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【ドラマ:クラリス シーズン1】あらすじ、キャスト紹介 本当につまらない?を独自解説

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今回紹介するドラマは クラリス シーズン1

2021年放送 アメリカの犯罪ドラマのテレビシリーズ

全13話(1話43分)

原作:トーマス・ハリスのベストセラー小説『The Silence of the Lambs 

1991年の映画【羊たちの沈黙】の1年後からストーリーは始まり、【ハンニバル】(2001年)のまでの出来事が描かれています。

【『羊たちの沈黙』スピンオフ】海外ドラマ「クラリス」予告編
【羊たちの沈黙】おさらい

映画『羊たちの沈黙』には、深いテーマがありました。

そのテーマは”痛みを愛して乗り越えられるか”

では、主人公クラリス・スターリングの痛みとは…

クラリス・スターリング(ジョディ・フォスター)が10歳の頃、警察署長だった父を亡くし孤児になってしまいました。

母親も既に亡く彼女は、母の従兄夫婦に引き取られます。

しかし、クラリスは2ヶ月後の早朝に叔父の家を逃げ出し、その後は施設で育ったのです。

何故、クラリスは親切な叔父の家を逃げ出してしまったのか…

叔父は、馬と羊の牧場を営んでいました。

クラリスは、早朝何か悲鳴のような声で目を覚まします。そして、彼女が見た納屋の光景は、正に子羊の屠殺現場だったのです。

クラリスは、1匹だけでも助けたいと子羊を抱え逃げ出したました。

しかし、その後彼女は保安官に保護され、子羊は殺されてしまいます…

この時のトラウマは、クラリスをずっと苦しめる事になります。

成長したクラリスは、FBI実習生になり成績もトップクラスでした。

そこでクロフォード主任捜査官は、連続猟奇殺人事件の”バッファロー・ビル”に関して、クラリスにある任務を課します。

それは、捜査協力を拒絶している元精神科医の囚人ハンニバル・レクターから、事件の情報を得るというものでした。

ところがレクターは、事件の助言と引き換えにクラリスの個人情報と交換すると言い出します。

こうして、クラリスは事件解決の為、あの”トラウマ”と向き合うことになったのです…

この『羊たちの沈黙』は、第64回アカデミー賞でビックファイブと言われる主要5部門を受賞しました。

これは『或る夜の出来事』、『カッコーの巣の上で』に次ぐ3作目であり、現時点で主要5部門受賞を達成した最後の作品でもあります。

また、作品賞を受賞した唯一のホラー映画であり、この記録は未だに破られていません。

まだ観ていない方、損はさせません!是非ともご視聴ください!

こちら↓のサイトでご視聴できます

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キャスト紹介

クラリス・スターリング/レベッカ・ブリーズ

FBI捜査官。“バッファロー・ビル”事件後、まるで隠れるように行動科学課でデーター処理をするだけの日々を送っていました

(※映画とドラマでは、クラリスの家族構成や設定が異なっています)

ポール・クレンドラー/マイケル・カドリッツ

特別捜査班ViCAPのリーダー。“バッファロー・ビル”事件ではクラリスに後れを取った捜査官で恥をかかされています。 チームを無視して独断で突っ走るクラリスに対し厳しく指導します。

夫婦ともにアルコール依存症になり、離婚する事で解決を図りますが、子供の親権を争い訴訟問題を抱えます。

トマス・エスキベル/ルッカ・デ・オリヴェイラ

特別捜査班ViCAPの捜査官。元アメリカ軍のスナイパー。クラリスの監視役を命令されますが、いち早くクラリスの優秀さを見抜き、良き理解者になります。

シャーン・トリパティ/カル・ペン

特別捜査班ViCAPの捜査官。チームきっての情報屋で行方不明の妹を探し続けています。

マレー・クラーク/ニック・サンドウ

特別捜査班ViCAPの捜査官。ウソ発見器の異名を持っています。癌で妻を亡くし、その悲しみは未だ癒えていません。

アーデリア・マップ/デヴィン・A・タイラー

FBIアカデミーからの友人で、DCに転勤してきたクラリスを居候させてくれます。優秀なマップですが、FBI内の人種差別で不遇な扱いを受けています。

キャサリン・マーティン/マーニー・カーペンター

アメリカ合衆国司法長官マーティンの娘で“バッファロー・ビル”事件の唯一の生存者

事件から立ち直る事が出来ず、家に引きこもりPTSDに苦しんでいました。

ルース・マーティン/ジェイン・アトキンソン

アメリカ合衆国司法長官。“バッファロー・ビル”事件の生存者キャサリンの母親

凶悪犯罪・特別捜査班ViCAPを招集し、その捜査官としてクラリスを抜擢します。

あらすじ

第1話 沈黙の終わり

“バッファロー・ビル”連続猟奇殺人事件から1年後

クラリスは、精神科医のカウンセリングを受けながら、職場ではデーター処理をする日々を送っていました。

そんな頃、事件の遺族たちが声明を発表します。

遺族たちも事件に区切りを付けたかったのです。

当然、クラリスもその声明の場に立ち合いました。

ところが、会場の周辺には多くの記者たちがクラリスを待ち構え、彼女が姿を見せるとたちまち取り囲みます。

その後、発行されたゴシップ雑誌に“フランケンシュタインの花嫁”というタイトルが付けられ、クラリスは表紙に飾られてしまいます。

カウンセリングの日、部屋のテーブルの上にその雑誌が無造作に置かれていました。

クラリスの目につくように意図的に置いてあるのです。

「患者が診察室に忘れて行ったんだ」精神科医は嘘だとバレる言い訳をしました。

そして、彼のカウンセリングは、既に所見を決めつけクラリスに意地悪な質問を繰り返すばかりでした。

「PTSDが治癒しない限り、職場復帰は困難と見なす」と精神科医は言います。

「言わせてください。先生の診断は私の仕事に影響するので」

そこでクラリスは食い下がりました。

「聞こう」

「この雑誌は、開いた痕跡の無い新品。私に見せるために、わざわざあなたが用意した。違います?」

精神科医は「もう一度聞く。君は怒りをどう扱う?」

その時、診察室の扉がノックされます。

受付の女性がスーツを着た男を案内してきたのです。

「診療中だぞ」精神科医は注意しますが

「彼女を迎えに」

その男は精神科医を無視するような態度です。

「認められんな」

精神科医は許可をしません。

ところが、男は司法長官の緊急な命令だと言うのです。

「なぜ、私なんです?」

クラリスは驚きました。

「理由などいい」

結局、精神科医の所見は無視され、クラリスは急遽司法省へ向かう事に…

ルース・マーティン議員は、“バッファロー・ビル”事件後に司法長官に就任していました。

「ご就任おめでとうございます」クラリスがお祝いを伝えると

「反感も買ってる」

世間には、まだまだ女性蔑視の風潮が根強く残っていました。

長官は、社交辞令はここまでと言わんばかりに、いきなり事件の話を切り出します。

その事件は、アナコスティア川で、メッタ刺しされた女性2人の死体が発見された事件でした。

事件に関わる事に消極的なクラリスに

「犯人を逮捕して」

長官はクラリスの現場復帰を望んでいました。

なぜなら、長官は特別捜査班ViCAPを招集し、凶悪事件の撲滅を掲げていました。

そして、そのViCAPにクラリスは捜査官として任命したいと言うのですが

クラリスは辞退するつもりです。

しかし

「あなたが適任なの」

長官は、頑なにクラリスの辞退を受け入れようとしませんでした。

長官の娘キャサリンは、“バッファロー・ビル事件”唯一の生存者で、今もなおPTSDに苦しみ

彼女はまるで別人のようになっていました。

そして、そんな娘の状況に、長官も苦しんでいたのです。

そこで、長官は事件で一躍名を挙げたクラリスと苦しみ続けるキャサリンが再会すれば

キャサリンが立ち直る切っ掛けになるのではと一縷の望みを託したのでした。

しかし、そんなクラリスも未だバッファロー・ビルの悪夢にうなされる日々を送っていたのでした。

そこで、一歩も引かない長官にクラリスは条件を出します。

事件を解決した暁には、行動科学の職務に戻りたいと…

しかし、長官はクラリスに”選択権も見方も誰もいない”と厳しい現状を打ち明けました。

そして、お互いの苦しみを理解し合えるのは、クラリス、キャサリンそして長官だけだと…

「隠れるのは終わりよ。スターリング」

未だに“バッファロー・ビル”事件の傷が癒えないまま

クラリスは新たな連続殺人鬼に挑むことに…

続きは本編で!

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勝手に私見考察

ここからはネタバレを含みます

ドラマ【クラリス】は、評論家からの採点は厳しいものだったようです。

それは、前作【羊たちの沈黙】が偉大な作品だからかもしれません。

また、原作者トーマス・ハリスは、小説家人生の中で6作品の著書を上梓していますが、

実に、デビュー作『ブラック・サンデー』に始まり、『レッド・ドラゴン』『羊たちの沈黙』『ハンニバル』『ハンニバル・ライジング』の5作が映像化されています。

そうです、この【クラリス】は、まったくのオリジナル脚本なのです。

きっと製作者側は、オリジナルとは違った視点を狙ったに違いありません。

故に、その狙いが賛否両論に分かれた理由なのでしょう…

しかし、この【クラリス】のテーマも中々か深いテーマでした。

かなり反レイシスト的であり

また、クラリス以外の登場人物達も、それぞれの苦しみや怒りを抱えていました。

彼らは、自身が本当に守りたい者を胸に秘め、事件の被害者達のために命をかけて任務に当たる姿が全編に描かれ、ラストは感動的に描かれています。

主人公クラリスは、カウンセリングの中で、次第に心の奥底にしまい込んだ本当の怒りの原因に気づきました。

まだ、幼かった彼女は、無意識に父親との記憶を、自分の見たいストーリーに書き換えていた事に気づいたのです。

そしてクラリスは、作品のテーマになっている“自分からの解放”に到達できたのです。

このドラマでは、前半に映画版と同じ”痛みを愛して乗り越えられるか”をテーマに置き、後半にかけ“自分からの解放”にテーマが移ります。

今回の作品で描かれる凶悪事件の犯人は、強大な権力を持ったレイシストでした。

映画とは切り離して観てみると、実に考え抜かれた脚本であり、勧善懲悪な良作なドラマではないでしょうか。

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