不明になってしまいました。敗戦色の濃かったアザヌルビザールの合戦で、オークの穢れの王アゾクに大けがを負わせ王国に勝利に導きました。
トーリンは、ドワーフ王国を助けなかったエルフ、火竜スマウグ、祖父の仇オークに対して強い復讐心を抱いています。
その為、ガンダルフとトーリンは度々エルフに関して意見がぶつかります。
旅の当初はビルボを足手まといと思っていましたが、ビルボと旅を共にする中で信頼に変わっていきます。
キーリ /エイダン・ターナー フィーリの弟でトーリンの甥。ドゥリン一族の血筋。エルフのタウリエルと種族を超えた恋に落ちます。
フィーリ/ ディーン・オゴーマン キーリの兄。トーリンの甥。ドゥリン一族の血筋。
バーリン /ケン・ストット ドワーリンの兄。オイン、グローインの従兄弟。一行の年長者であり、先々代から仕えている。トーリンの良き助言者。
ドワーリン /グレアム・マクタヴィッシュ バーリンの弟。オイン、グローインの従兄弟。
ドーリ /マーク・ハドロウ ノーリ、オーリの兄。
ノーリ /ジェド・ブロフィー ドーリの弟、オーリの兄。
オーリ/アダム・ブラウン ドーリ、ノーリの弟。
オイン /ジョン・カレン グローインの兄。バーリン、ドワーリンの従兄弟。
グローイン /ピーター・ハンブルトン オインの弟。バーリン、ドワーリンの従兄弟。ギリム(ロードオブザリング)の父親
ビフール/ウィリアム・キルシャー ボンブール、ボフールの従兄弟。
ボンブール /スティーヴン・ハンター ボフールの兄。ビフールの従兄弟。
ボフール/ジェームズ・ネスビット ボンブールの弟。ビフールの従兄弟。
エルフ
容姿端麗で不老不死の種族。高い精神性と身体能力と併せ持っています。ドワーフを醜い泥棒と見下し、悪い印象を持っています。
スランドゥイル/リー・ペイス
巨大蜘蛛が住んでいる闇の森の王。レゴラスの父親。自国の事しか考えず、他国の情勢には無関心。
ドワーフ王国を見捨て援軍を撤退させた張本人で、トーリンはスランドゥイルを憎んでいます。エレボールにある「ラスガレンの白い首飾り」は自分の物だと主張し、5軍の戦いにエルフ軍を参戦させます。
レゴラス /オーランド・ブルーム(ロード・オブ・ザ・リングに登場)
スランドゥイルの息子。身体能力が非常に高く「5軍の戦い」では、スーパーマリオのような動きでオークと戦っています(カッコイイマリオにしか見えません)
タウリエルに思いを寄せますが、身分違いだとスランドゥイルに反対されます。
タウリエル /エヴァンジェリン・リリー
闇の森のエルフの護衛隊長。エルフの中では身分の低いシルヴァン・エルフの種族。
ドワーフのキーリと出会い2人は心を通わせるようになります。
ガラドリエル /ケイト・ブランシェット(ロード・オブ・ザ・リングに登場)
ロスローリエンの森の奥方。中つ国のエルフの中でも有力者の1人でありサルマン主宰の「白の会議」に出席します。トーリン一行の旅を利用し闇の勢力が動いている事に気づきガンダルフに協力します。
エルロンド /ヒューゴ・ウィーヴィング(ロード・オブ・ザ・リングに登場)
裂け谷の領主。秘密の地図に書かれた文字の解読が出来きトーリン一行に協力します。ガラドリエル同様に有力者の1人でありサルマン主宰の「白の会議」に出席します。
人間
バルド /ルーク・エヴァンス
湖の町エスガロスの船頭。谷間の国デイルのギリオン王の末裔。
オークから逃れて来たトーリン一行と取引をしてエスガロスに密入国させます。
エスガロスの統領 /スティーヴン・フライ
エスガロスの領主。私利私欲しか興味は無く、貧しい暮らしを強いられている領民から嫌われています。また、ギリオン王の末裔で領民から慕われているバルドを不快に思っています。
エレボール奪還を主張するトーリンが協力すれば富を分かち合うと提案すると、態度を一変して一行を歓待します。
アルフリド /ライアン・ゲイジ
エスガロスの役人。統領にゴマをすり領民には厳しい態度を取ります。バルドを敵視しています。
オーク
昔、エルフ族であったが闇の力により生まれ変わった種族。
アゾグ /マヌー・ベネット
モリアのオークの首領。ドゥリン一族の血を根絶する誓いを立て、アザヌルビザールの戦いでドワーフと戦いトーリンの祖父スロールを討ちます。しかし孫のトーリンに敗れ、その戦いで斬り落とされた左腕を鉤爪の義手に変え、今度ははなれ山を目指すトーリン一行を執拗に付け狙います。
狡猾で強力な力を持ち、5軍の戦いでも大軍を率いてドワーフ軍、エルフ軍、デイルの領民と戦い追い詰めます。
ボルグ(第1部) /コナン・スティーヴンス(第2部) ローレンス・マコール(第3部)ジョン・チュイ
モリアのオーク。アゾグの息子。アゾクの片腕としてトーリン一行の追跡をします。
その他の登場人物
死人遣い(ネクロマンサー)/ ベネディクト・カンバーバッチ(ロード・オブ・ザ・リングに登場)
ドル・グルドゥアの丘に潜み、密かに闇の勢力の範囲を広げていました。ネクロマンサーの本当の正体は、冥王サウロンでした。
ゴラム /アンディ・サーキス(ロード・オブ・ザ・リングに登場)
霧ふり山脈の地下洞窟に住む生物。指輪に強い執着心を持っています。