今回紹介するドラマは ダーク・マテリアルズⅢ/黄金の羅針盤
2019年~2022年放送された3部作の第2部 アメリカ、イギリス合作
原題: His Dark Materials
全8話(1話48~57分)
原作:フィリップ・プルマンの1995年のベストセラー小説『His Dark Materials』の第3部「琥珀の望遠鏡」
押さえておきたい宗教の補足解説
ドラマをより深く堪能するために
ストーリーの鍵となる“イブ”についてザックリ補足をしてみたいと思います。
有名な物語なのでご存じの方はとばして下さいね。
先ずは、そもそも宗教って???
って感じですよね。
私は、本当にザックリとした事しか知らないので宗教の基本のキをググってみました。
そもそも一神教の宗教とは“神の教えを司る者”とされる予言者が開祖となり、その信仰者などによってつくられた教えです。世界三大宗教と言われるキリスト教、仏教、イスラム教ではそれぞれキリスト、ブッタ、ムハンマドらの教えが信仰されています。
これらは、日本の神道の八百万の神々を奉る多神教と違い
特にキリスト教、イスラム教では、神は人間や自然はもちろん、宇宙までもつくった全知全能の創造主とされています。
(Wikipedia:世界三大宗教)
上記の通り、よく耳にする”イエスが~、神が~、アッラーが~”の宗教ですが、
その実、同じ人間を神のように崇めているんですね~。しかも…神の言葉として!
そして、このドラマでは、天使のオーソリティが自らを創造主と名乗り天上界を支配しているという設定です。
また、ドラマの鍵とも言える魔女の予言”イブの堕落が平行世界をオーソリティから解放する”のため、ライラは教権から命を狙われる存在でした。
そこで、日本人には馴染みの薄い『旧約聖書』の『創世記』に登場する
アダムとイブのお話の補足をザックリしていきます。
有名な物語なのでご存じの方はとばして下さいね。
神様は、天地を作り次に動植物、そして最後に人間をつくりました。その初めにつくられた人間がアダムなのです。しばらくしてアダムは、他の動物たちのように自分にも仲間が欲しと願うようになります。そこで神は、アダムのあばら骨からイブをつくりました。
アダムとイブはこうして生まれ「エデンの園」という楽園で何不自由なく暮らしていました。
ところが、イブは悪魔の化身とされるヘビにそそのかされ、「善悪の知識の木」の実を食べてはいけないという唯一のルールを破って、その実を食べてしまいます。こうして、イブは人類最初の罪を犯し、その後に生まれるすべての人間を罪に導き入れてしまったのです。
その後、2人は労働の苦しみと産みの苦しみという罪の報いを受け、やがて死すべき者として余生を生きることになりました。そして、2人の間に生まれた長子カインは、弟アベルを殺すという人類最初の殺人者となってしまいます。
参考:ダイヤモンドオンライン
シーズン3では、このイブの堕落が軸になり、
天上の支配者やその摂政たちVS人間、魔女、反乱側天使の連合軍との死闘が描かれ
その一方で、ライラとウィルの新たな冒険が始まります。
私が思うに…
原作者のフィリップ・プルマンは、同じ人間が考えた教えによって生まれながらに罪をきせられ死後の世界まで支配されるのは如何なものか
という観点から物語を書いているように感じました。
それを躍起になってボイコット運動まで起こした宗教団体…
正に、彼らにとって不都合な真実だったとバラしているようなものじゃないですかね~
追加キャスト紹介
メインキャストはこちら↓でご確認を~
オグンウェ/ アドウェール・アキノエ=アグバエ
アスリエル卿が軍を任せるため救出した将軍
ローク/ジョナサン・アリス
アスリエル卿の協力者で、羽の生えた小人ガリベスピアンの偵察部隊隊長
サルマキア/シアン・クリフォード
ガリベスピアンの偵察隊員でロークの優秀な部下
バルサモス/ Kobna Holdbrook-Smith
ウィルを神秘の短剣の守り人と知り、アスリエル卿の戦いに誘う反オーソリティの天使
バルク/Simon Harrison
バルサモスの恋人で反オーソリティの天使 エノクの弟
ザファニア/シアン・クリフォード
アスリエル卿に味方する反オーソリティの天使
ゴメス/ジェイミー・ワード
教権の神父
アーマ/Amber Fitzgerald-Woolfe
島でコールター夫人に協力する聴覚障害の少女
メタトロン/ アレックス・ハッセル
オーソリティの摂政である天使 元は人間エノク
※『エノク書』によれば、エノクはエロヒムによって天に上げられた後、天使メタトロンに変容させられたという。(参考Wikipedia:エノク)
オーソリティ
天上界の支配者 自らを創造主と呼び万能の父と名乗り暗黒の天使を従え天上を支配しています
あらすじ 第1話 眠る者(54分)
『何千年もの間 オーソリティーが天上の王国を完全に支配してきた
彼は自らを創造主と呼び万能の父と名乗った
彼は 私たちと同じただの天使なのだが 暗黒の天使を従え天上を支配している
真実のために戦った我々は天上を追放された
それ以来 世界のはざまに住み 復讐の機会を伺い 待ち続けている
人間の中に 希望の光が見える
勇敢な指導者が兵を集めている 命に限りはあるが 大きな野心の持ち主だ
ヘビが召喚され 新しいイブが現れた
新たな反乱の時が 到来する』
神秘の短剣に導かれるかのように、ウィルは父親ジョン・パリーと13年ぶりの再会を果たす事が叶いました。
しかし、それも束の間
ジョンは、我が子ウィルを守るため兵士の銃弾に倒れてしまったのです。
そして、父の最期をみとったウィルは、ジョンの遺志を引き継ぎオーソリティを倒せる唯一の武器”神秘の短剣”をアスリエル卿に届ける決心をします。
ウィルは急いでライラの元へ戻って行きましたが…
もといた場所にライラはいませんでした。
「ライラ~」
ウィルがいくら探しても、ライラはどこにも見あたらないのです。
翌朝
ウィルは山を下りて、民家を尋ねて捜し回ります。
しかし、ライラの行方は一向に分かりません。
そこでウィルは、真理計(アレシオメーター)を試してみることにします。
「力を貸せ」
何度も別の世界を跨ぎ、真理計に真実を聞きますが、
真理計の針は1ミリも動くことはありませんでした。
その頃、ライラは深い眠りに入っていました。
ふと…ライラは目を覚まします。
しかし、その場所は全く知らない世界で他に誰も見当たりません。
そして、辺り一面砂煙で視界が悪く、とても空虚な空気が漂っていました。
「パン」
ライラはパンの姿を探して大声で呼びます。
その時
「ライラ」
ロジャーの呼ぶ声が聞こえます。
「ロジャー」
ライラは、驚いて必死で叫びました。
「ロジャー あなたなの?」
「頼む 助けに来て!」
死んだはずのロジャーが助けを求めています。
「どこに居るの?」
ライラは叫びながら必死に走り出していました…
ところが、全てはライラの夢だったのです。
彼女はベッドの中で深い眠りについていました。
その時
「ライラ」
誰かの囁く声でライラは目を覚まします…
ここは、遠く離れた海岸に建つ小さな教会でした。
そして、ライラをこの場所へ連れて来たのは…
何とコールター夫人だったのです!
続きは本編で!
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(配信は投稿時のものとなります)
勝手に私見考察
ここからはネタバレを含みます
ダストの正体とは…
このドラマを見て宗教って怖~い
と改めて思いましたが
まあまあ、日本では宗教の自由が認められていますから、
決して宗教を批判するものでありません。
確かに宗教団体が危惧するように反宗教的テーマだと感じますが、
要は宗教自体がもともと人々を治めるために利用されたツールなわけで、
だから支配力を強めたい一神教では、創造主であり全知全能の神でなければならないのだと思います(あくまで個人の感想です)
そして、この教えに縛られれば自分自身で考えて行動する必要がありませんから、
支配者は治めやすくなりますよね。
そこで原作者のプルマンは、このダストをイマジネーションなどの自由な思考と設定して、
教権側が、人々にダストの影響が及ぶのを恐れ異端なものとして研究を禁止させたんですね。
中々興味深い!
そして、魔女の予言”イブの堕落”とは、ライラとウィルの初恋だった!
2人の初恋が世界を救ったのでした。
今まで悪だと教えられたものが、実はそうでは無かったとしたら…
(でも、世の中そんな事が溢れかえってますよね~)
このブログを読んでくれているZ世代の皆さ~ん
是非とも青春を謳歌して欲しい!
失恋や恋愛をどんどん楽しんで欲しい~
私もヘビのように進んでイブをそそのかしますよ!
子供を捨てた親たちの最期に思うこと
私がシーズン1,2を通して大嫌いだったアスリエル卿!
シーズン3でも彼とライラを救いたいコールター夫人との溝は埋まりませんでした。
私もついつい親目線で見てしまうので、
どうしてもアスリエル卿、コールター夫人、ジョン・パリーの
子供を捨てた親たちの結末を深堀せずにいられません。
ジョンの最期
ウィルとの再会のシーンで、神秘の短剣の守り人となった息子に”オーソリティと戦うアスリエル卿の軍に加わり一緒に戦え”と伝えます。
しかし、長い間母親と自分を苦しめた父親に再会したと思ったら、突然そんな重責を担えと言われれば誰でも“ハ~?”状態ですよね~。
そりゃあ「父さんは僕のために何かしてくれたの?」と問い詰められますよ。
しかし、ジョンは自分達に照準を合わせている兵士を見つけ、自らウィルの盾となって息子に看取られて亡くなります。
だからこそ、ウィルはジョンの遺志を引き継ごうと決意するわけです。
アスリエル卿とコールター夫人の最期
アスリエル卿とコールター夫人は、メタトロンとの直接対決に臨み「ライラのために」と
捨て身となってメタトロンを道連れに崩壊するクラウデッド・マウンテンから地上へと落下します。
しかし、コールター夫人にとって唯一のすくいは、ダイモンの金色のサルが消える間際、一目ライラと会う事が叶い、母親が死んだことをライラは悟ります。
このシーンは、何度観ても涙腺崩壊しますが、
ライラは、この2人の死に対してとても無感情でした。
そうです!
親が子供を捨てるという事は、とても罪深いんです。
しかし、親というものはどんな親でも子供のために死ねるのだと
熱いメッセージを感じて涙が止まりませんでした~。
ラストで一挙に伏線回収され一気に感動の連続になります。
いや~流石でした。