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【ドラマ:ファーゴ シーズン1】あらすじ、ネタバレ ファーゴの最高傑作!凄腕の殺し屋が怖すぎ…

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今回紹介するドラマは 【ファーゴ】シーズン1

ドラマ版【ファーゴ】シーズン1 解説

2014年アメリカ チャンネルFXにて放送 全10話

1996年の映画【ファーゴ】に着想を得てプロデューサーのノア・ホーリーが原案、脚本を手掛けたドラマシリーズです。

シーズン毎にアンソロジー形式で描かれている為、舞台となる年代、配役や設定もそれぞれ異なっています。

共通なのは、中西部のミネソタ州、ノースダコタ州、カンザスシティが物語の舞台となり、またもや善良な普通の人々が、連続殺人事件に巻き込まれて行きます。

Fargo – Looking Back at Season 1

ストーリーは繋がっていないのでどの作品から観ても楽しめますが、【ファーゴ】をたっぷりと楽しみたい方は、是非映画版ファーゴから観る事をおすすめします。

シーズン1は、映画版ファーゴから19年後のミネソタ州ベミジー、ダルースで起こった連続殺人事件が描かれています。

そして、映画版ファーゴで雪の中に隠された100万ドルの行方が分かりますよ!

映画同様に秩序が壊れていく社会の中で

【ミネソタナイス】と呼ばれるミネソタ独特の気質を持ったごく普通の人々の人間模様と

凄腕の殺し屋との追跡劇を描いたブラックコメディ満載のクライムサスペンスです。

【ミネソタナイス】については、【映画:ファーゴ】の解説記事で紹介しています。

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あらすじ

『これは実話の映画化である。実際の事件は2006年ミネソタ州で起こった。生存者の希望で人名は変えてあるが、死者への敬意をこめて事件のその他の部分は忠実な映画化をおこなっている』

(ファーゴは、映画もドラマもこのテロップから始まります。冒頭からブラックジョークが効いていますが、この作品は完全なフィクションです)

1件目の事件

ある真夜中、殺し屋のローン・マルヴォは依頼された仕事の途中で、雪深い中西部のミネソタ州ベミジーを走行していました。

車のトランクからは、誰かが叩くような物音がずっと聞こえています。

辺りは静かな闇夜

そこへ、ヘッドライトにいきなり鹿の姿が浮かび上がります。

マルヴォはハンドルを切りますが鹿を跳ね飛ばし、雪原へと横転してしまいました。

すると、壊れた車のトランクから下着姿の男が現れ、雪深い林の方へと逃げ去っていきます。

マルヴォは、額から血を流し怪我をしていました。

そして、今にも息絶えそうな鹿を

マルヴォはずっと見つめていました…

レスターの最悪な1日

ミネソタ州ベミジーに暮らすレスター・ナイガードは、全く冴えない中年男でした。

今朝も妻のパールから、エリートの弟チャズと比較され、さんざん嫌味を言われていました。

チャズは、順調に営業部長に昇進し、親子3人裕福な生活を送っています。

かたやレスターは、業績の伸びない小さな保険代理店の冴えないサラリーマンでした。

「弟と結婚するんだった」パールは吐き捨てように言いました。

その日のレスターは不運続きでした…

町で、高校時代のいじめっ子サム・ヘスとバッタリ再会してしまったのです。

するとヘスは、彼の2人の息子と一緒になってレスターを揶揄い始めます。

その挙句、運の悪いレスターは、驚いた拍子に滑って転び

何と、鼻の骨を折る大けがをしてしまいました。

レスターは、病院の待合で順番を待っていました。

彼の隣には、同じく順番を待っている男が座っています。

レスターは、その男の正体を知らず軽い会話を始めました。

「誤解から怪我を負っただけだ、拘らないよ」

とレスターは気にしていないフリをします。

しかし男は、病院送りにされて何故拘らない…やり返さないのか?とレスターに言いました。

そして「もし、俺があんたなら相手を殺す」

そう言ってレスターをけしかけました。

「冗談だろ…」「代わりに君が殺すか?冗談だよ」

レスターは、男の正体がマルヴォだと知らずにうっかり口に出してしまいます。

「俺に殺せと?」

「お互いふざけて言い過ぎただけだよね?」

レスターはマルヴォが薄気味悪くなりました。

「サム・ヘスだな。一言でいい、イエスかノーか」

そこへレスターの診察の順番が来ました。

看護婦に急かされたレスターは、一言を曖昧にしたままマルヴォと別れてしまいます…

その夜…サム・ヘスがストリップ小屋で、何者かに頭部を刺され死亡する殺人事件が起こったのです。

この事件をきっかけに、平穏だったベミジーとその近郊は、おぞましい連続殺人事件に巻き込まれることになってしまいます。

そして、善良な人間と思われていたレスターの別の顔が現れるのでした…

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(配信は投稿時のものとなります)      

 

キャスト紹介

レスター・ナイガード/マーティン・フリーマン

ベミジーの保険代理店に勤めるセールスマン。気が弱く事なかれ主義。家庭でも仕事でも冴えない日々を送っていました。

ひょんな事から、高校時代のいじめっ子サムの殺人を殺し屋に依頼してしまった事から、連続殺人事件に巻き込まれレスターの人生は大きく変わってしまいます。

ローン・マルヴォ/ビリー・ボブ・ソーントン

凄腕の殺し屋。仕事以外でも訪れた先々で、気に入らない人を貶めたり殺したりしていますが、善良な人間には手を出さない面もあります。

狡猾で頭も良く意外な名言を言って相手を納得させたり、ある時はナゾかけをして相手を混乱させるなど巧みな高等戦術もみせます。

モリー・ソルヴァーソン/アリソン・トルマン

ミネソタ州ベミジー警察署の副署長。鋭い洞察力で事件を捜査します。

独自の推理の結果、事件のカギを握るレスターに辿り着きますが、新署長ビルにレスターの捜査の邪魔をされてしまいます。

ガス・グリムリー/コリン・ハンクス

ミネソタ州ダルース警察の警官。ガスは気が弱く事なかれ主義なところがあります。

取り締まり中、不審に感じたマルヴォの車を職質しますが、マルヴォの脅しに怯み彼を逃がしてしまいます。

以後、逃がした男がベミジーでの殺人事件の犯人ではなかったかと、罪悪感を持ち続けベミジー警察署のモリーの捜査に協力します。

ルー・ソルヴァーソン/キース・キャラダイン

モリーの父親。ベミジーの”ルーのコーヒーショップ”の経営者。以前はベミジー署の警察官をしていましたが、事件で負傷した為引退しています(シーズン2は、ルーの警官時代の物語になっています)

グレタ・グリムリー/ジョーイ・キング

ガスの12歳の娘。無線が趣味でガスの勤務中も無線でよく話します。10代らしい真直ぐな正義感を持っていて、時にガスの相談役にもなるしっかり者。

スタヴロス・マイロス/オリヴァー・プラット

ミネソタ州ダルースのスーパーマーケット“フェニックス・ファームズ”の経営者。ミネソタのスーパーマーケット王と呼ばれていて自伝本を出版しています。

サタヴロス宛にお金の出処を脅す脅迫状が届きその犯人の始末をマルヴォに依頼します。

このお金の出処こそ、ミネソタ州ミネアポリスに埋められた100万ドルでした。

ナンバーズ/アダム・ゴールドバーグ

ファーゴの犯罪組織の一員。サムの殺害事件をきっかけに犯人のマルヴォを追う事になります。

レンチ/ラッセル・ハーバード

ファーゴの犯罪組織の一員で聾唖の男。ナンバースと共にマルヴォを追います。レンチはシースン3に再登場します。

勝手に私見考察

ここからはネタバレも含みます。

マーティン・フリーマンは流石でした

主役のマーティン・フリーマンは、コメディ作品に多く出演していますが、クライムサスペンスのドラマ版ファーゴでも実にイイ味を出していました。

どの作品でも彼の細やかな役作りが光っています。

ファーゴでは、ただの冴えない男が殺し屋や警察を出しぬいていく展開で、次第に最低な男に堕ちていきますが、何故か憎めない悪役を演じています。

同じ悪役マルヴォのビリー・ボブ・ソーントンの凶悪なキャラとの対比はドラマにコミカルなテンポを与えていました。

こんなに弱くて無害な男が事件なんて起こすはずが無い!

と署長のビルはレスターを信じて疑いません。

その結果捜査を妨害し犯人逮捕を遅らせ大事件に発展してしまいます。

人の思い込み程、害悪なことはありませんね!

ヒーローは身近にいる

映画同様にドラマ版でも田舎の善良な人々が、凶悪犯をやっつける!

の既定路線でラストもスッキリと終わらせてくれています。

その中でも、気が弱く職場でもオドオドして、事なかれ主義のガス・グリムリーの成長は感動させてくれました。

彼は、殺し屋のマルヴォの脅しに屈し、1度は彼を逃がしてしまいます。

しかし、モリーと共に捜査するうちに

彼女の信念の強さに影響を受け、次第に事なかれ主義から決別し成長した姿がありました。

悪に堕ちるレスターとは対象的な存在です。

ガスはモリーと結婚後、警官を退職したにも拘わらず、

家族や過去の因縁と向き合い、危険を覚悟でマルヴォと対峙する場面は

後の家族団らんのシーンをより感動的にしてくれました。

そしてシーズン1でも

ミネソタナイスの素朴さや滑稽さを所々にコメディタッチで絡めていて面白かったです。

まず、モリーが第1の事件ので、下着姿の被害者の男の職場へ行き同僚から話を聞くシーンで

「とてもイイ人だった」

と同僚たちは証言しながらも

実は、ギャンブルをしていたなどと、全てこき下していたり。

おまけに…皆と同調意識が高いためか、嘘までついてこき下ろす始末

流石に皆に総ツッコミされますが

どこがイイ人や~!

本音では誰もいい人とは思っていなかったというオチでした。

また、モリーの友人が離婚した後で、

付き合った男の首に蜘蛛が卵を産んだ話をする滑稽なシーンは、映画版に登場した“マイク・ヤナギタ”を彷彿させますね。

意味不な方は、映画版【ファーゴ】でご確認ください。

シーズン2への伏線

シーズン1には、シーズン2への伏線も所々散りばめられています。

モリーの父ルーやダルース警察署の署長ベン・シュミットが言っていた“スーフォールズ”とは

シーズン2で起こる事件を指しています。

おまけに、ルーがガスの上司ベン・シュミットを嫌な奴だと言っていますが、

シュミットとルーの因縁もシーズン2で描かれています。

チョットした伏線が実に細かい!

シーズン1では、全10話の脚本を全てノア・ホーリーが手掛けています。

映画ファーゴやコーエン兄弟へのオマージュを感じられ、シリーズの中でも最高傑作ではないかと思います。

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