今回紹介するドラマは イーヴィル 超常現象捜査ファイルシーズン1
2019年 アメリカCBSで放送されたドラマシリーズ
企画、脚本、製作総指揮:ロバート・キング、ミシェル・キング
原題:Evil(全13話:1話 約42分)
このドラマシリーズは、2022年にシーズン3まで放送され
引き続きシーズン4の製作も決定しているCBSの人気ドラマシリーズです。
【Evil】で、製作総指揮を務めているロバート・キング、ミシェル・キングの代表作と言えば、
リーガル・ドラマ【グッド・ワイフ】(2009~2016)、【グッドファイト】(2017~現在)のドラマシリーズが有名です。
では、今回のドラマはというと…
自身がカトリック信者のロバートとパートナーのミシェルが
謎の多いカトリック教会の”悪魔祓い”を新たな視点で描く
ブラックユーモアたっぷりなスリラー作品になっています。
実は、現在に至ってもリアルに論争されているカトリック教会の”悪魔祓い”
この難解な超自然的事象を
法医学心理学者とカトリック の神学生 そして便利屋の異色トリオが、科学的、医学的知見からのアプローチで立ちはだかります。
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キャスト紹介
カトリック教会の査定人
クリステン・ブシャール/カチャ・ハーバース
元カトリック信者の法医学心理学者。現在は無神論で悪魔や超自然的ものには懐疑的です。
デビッド・アコスタ/マイク・コルター
カトリック教会の神学生で5年課程の2年目。元ジャーナリスト。
カトリック教会に依頼された悪魔祓い案件で、本当に悪魔祓いが必要か否かを調査する査定人。
ベン・シャキール/アーシフ・マンドヴィ
デビッドの相棒で便利屋。超自然現象を科学的に解明します。
クリステンの家族
アンディ・ブシャール/パトリック・ブラモール
クリステンの夫でエベレストの登山ガイド。仕事のため、家には殆ど居ません。
シェリル・ルリア/クリスティン・ラハティ
クリステンの母親。留守ばかりのアンディに変わり、孫の世話をしてくれる心強い協力者。
アンディに不満を感じています。
リン・ブシャール/ブルックリン・シャック
プシャール家の長女
リラ・ブシャール/スカイラー・グレイ
プシャール家の次女
レクシス・ブシャール/マディ・クロッコ
プシャール家の三女
ローラ・ブシャール/ダルヤ・ナップ
プシャール家の末娘
カトリック教会
アマラ神父/クラーク・ジョンソン
エクソシストとして憑依された人の悪魔祓いの儀式を行います。
モンシニョール・マシュー・コレツキ/ボリス・マクガイバー
デビッドたちから査定報告を受けるカトリック教会の著名な司祭
協力者
カート・ボッグス博士/カート・フラー
クリステンの精神科医。
エクソシストの儀式に立ち合い、公平な判定のため、臨床医としての意見をしてくれます。
グレース・リン/リー・ジュン・リー
カトリック教会がひた隠す終末論の予言者。
デビッドたちは、グレースが本物の予言者なのか調査します。
ルネ・ハリス/レネ・エリス・ゴールズベリー
カトリック教会の弁護人。デビッドの亡くなった婚約者の妹。
ダークサイド
リーランド・タウンゼント/マイケル・エマーソン
精神科医でありながら、人に悪事を働くように言葉巧みに仕向けます。
オーソン・ルルー/ダレン・ペティ
3家族を殺害した被告。
しかし彼は、意識喪失を主張し、彼の妻は悪魔の憑依を主張します。
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シーズン2は↓こちら
第1話 悪魔はささやく (44分)
検察の鑑定人で心理学者クリステン ブシャール博士は、担当する裁判の被告オーソン ルルーと面談していました。
ルルーは、3家族を殺害した凶悪犯です。
ところが彼は、犯行当時の記憶が一切ないと主張します。
そこで、その真偽を確かめるのがクリステンの役目でした。
「俺は意識を失っていた。ウソだと?」
ルルーの主張に懐疑的なクリステンは、彼にテストを受ける事を提案します。
そのテストは、567の設問にイエスかノーで答えるものでした。
「いいとも。ヒマだしね」
ルルーは、快諾しました。
「機械類の雑誌が好き?」
「それが設問か?ノーだ」
こうしてテストが始められました。
ところが、何問目かの設問の時です
「女性の悲鳴が好き?」
このクリステンの質問に、ルルーの表情は一気に固まります。
「オーソン?」
クリステンは、ルルーに声をかけますが、彼は微動だにせず一言も発しませんでした。
その後、裁判が開廷されると
クリステンは、検察側の参考人として出廷しました。
そして彼女は、ルルーの主張は「虚言です」と発言します。
次に、クリスティに対する弁護人の反対喚問が始まりました。
「あなたは地方検事局に所属?」
「いいえ」
クリステンは、フリーだと説明します。
続いて弁護人は「証言は何度?」と質問します。
「2年超で34回」
「では、“正常”の宣言は?」
「34回です」
「素晴らしい。証言が検察側の意に沿わなければ、干されるのでは?」
弁護士は、検察との雇用関係をしつこくついてきます。
「検証したいのです。悪魔の憑依は?」
「それは何のたとえかしら?」
初めて“悪魔の憑依”と聞いて、クリステンは意表を突かれます。
すると弁護士は、精神科医のタウンゼント博士の鑑定を提出しました。
「被告人には“ロイ”という悪魔的な別人格が見られると…これに反論は?」
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喚問が終わったクリステンは、真直ぐルルーの元へ向かいました。
すると、初めて見る黒人男性がルルーと面談しています。
それを見たクリステンは、廊下で待っているもう一人の男性に、被告人への指導は違法だと非難しました。
クリステンは、彼らを弁護人の鑑定人だと思い込んだのです。
そこへ、面談を終えた黒人男性が出てきました。
「入れ知恵だとさ」
クリステンに非難された男性が伝えます。
「無駄よ」
クリステンが黒人男性に忠告しましたが、
「お守りだ。必要になるかも」
と言って彼は、クリステンに十字架のネックレスを渡そうとします。
しかしクリステンはそれを受け取らず、そのまま面談室に入って行きました。
「悪魔の憑依はない?」
クリステンは、初めてルルーにこの質問をしました。
「ああ。妻はそういうのを信じるがね」
ルルーは、弁護人の発言を否定し意識の消失を主張します。
そして、その会話の録音が終わると、クリステンは部屋から出る合図を係官に送ります。
「カトリック信者?」
クリステンは、何気なくルルーに訊ねてみました。
「いいや、君は?」
「今は違う」
クリステンも答えます。
そこでクリステンは、埃で白くなっている机に十字架をなぞります。
「これどう思う?」
とルルーに問いかけると
彼は黙ったまま十字架を見つめていました。
そこでクリステンは、もう一度椅子に掛け直すと
「天におられる我らの父よ…」と聖書を唱え始めます。
「…御心が…」
すると突然、今まで無言だったルルーが机を飛び越え、獣のようにクリステンに襲いかかって来ました。
ルールーは、倒れたクリステンに馬乗りになって〈獣は誰だ〉と叫び出します。
そして〈誰がその者と戦える?〉と訳の分からない言葉を発すると、クリステンの首を締めようとしました。
そこへ、駆け付けた係官がルルーを取り抑え、クリステンは何とか逃れられました。
「証言できません」
クリステンは、休廷中の地方検事に訴えました。
しかし検事は、ルルーの裁判をこれ以上延ばしたくありません。
彼は、クリステンに虚言の発言をそのまま押し通せと指示をしました。
「拒めば?」
すると検事は、雇用関係を見直すと暗に忠告したのです。
そして彼は、近くにいた裁判長の元へサッサと行ってしまいました。
ところがリステンは、お構いなしに裁判長との会話を遮り
「偽証なら他の人に頼んで。私はお断り」
と啖呵を切って裁判所を後にするのでした…
続きは本編で!
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勝手に私見考察
ここからはネタバレを含みます
いや~面白かったです。
エクソシストと言えば…
悪魔に憑依された恐ろしい人間との壮絶な悪魔祓いの儀式を連想しますが、
今回の【イーヴィル】では、それは憑依じゃなくて精神疾患じゃないの?
ほら、科学的に立証できるよ!
とエクソシストの前段階で査定するというチョット変化球的な展開で面白かったです。
また、主人公の3人が多様性に富んだキャラクター設定で、3人ともに安定感を感じ親しみやすい!
私的には、偉大なベン(便利屋)が気に入っています。
また、現実には説明のつかない不思議な現象も併せて描かれ科学的検証をしていて
ストーリーにリアル感を感じました。
そして、何と言ってもダークサイド側のキャラクターが面白い!
クリステンの夢に出てくる悪魔の“ジョージ”や
悪役の精神科医タウンゼントなどの背筋の寒くなるダークサイドがちゃんといて
彼らとの攻防も見所です。
タウンゼント役のマイケル・エマーソンがイイ!
【LOST】でもおなじみですが、本作のリーランド・タウンゼントも悪役のハッチャケ度合が面白いです。
BBCが追った『エクソシスト』
ここでチョット脱線しますが
随分前の話です…
カトリックの本場イギリスBBC製作の『エクソシスト』を追ったドキュメンタリー番組では、
何と!このドラマ同様に“悪魔の憑依”のほとんどが精神疾患なのだそうです。
しかし摩訶不思議なことに、何百件とあるうちの数件は、本当に原因の分からない人がいるのだとエクソシストの神父が説明していました。
カトリック信者であるロバートだからこそ、この企画が考え出されたのかもしれませんね。
こちらも↓悪魔のお話です