今回紹介する映画は アバウト・ア・ボーイ
気ままなシングル生活を謳歌していたウィル。ところがひょんな事から、12歳の孤独な少年マーカスとの出会いで彼の生活が一変する。
概要
2002年のイギリス映画
監督、脚本:ポール・ワイツ、クリス・ワイツ(共同脚 本:ピーター・ヘッジス)
原題:About a Boy
上映時間:101分
原作:イギリスの作家ニック・ホーンビィの100万部以上を売り上げた1998年の小説で、2002年に長編映画化、2014年には テレビシリーズ化されている。
ヒュー・グランドの演技が高評価!
この作品でヒュー・グランドの演技は評論家や専門雑誌から下記のような素晴らしい評価を受けました。
「『アバウト・ア・ボーイ』はヒュー・グラントの重厚な演技と、甘ったるくならずに心の琴線に触れる、面白くて感動的なストーリーから大きな恩恵を受けている」
「グラントの演技の辛辣なコメディがこの映画を支え、彼はこの心地よい悲痛な作品に必要な重厚さを与えている」
「この映画の笑いの大半は、ヒュー・グラントの進化した専門技術によるものだ。彼は、浮気や女たらし、そして単にハンサムすぎるという罰として、観客が一、二段落ちぶれるのを見るのを喜ぶキャラクターを演じている。しかも、イギリス訛りだ。結局、この映画は、グラント氏の演技の技術、寛大さ、そしてスポーツマン精神、サンドバッグの華麗さのおかげで、めちゃくちゃ楽しい作品になっている。」
ラブコメの帝王もパニック障害を告白して以来、めっきり出演作が減ってしまったヒュー・グランド。
しかし、彼は悪役から好青年、プレイボーイや妖精まで幅広い役を演じられる演技派。
そして、そのどの役でも彼の独特のセリフの間や言い回しが絶妙で
何とも言えない…毒気のある役にもイイ味が加味され人間味を感じさせます。
そんなヒュー・グランドの演技が私は好きだし、同じイギリス人俳優のマーティン・フリーマンと同じ匂いがする!
しかし、彼はその実、かなり綿密に役作りをする努力家で
彼曰く、それが伝わらないのが残念らしい…
では、そんなグランドが役作りに苦労したと語った作品
善良な夫が次第に不気味に変貌していくサスペンスドラマをこちら↓で紹介しています
各賞レースでノミネート
【アバウト・ア・ボーイ】は、原作を忠実に描きながらも現代に合わせ脚色されています。
第75回 アカデミー賞(2003年)で脚色賞にノミネート、
第60回 ゴールデングローブ賞(2003年)では、最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)、ヒュー・グランドが最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル)にそれぞれノミネートされ高い評価を受けています。
特にクライマックスの脚色が評価されたのでは…
と思うほど脚本が素晴らしかった。
キャスト紹介
マーカスの風変りな母親フィオナを演じたトニ・コレット。
チョット、変キャラ過ぎて違和感がありましたが…
何処かで見た覚えがあります…
そうです!
彼女は【シックスセンス】でもハーレイ・ジョエル・オスメントの母親役を演じていました。
本作では、情緒不安定でマーカスを困らせる母親を演じています。
作中で、マーカスがオスメントみたいに稼げたら…とボヤいていて納得。
ウィル・フリーマン/ヒュー・グラント | 親の印税収入で働かずに自由な生活を送る38歳の独身貴族 |
マーカス・ブリューワー/ニコラス・ホルト | 変わり者の母親の影響で学校でいじめられている孤独な少年 |
フィオナ・ブリューワー/トニ・コレット | 精神的に不安定でヒッピー風なマーカスの母親でシングルマザー |
レイチェル/レイチェル・ワイズ | イラストレーターのシングルマザー |
スージー/ビクトリア・スマーフィット | 片親が互いに励ましあうグループSPATに参加するシングルマザー フィオナの友人 |
エリー/ナタリア・テナ | マーカスが憧れる不良風の上級生 |
あらすじ
ノース・ロンドンに住むウィル・フリーマンは38歳の気ままな独身貴族。
彼は、亡き父のヒット曲の印税でリッチな生活を送り働いた事が1度もない。
そんな彼の日課は、テレビのクイズ番組の視聴とネットサーフィンをするくらいだった。
“挑戦!100万ドルのクイズ! 人間は孤島ではない 誰の言葉?”
クイズ番組の司会者が出題している。
“ジョン・ミルトン ジョン・F・ケネディ ジョン・ボン・ジョヴィ”
「ジョン・ボン・ジョヴィ 簡単さ」
ウィルには簡単な問題だったが、テレビの回答者は答えられない。
<ついでに言えばナンセンスだね 人間は皆”孤島だ” 特に現代はそう言う時代
100年前は皆 他人を頼って生きていた
TV CD DVD ビデオ コーヒー・メーカーもなく不便な時代
今は自分だけの楽園の“孤島”を作り その気になりゃ
スウェーデン人の女の子を“島”に引っ張り込める>
ウイルは、レンジで温めたカップを取り出すとテーブルに残された
クリスティーナのメモ書きを読もうともせずにくしゃくしゃに丸めた。
そして、留守電のメッセージを再生し、丸めたメモをゴミ箱へと投げ捨てた。
「クリスティーナよ 元気? 昨夜はサイコーだったわ 電話して」
だが、ウィルはクリスティーナの留守電までも無視して、
クローゼットへジャンパーを取りに行ってしまう。
<僕はそういう“島”の持ち主 クールな生き方だろう?
僕は太陽輝くイビサ島>
12歳のマーカスはベッドに横になってはいるが全く眠くない。
彼は、天井を見つめ何やら考え事をしていた。
<いい人生に恵まれた奴 僕はどう考えても そういう1人じゃない>
寝返りをうつが、一向に眠くならない。
時計は11時25分を指している。
<学校ではのけ者で また転校>
マーカスは眠ることを諦め、ペットのハムスターを洗面台に移すとゲージの掃除を始めた。
<子供を学校にやらず家で教育する親もいる
うちは母子家庭 ママが働いて稼ぎは週に400ポンド 家庭教師はムリ
僕が子役ハーレイ・オスメントほど稼げたら別だけど 演技はできない
人前に立つことは大嫌いだ 学校へ行くっきゃない>
窓外の空は、薄っすらと明るくなってきている…
ジリジリジリジリ~
とうとう眠れないまま目覚まし時計が鳴った。
マーカスは、制服のままベッドに横になっていた。
彼は起き上がり学校へ向かった…
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只今こちらの動画配信サイトでご視聴頂けます
(配信は投稿時のものとなります)
勝手に私見考察
何故か共演女優から嫌われるヒュー・グランド
若かりし頃のグラントは、かなりハチャメチャな独身貴族だったようです。
だって…人気俳優が公然わいせつ罪で逮捕されたんですよ~
娼婦とカー○○○なんて…
その後も、入れ替わりに付き合っていた恋人達(中国人女優ティンラン・ホン、アナ・エリザベット・エーベルシュタイン)が交互に妊娠出産。
結局、2018年にグラントはアナと結婚しています。
そして、現在2つの家族は近所に居を構え、5人の父親になったグラントは意外にも父親業を楽しんでいるようです。
なんか…これ、主人公のウィルとダブリませんか?
気ままな1人より家族と過ごす幸せに気づいた…
しかし、こうした彼のハチャメチャなプライベートと性格のせいなのか…
グラントは、共演したほとんどの女優から嫌われてしまうようです。
例えば…
皆から仕事をしたいと思われているジュリアン・ムーアやドリュー・バリモア、
本作で共演したレイチェル・ワイズは、グラントを軽蔑しているとのこと…
恋人役のレイチェルは女優魂をみせましたね~
しかし、作中レイチェルがウィルに対し、思いっきり軽蔑した目をしていましたが…
あれは演技でなくリアルだったのかな~
それでも、『ブリジット・ジョーンズ』のレネー・ゼルウィガーとは長文のメールをする仲のようですし、
先に紹介している【フレイザー家の秘密】では、ニコール・キッドマン直々にグラントに出演依頼をしています。
また、エマ・トンプソンの脚本作品【ラブ・アクチュアリー】【いつか晴れた日】など何作か出演しているので、
まあ、全ての女性の敵…という事ではないでしょう…たぶん
引用先:クランクイン
そんなグラントも60歳を超え、過去のヤンチャぶりを反省しているようです。
もう、プレイボーイや好青年の役は無理とはいえ
まだまだ、彼の演技が観たい!