今回紹介する映画は コンテイジョン
2011年公開アメリカ製作 監督:スティーブン・ソダーバーグ
スティーブン・ソダーバーグ監督
ソダーバーグ監督のデビュー作が「セックスと嘘とビデオテープ」若干26歳の監督が自主製作映画でカンヌ国際映画祭でパルム・ドール受賞と華々しい経歴の持ち主です。
また、2000年製作のジュリア・ロバーツ主演「エリン・ブロコビッチ」で彼女を念願のオスカー女優へ、
そして、自身も同年「トラフィック」でアカデミー賞監督賞を受賞しています。
その後も「オーシャンズ」シリーズ等多数のメガホンを撮っているヒットメーカーです。
その作品の中の「エリン・ブロコビッチ」は何度観てもいい映画でした。お勧めです。
そんな実力派監督が、感染症の脅威とパニックを描いた本作品。
正に世界中で起こったパンデミックのシュミレーション映画でした!
キャスト紹介
ミッチ・エムホフ:マット・デイモン
エリス・チーヴァー医師:ローレンス・フィッシュバーン
エリン・ミアーズ医師:ケイト・ウィンスレット
アリー・ヘクストール医師:ジェニファー・イーリー
ベス・エムホフ:グウィネス・パルトロー
レオノーラ・オランテス医師:マリオン・コティヤール
アラン・クラムウィディ:ジュード・ロウ
ジェニファー・イーリー 見っけ~
豪華キャスト陣の中で注目度が薄いのですが、アリー・ヘクストール医師役のジェニファー・イーリーはイギリスの女優で、1995年BBC製作の「高慢と偏見」の主人公エリザベス役を好演しています(懐かしい~)
あらすじ~パンデミックの恐怖はウィルスだけではない…
2日目 (2日目から始まる訳はラストで分かります)
ベス・エムホフは、空港ロビーのカフェで搭乗時間を待っていました。
彼女は、出張先の香港から、元恋人と密会する為シカゴに立ち寄る予定です。
ベスは、嫌な咳が出始めています。
きっと時差のせいだろう…と軽く考えていました。
一方、ベスが滞在していた香港では、若い男性が公共交通機関で家路に向かっています。
彼が家に着くと体調はどんどん悪くなり発熱もありました。
翌日
彼は、体調の優れないまま無理をして外出しますが、その途中で意識がもうろうとし、道路に出た途端トラックに撥ねられ亡くなってしまったのです。
また、英国ロンドンでは、若い女性がホテルの浴室で口から泡を吹いて亡くなっていました…
その頃べスは、ミネソタ州の自宅に到着ました。
夫のミッチと息子クラークがベスを出迎え、嬉しそうに駆け寄ったクラークをハグします。
日本では、ベスと香港へ同行した同僚男性は、体調の優れない様子で飛行機や電車を乗り継ぎ、とうとう帰宅途中のバスで倒れてしまいました。
3日目
日本で起こったバス車内で男性が泡を吹き倒れた動画が、SNSで世界中に拡散されていました。
それを見つけたフリーランスの記者アラン・クラムウィディは、その動画を自分のブログで共有しサンフランシスコの新聞社に売り込みに行きますが、全く相手にされませんでした。
一方、ミッチは、クラークの体調が悪いとクラスの担任から連絡が入り、急いで小学校へ向かいます。
そして、クラークの容態は、ベスと同じ症状でした…
4日目
ベスの体調は日ごとに悪化し、とうとう自宅で倒れ痙攣をおこしてしまいます。
そして、救急搬送されて間もなく、ベスは息を引き取りました。
突然の事に現実を受け入れられないミッチ…
しかし悲劇は続きます。
帰宅途中にミッチに着信が入り、クラークの容態が急変したと伝えるベビーシッターからの連絡でした。
そして、ミッチが駆け付けた時には、クラークは既に亡くなった後だったのです。
5日目
香港での感染症被害は、亡くなった男性が住んでいた集合住宅に限定されていると推測されていました。
ところが、男性の同居人女性が、中国広東省のバス車内で遺体で発見されたのです。
この頃、スイス ジューネブの世界保健機関(WHO)では、世界各国の被害状況が報告され対処法が検討されていました。
そして、ベスの遺体の法医解剖が始まります。
6日目
アトランタの疾病管理予防センター(CDC)から依頼を受けたエリス・チーヴァー医師は、伝染病学者のエリン・ミアーズ医師をミネアポリスへ派遣しウィルス感染経路の調査を始めていました。
何より、ウィルスの大規模感染の予測をするにはR-0(再生産率:1人が何人に感染させるか)を調べなくてはなりません。
CDCバイオセーフティ・レベル4実験室では、ベスから採取されたサンプルでウィルスの研究を開始します。
早急に、有効なワクチンを開発しなければなりません(宿主を突き止めろ~)
その頃、アラン・クラムウィディは、ウィルスの存在を嗅ぎ付けバイオ兵器ではないかと取材を始めます。
7日目
CDCのチーヴァー医師の元を国土安全保障省の職員が訪れます。
チーヴァー医師は、危機管理センターで香港での感染状況の説明を受けました。
どうやら、国土安全保障省は生物化学兵器を使ったテロではないかと疑っていました。
ベスとクラークの突然死を受けて、ミネソタ州ミネアポリスの小学校は閉鎖されました。
小学校では、既に保健婦1名小学生3名の死亡が確認されています。
それ以外の小学校でも症状が出ている者は登校禁止になっていました。
感染経路を調査しているミアーズ医師は、アルダーソン社を訪れました。
ミアーズ医師は、発生源がベスだと突き止めたのです。
そして次に、ベスが接触した人物を調べます。
すると、ベスを空港まで迎えに行った社員がいました。
しかし、彼は既に発症した状況で通勤途中のバスの中だとわかりました。
ミアーズ医師は、直ちに下車するように彼に訴えます。
その指示通り下車した途端、彼はその場に倒れ亡くなってしまいました。
その後、ミアーズ医師はベスの夫ミッチと面談します。
ベスは何処で感染したのか…宿主の動物は…
まだ、ウィルスを封じ込める手段が見つからない状況下で、未知のウィルスの恐怖を煽るジャーナリスト。
そして、煽られてパニックに陥る人々。
正に世界中を混乱させた新型コロナウィルスのドキュメンタリーを観ているようです…
勝手に私見考察
ここからはネタバレを含みます。
パンデミックを題材にした映画は過去にもありました。
「アウトブレイク」「フェーズ6」「感染列島」「復活の日」等々…このコンティジョンはそれらの作品より一層ドキュメントタッチで描かれていました。
冒頭2日目から感染拡大が始まり、135日目でワクチン接種を開始。
ほぼ日常を取り戻すまでを時系列で描かれています。
そしてラストに1日目が描かれ、ベスが感染した謎が解明されて終わります。
この時系列に追った描き方で、未知のウィルスにどう対処していくのか、医療関係者の命がけの奮闘と訳の分からない中でパニックに陥る人々が対照的に描かれています。
そこから感じることは、いかに正しい情報をとり、冷静に行動することが大切なのかという事でした。
正に、現在コロナウイルスに悪戦苦闘している医療従事者を彷彿とさせました。
このMEV-1ウィルスの感染状況を纏めると
- 全世界での死者数2600万人
- 感染経路の特定にかかった日にちは7日間
- ワクチン完成まで57回の実験、ワクチン接種開始は135日目
そして、コロナウィルスのパンデミックと同じ状況が描かれていました。
例えば
WHOは、各国の思惑が交差しほとんど役に立たない(同情的に描かれていますが…)組織になっています。
また、デマや陰謀論を煽るインフルエンサーがいる所まで予言的中!
そして、普段の生活の激変の様子…学校の休校、買い占め、暴動、都市封鎖、医療崩壊…
世界中で起こった事が…全く同じだ…と思わずにはいられません。
※そして何と言っても、手洗いが一番大切だと思い知らされるラストシーンで締めくくられています。
この作品は、新型コロナウィルスのパンデミックにより再評価され、出演者のローレンス・フィッシュバーン、ケイト・ウィンスレット、ジェニファー・イーリー、マット・デイモンが手洗いの励行・不要不急の外出を控えるなど感染を避ける方法と冷静な対応をYoutube動画で呼びかけたそうです。
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しかし、映画で描かれていた暴動のシーンですが、自分の手元に入らなければ人の物を奪う、店を破壊する、運搬車両を襲う。
東日本大震災で「トモダチ作戦」の任務で救援に携わった多くの米軍兵士が、日本人の秩序正しい態度、物資の運搬を自ら率先して手伝う人々、自分達より他の避難所へ物資を運んで欲しいと依頼する人々の姿に感銘を受けたと言う話は有名な話ですが…
この作品を観て、思わずその話を思い出しました。
正直日本人で良かった~…
アメリカでは、非常事態になると真っ先に銃が売れるというのが現実です。
直ぐにサバイバルが始まるという事が良く分かりました。
一日も早く日常生活を取り戻す事を願わずにいられません。
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