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【映画:アガサ・クリスティー ねじれた家】2017年ジュリアン・フェロウズ脚本でクリスティー会心作初の映画化!

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今回紹介する映画は アガサ・クリスティー ねじれた家

2017年 イギリス、アメリカ合作 

監督、脚本:ジル・パケ=ブランネール 共同脚本:ジュリアン・フェロウズ

原題:Crooked House(上映時間:115分)

原作:1949年に発表されたイギリスの女流作家アガサ・クリスティの同名推理小説

何とこの『Crooked House』は、クリスティが自作の中でもっとも満足していると語った作品の1つ

(もう1作は、『無実はさいなむ』)

その上、ミステリーの女王クリスティの長編小説を

イギリスの超人気ドラマ【ダウントンアビー】の脚本家ジュリアン・フェロウズも脚本に参加しているとあらば観ないわけにはいきません!

4/19公開『アガサ・クリスティー ねじれた家』予告編

一代で莫大な富を築いた“ねじれた家”の主人アリスタイド・レオニデスが毒殺されました。

その犯人は”ねじれた家”の中にいる誰か!

そして、その住人全員に動機がありその誰もに犯行の機会があった…

原作とは少し設定を変え、より”ねじれ”た人間関係を描いた物語は

いっそう複雑さを増し難解な事件になっています。

おまけに、ラストの大どんでん返しは衝撃的で見応え十分!

おススメ度:★★★★★ アガサ・クリスティーファンなら絶対観て欲しい作品!
 
アガサ・クリスティーの代表作と言えばこちら↓
 
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キャスト紹介

グレン・グロース主演で話題となっていましたが

わたし的には、次男の妻役のアマンダ・アビントン(代表作:SHERLOCKシーズン3~)を久しぶりに観れたのがラッキーでした。

捜査関係者
チャールズ・ヘイワード/ マックス・アイアンズ

元外交官の私立探偵でソフィアの元恋人

タヴァナー/テレンス・スタンプ

ロンドン警視庁の主任警部 ヘイワードの亡父の旧友

レオニデス家
イーディス・デ・ハヴィランド: /グレン・クローズ

アリスタイドの先妻の姉でソフィアの大おば 妹の死後もレオニデス家で暮らしています。

ブレンダ・レオニデス/クリスティーナ・ヘンドリックス

アリスタイドの若い後妻

長男家族
フィリップ・レオニデス/ジュリアン・サンズ

アリスタイドと先妻の長男でソフィア、ユースタス、ジョセフィンの父親

マグダ・レオニデス/ジリアン・アンダーソン

フィリップの妻でソフィア、ユースタス、ジョセフィンの母親で舞台女優

ソフィア・レオニデス/ステファニー・マティーニ

チャールズの元恋人でフィリップの長女

ユースタス・レオニデス/プレストン・ナイマン

フィリップの長男で16歳 

ジョセフィーン・レオニデス/オナー・ニーフシー

フィリップの次女で12歳

次男夫婦
ロジャー・レオニデス/クリスチャン・マッケイ

アリスタイドと先妻の次男で家業の“ケータリング社”を継ぎ現CEO

クレメンシー・レオニデス/アマンダ・アビントン

ロジャーの妻 化粧品メーカーの上級研究員で毒の専門家

ローレンス・ブラウン/ジョン・ヘファーナン

ユースタス、ジョセフィンの家庭教師

あらすじ

私立探偵のチャールズ・ヘイワードは、土砂降りの雨に降られ雨宿りに立ち寄った映画館で、

大富豪アリスタイド・レオニデスの突然の訃報のニュースを知りました。

彼は、23歳の時ギリシャからイギリスに渡り、無一文からレストランをオープンさせた後、最初のホテルを開業。その後も次々と事業の成功を収めイギリスの伝説的な人物となったのです。

一方で、移民でありながら伯爵家の令嬢と結婚し2人の息子を授かりますが妻に先立たれ、アリスタイドは、晩年若いアメリカ人女性と再婚しています。

そして、ニュースが次の映像へ変わると、

ヘイワードは1年半前の苦い失恋を思い出すことになりました。

何故なら、アリスタイドと並んで映っている孫娘のソフィアは、

ヘイワードが外交官の頃、赴任先のカイロで出会った2人は恋人同士でした。

しかし、ソフィアはある時突然ヘイワードの元を去ってしまったのです。

翌朝

ヘイワードが事務所に出勤すると、秘書のアクロイドさんは忙しそうにタイピングしています。

「おはようアクロイドさん」

「おはようございます ヘイワードさん。あの…」

すると、アクロイドさんはタイピングの手を止め、慌ててヘイワードを呼び止めると

「女性のお客様がお待ちです」

と囁くように言いました。

「女性?」

「名のってくれません」

名前を言わない女性客とは…

怪訝に思いながらも、ヘイワードはオフィスに入って行きました。

「やあ」

ヘイワードは、その女性に声をかけます。

「どうもチャールズ」

どうやらその客は、ヘイワードの知り合いのようです。

しかし、振り向いた彼女の顔を見たヘイワードは余りに驚いて言葉を失ってしまいました。

何とその客は、あのソフィア・レオニデスだったのです!

ヘイワードは、ぎこちなくドアを閉めると帽子とコートを掛けて無言のままデスクに座りました。

すると、その様子を探るように見ていたソフィアは、ヘイワードを試すようにタバコを取り出し口にくわえて待つ仕草をします。

ヘイワードは、慌ててマッチを擦ってソフィのタバコに火を点けました。

「こうしないと会うのを断れそうで」

ソフィアがやっと話かけます。

「訃報を聞いた お気の毒に ミス・レオニデス」

ヘイワードは、暗にソフィアを非難する様な言い方をしました。

「カイロでは身分を隠してた あなたが外交官を辞めた理由は…これ?」

「犯罪捜査は家業なんでね 僕に何の用だ?ソフィア」

ヘイワードは、自分を振ったうえにウソまで付いていたソフィアに苛立ちます。

「祖父は殺されたと思うの」

すると、ソフィアはアリスタイド・レオニデスの死について話を始めました。

「殺された?」

「死因は心臓発作だけど どうも変よ」

「なぜ そう思う?」

これが真実なら大変な事件です。

ヘイワードはソフィアの真意を訊きました。

ソフィアの話では、事件の第一発見者はソフィアで、

担当の医師がアリスタイド・レオニデスの死因に疑惑を抱き、

解剖が行われることになったのでした。

「お願いよチャールズ 家に来て調べて欲しい 警察よりさきに 当然お金は払うわ」

しかし、ヘイワードはソフィアの懇願に呆れた様子で

「君と親しいので職業倫理に反する 分かって欲しい」

と言って体裁よく断りました。

「なぜ 別れたと?」

するとソフィアは、ヘイワードの怒りの確信をツイてきました。

「それは…」

「私の家族から遠ざけたの」

「貧乏な外交官を怪しんだのか?なのに今は関与しろと?」

「事情が違うからよ」

「僕には同じだ」

しかし、ヘイワードは頑なでした。

「殺人者は今も家にいると思う 怖いのよチャールズ」

「君がか?」

「そうよ」

「だったら警察へ行け アクロイドさん ミス・レオニデスがお帰りに」

ヘイワードは強引にソフィアを帰そうとしました。

アクロイドさんはドアを開けソフィアを促します。

そして、ソフィアは仕方なく席を立つと

「もう一度考えて」

と最後に言い残し名刺を置いて帰って行きました。

ところが、ソフィアを見送ったアクロイドさんが戻って来るなり驚いた様子で

「ミス・レオニデス?お知り合い?」

とヘイワードに訊ねます。

「カイロで短い間」

「まあ ヘイワードさん いい宣伝になるのに 仕事を断る余裕はありませんよ」

事務所の台所は火の車でした。

しかもヘイワードは、アクロイドさんの言う事にはとても逆らえません…

続きは本編で!

勝手に私見考察

ここからはネタバレを含みます

私は、原作を読んでいないので何も知らない状態でこの作品を観始めました。

それはもう、想像の上をいく衝撃的で悲しい結末でした。

これはあくまで私の勝手な推論ですが…

著名な作家のディケンズやオースティン、ブロンテも然り

彼らは、みな自身の実体験を元に名作の数々を上梓しています。

そして、きっとアガサ・クリスティーも実体験から数々の作品を書いたのだと思うのです。

故に、この作品の大人たちを欺く12歳のジョセフィーヌのモデルは、アガサ・クリスティー自身だったのではないか?

何故なら、クリスティーの育った環境は非常に特異なものでした。

彼女は、兄姉とは違い地元の学校で学ぶことを禁じられ、母親から家庭教育を受けて育ちました。

そして、彼女は使用人と遊んだり、空想の中で一人遊びをして過ごすような内気な少女に育ちます。

その一方で、父の書斎で様々な書籍を読み、様々な事象に対する幅広い知識と教養を深めたようです。

この期間のクリスティーとジョセフィーヌがとても重なって見えて仕方ありませんでした。

きっと、好奇心が強く利発なクリスティーは様々想像をめぐらしていたに違いありません。

そして、ジョセフィーヌと同じような事も考え創作していたのではないかな?

この様な見方でこの作品を観てみると、ラストの大どんでん返しが更に深~いものに感じられました。

まあ、クリスティーの真意はわかりかねますが…

あくまで個人的な感想です。

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