今回紹介する映画は メッセージ
2016年アメリカ製作作品 本作品はこのブロブでも以前紹介したインターステラー同様、時間を軸にストーリーが展開されて行きます。
私達の世界では、時間には流れがあり過去~現在~未来へと経過していきます。
この作品では、その固定概念を覆すトラップが仕掛けられています(いい意味で)
また、普段何気なく使っている言語。
言語は、コミュニケーションツールだけではなく、私たちの思考にも大きな影響を与えるものでした。
もしかして…あなたは、普段何気なく乱暴な言葉を使っていませんか?
この作品の視聴後は、きっと乱暴な言葉を使えなくなりますよ!
キャスト紹介
ルイーズ・バンクス :エイミー・アダムス
イアン・ドネリー :ジェレミー・レナー
ウェバー大佐:フォレスト・ウィテカー
シャン上将:ツィ・マー
映画メッセージの原作は、テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」です。
この作品の評価は高く1999年シオドア・スタージョン記念賞(英語圏で出版されたSF短編小説で最も優れた作品に贈られる)と2000年ネビュラ賞中長編小説賞を受賞しています。
監督は、「プリナーズ」「ボーダーライン」「ブレードランナー2049」のドゥニ・ヴィルヌーヴ(カナダ)
アカデミー賞では作品賞、監督賞を含む主要8部門にノミネートされた作品です。
(引用先:Wikipedia)
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(配信は投稿時のものとなります)
あらすじ
彼らは人類に何を伝えたいのか…
(冒頭始まるルイーズのセリフは、この後の伏線になります)
「あなたの物語はこの日始まったと思ってた」
「記憶って不思議、色んな見え方をする、人は時の流れに縛られて生きているけど…」
「でも、時に流れが無かったら…」
ルイーズのセリフと共に、彼女の娘の誕生から早世までの記憶がフラッシュバックしていきます…
言語学者のルイーズ・バンクスは、大学で教鞭を執っていました。
ところがある日、世界の12か所に正体不明の物体が突如現れ、世界中がパニックに陥ります。
そんな世界が混乱する中、アメリカ軍大佐のウェバーは、彼ら(エイリアン)のメッセージの解読をルイーズに依頼します。
そして、ルーズは、軍が録音した彼らとの会話を聞きいてみました。
会ってみないと分からない…ルイーズは答えます。
しかし、ウェバー大佐は民間人と彼らと会わせる事に躊躇し、この日は帰っていきました。
しかし、結局のところ言語学の第一人者ルイーズに依頼するしかないウェバー大佐は、再びルイーズを訪れ彼らに会わせることを承諾しました。
そして、2人は直ちに軍のヘリコプターに乗り込みます。
するとヘリコプターには既に理論物理学者のイアン・ドネリーが搭乗していました。
今後、ルイーズとイアンは、殻(UFO)で彼らに会い、そのメッセージを共に解読することになります。
ルイーズとイアンは彼らのメッセージを解読できるのか!
そして彼らは…侵略者か?その目的とは?
勝手に私見考察
ここからはネタバレを含みます。
余談ですが…
彼ら(エイリアン)の言語が非常に独特です。
会話とは一致せず表意文字(意味のある文字の集まりが1体系となっている)であり、時制がない。
この作品を観ると、普段何気なく使っている言葉や文字に関して、
今まで何て無関心に使っていたんだろう~と反省させられました。
チョット話がそれますが…
この作品のルイーズ達と同様の経験をしたんだろうなと思うことがありました。
それは、初めて外国人が日本を訪れた時の、私たちの先人たちも同じだったはずです。
そして、本作でルイーズ達が行ったように、和訳と英訳等単語の意味をかけ合わせていき現在に至っている…と思うと非常に感慨深いですね。
その作業を繰り返し、次第に意思疎通が出来るようになっていく喜びや、育まれた友情のようなものを、ルイーズとヘプタポッドは感じていたのかもしれません…
使用する言語によって思考が形成される
ルイーズが彼らと意思疎通を始めたころから、娘のHANNAHのフラッシュバックが起こり始めます。
ルイーズは彼らの言語の影響により、時制が無い思考に変わったのです。
ここで、冒頭に出てくる娘の思い出が
実は、ルイーズの未来の記憶であったことに気付きます(この頃のルイーズはまだ独身ですから)
そうです!この作品自体も時制が無い演出をしていた訳です。やられた~
そして、何故彼らの文字が円形なのか、その意味も合点がいきます。
結果として、ルイーズとイアンは言語の解析に成功し戦争を避けられましたが、
ルイーズには、その後に起きる未来が始まります。
そして、結末を知りながらも彼女はイアンの告白を受入れました。
未来に起きる幸福も娘の死も全て受け入れると決心しているのです…何て切ない…
冒頭の娘を出産した病院でのシーンで
ルイーズが「戻って来て」と何度も言うシーンがラストにグッと胸に来ます。
我が子を胸に抱きたい…その一心です。涙腺崩壊だ~
この作品はヒューマンドラマだけでありません
彼らとのコンタクトは12か国でまちまちで、情報共有もされないシーンは本当にハラハラしました。
地球の危機に面した時に結束出来ない各国…実際そうなりそうで怖い
そして、侵略意思の無い彼らに対して自ら武力行使という決断をする人類。
戦争の歴史を繰り返してきた人類にとっては当たり前の選択なのだろうが、
現実は違った選択も可能である事を見ようとしない恐怖を感じました。
一国が交戦状態になると、それに引きずられ、ただの空気感で戦争状態に陥る各国の様を見ると…背筋が凍る思いです。
にも拘わらず戦争を選択してきたのは…私達の思考が好戦的なのだと思い知らされます…
好戦的思考が引き起こす戦争へ向かう過程もしっかりと描かれていたと思うし…今現在起こっている世界情勢にメッセージを送っているようです。
彼らがギフトしたメッセージとは…
時間や時代で区切られた思考と攻撃的な言語を多用する人類は、未来の事など考えない。
今さえ良ければ、自分達さえ良ければ…こうした思考を持つ人類から、
未来を救うため彼らは、命がけで現れたのです
そんな彼らが人類に伝えたいメッセージとは…
その答えは、ルイーズが出版した本にあります。
彼らが意図したこととは、言語を変える事によって人類の思考を変える=未来を変える…でした
◊
私達の思考には、未来は自分次第で変えられるとインプットされています。
ルイーズがイアンとの結婚生活の問題を解決し、HANNAHの病気を事前に気づけたなら…
きっと悲しい未来は変えられると願いたい…
観終わった後からも、ジワジワと感動が止まりません…
映像もストーリーも…そのレベルの高さに圧倒される作品でした(チョット時間軸が複雑ですが)
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