今回紹介するドラマは アップロード ~デジタルなあの世へようこそ~シーズン1
2020年5月1日にシーズン1(全10話)は、全世界に配信されました。
原案、製作総指揮:グレッグ・ダニエルズ
原題: Upload
配信チャンネル:Amazonビデオ
シーズン1が配信されると圧倒的な人気を博し、配信から1週間後の5月8日にシーズン2の製作が発表されました。そしてシーズン2は、2022年3月11日に全7話が配信されています。
撮影地はカナダのバンクーバーで行われ、自然豊かなカナダの雄大なロケーションが満喫できます。
仮想世界“レイクビュー”では、部屋から眺める風景を季節ごとにチャンネルで変えることが出来ます。
これは…【ハウルの動く城】と一緒だ~
…と思ったのは私だけ?(厳密には、ハウルではドアの外の外出先が変更できました)
人生のご褒美として“最も幸せな日々”と宣伝された憧れの死後の世界とは…
そこは天国ではなく、仮想世界“レイクビュー”でした。
しかしこの宣伝文句の裏には、死後の世界さえも金儲けに利用した格差社会が待っていました!
【アップロード ~デジタルなあの世へようこそ~】は、行き過ぎた資本主義に疑問符を投げかけ、また住む世界が違う男女のセツナイ恋愛やそれぞれの思惑が絡む人間模様を描いたブラックコメディ作品です。
キャスト紹介
主人公のネイサン・ブラウンを演じるカナダ人俳優 ロビー・アメルは、【アップロード】のオーデションの一番目の俳優でした。
彼は、見事にオーデションをパスしてネイサン役をゲット!
また、映画【ARROW/アロー】で有名なスティーブ・アメルとロビーは従妹通し
2019年カナダ映画の【code8】で2人は共演しています。
Code 8.
Part 2. pic.twitter.com/Mm4w3lPwtw— Stephen Amell (@StephenAmell) November 2, 2021
どこか似ていますよね!
トム・クルーズ似のイケメンのアメルは、女性ファンが爆増中です。
ネイサン・ブラウン/ ロビー・アメル
27歳の主人公。交通事故に合いアップロードされます。
恋人のイングリッドの出資でホライズン社の“レイクビュー”で暮らす事になります。
生前の記憶のデータが破損され自分の死に疑念を抱き、ノラと共に失った記憶を探し始めます。
ノラ・アントニー/ アンディ・アロ
ホライズン社の顧客サービス係でネイサンの担当。イケメンのネイサンに一目惚れをし恋心を抱きます。
イングリッド・カナーマン/アレグラ・エドワーズ
ネイサンのガールフレンドでネイサンを強引にアップロードさせます。
ネイサンの“レイクビュー”の生活に出資しネイサンを私物化しますが、我が儘な性格から本当の愛を得られません。
アリーシャ/ザイナブ・ジョンソン
ホライズン社のノラの同僚
ルーク/ ケビン・ビグリー
”レイクビュー”の住人で生前は軍人。ネイサンと親友になります。顧客サービスの担当はアリーシャで、いつも彼女を困らせています。
ジェイミー/ジョーダン・ジョンソン=ハインズ
ネイサンの親友で、アプリ開発のパートナー。
アイバン/ジョシュ・バンディ
ノラの同僚。正体は反アップロード派 (詳しくはS2で)
ルーシー/アンドレア・ローゼン
ノラとアリーシャの上司
デヴィッド・チョーク/ ウィリアム・B・デイヴィス
億万長者のレイクビューの住人(彼のモデルはアメリカの実業家デイビッド・コーク)
ディラン/リース・スラック
11歳で死亡したレイクビューの住人。費用の都合で7年間11歳のままです。現実世界の友人は、みんな成長してしまい彼から離れようとしていました。
デイヴ・アントニー/クリス・ウィリアムズ
ノラの父親。病気で死期が近づいていますが、ノラの願いとは反対に死んだ妻が待つ天国に行くと死を選択しています。
オリバー・カナーマン/バークレー・ホープ
実業家のイングリッドの父。
AI/オーウェン・ダニエルズ
仮想世界“レイクビュー”のAI従業員。レイクビューの従業員はすべて同じ顔です。
あらすじ
ネイサンのアップロード
街中に流されるCM…死の直前にアップロードされる憧れの場所“レイクビュー”が宣伝されています。
ホライズン社が提供する仮想世界“レイクビュー”では、高額な費用さえ払えば、死後の生活は美しい自然の中で至れり尽くせり贅沢な生活が送られ、遺族や恋人とは何時でもVRを使って会う事が出来るのです。
ホライズン社の顧客サービスで働くノラ・アントニーは、今日もアップロードされた顧客をデザインしたり、顧客達の“レイクビュー”での生活を見守っていました。
アプリ開発者のネイサン・ブラウンは、恋人のイングリットや友人のジェイミーを招待し、家族と共に感謝祭を祝っていました。
イングリットの100歳になる祖母は、既に“レイクビュー”の住人でデータは無制限で暮らしています。
ホライズン社の”レイクビュー”は、非常に高価で金持ちしか贅沢な暮らしを送れません。
仮想世界の開発競争が激化する中、ネイサンとジェイミーは無料版のアプリの開発を目指していました。
ネイサンはイングリットに促され早々に感謝祭を後にし、AI自動運転の車で帰宅する事に…(自動運転なので、あんな事やこんな事をする2人…)
ネイサンの本心は、イングリットの父親で実業家バークレー・ホープとの関係を考えて交際してるだけでした。
しかし、我が儘で強引な性格のイングリットに押されるばかり…結局、今夜も押し切られ彼女の家に泊まる事に。
ネイサンがイングリットに頼まれた食品を買い出しに行った帰り道…
自動運転中のAIがネイサンの指示を無視し、前方に停まっているトラックへそのまま突進してしまいます!
顧客サービスのノラの元に新しいデータが届きました。
ノラは、新しい顧客“ネイサン・ブラウン”のアバターの作成を始めます。
顧客の記憶ファイルの中からアバターを完成させますが、ノラはネイサンの記憶ファイルが破損されている事に気が付きます。
ノラは、個人用の新規フォルダに破損されたデータを保存しました。
また、病院へ運ばれた際のデータを再生すると、ネイサンは傷だらけでしたが意識はあり会話していました。
傍ではイングリットが付き添っていて、“レイクビュー”へのアップロードを希望しています。
ネイサンは「アップロードは必要ない」と断りますが、イングリットは「永遠に一緒にいられる」とアップロードを強引に勧めます。
しかし、ネイサンは永遠にイングリットと一緒には居たくありません。
やんわりと断ろうとすると…
「私といるより死んだ方がいいと言うの?」と泣き出してしまいます。
しかし、同意書に目を通さずにサインなど出来ません。かと言って肺が破損してしまい、このままでは死が待っています。
手術室か…アップロードか…
結局イングリットのゴリ押しで、ネイサンは“レイクビュー”へのアップロードを選択したのでした。
死後の世界
アップロード後。
ネイサンが初めて聞いたのは…ノラの声でした。
「ネイサン。私と一緒に心の中で3つ数えて…1,2,3…アップロード完成よ」
ノラによってネイサンの“レイクビュー”で暮らす準備が整いました。
ネイサンの住む部屋は、北米のビクトリア様式のホテルがコンセプトで高級感があり眺めのいい部屋でした。
費用の請求先はイングリットだとノラが確認すると…
ネイサンは、泣き出してしまいます
「恥ずかしがらなくていい、死ぬのは辛いもの。特に若くてハンサム…健康な人は」
ノラは慰めます。
「体は冷凍保存されてるし、いつか現実に戻れるかも」
「そうだね、ありがとう。君の名は?」
ネイサンが問いかけます
「私の事は“エンジェル”と呼んで」
「私が必要な時は、呼んでくれれば直ぐに対応する」
社則で名前を明かす事は禁じられていました。
アバターとの恋愛も禁止です。
「OK。エンジェル」ネイサンは答えます。
「自分の幸運を噛みしめて、今日が死後の世界の1日目よ」
「分かった。ありがとう」
しかし、その後ネイサンはベッドで泣き出していました。
モニターで顧客を見守るノラは、再びネイサンに声をかけます。
「君か。まだ居てくれたんだ」ノラの声を聞いてネイサンは安心しました。
「明日は、いい日になるはず」とノラは励ますと、大変な1日を過ごしたネイサンを思いやって強制的に眠らせました。
若くして無理矢理アップロードされたネイサンは“レイクビュー”の生活も好きななれませんでした。
そんなネイサンを顧客として見守るノラ。
何時しか2人の絆は深まって行きますが…
勝手に私見考察
ここからはネタバレを含みます
仮想世界、アップロード、近未来の世界と男性向けな作品かと思いきや…
女性の方が楽しめるラブコメ作品でした。
また、ネイサンの死に不審な点が浮かび上がり、サスペンス要素も加わり最後まで楽しませてくれます。
2033年の生活とは…
2033年の世界や仮想世界の設定が非常に練られていて面白い!
2033年は今から11年後…食事を調理するのは3Dプリンター
恋人やセフレはアプリで見つけ、スマホは手や指を使えばOKで持ち運び不要!
車や自転車などすべてAIの自動運転で所有する必要がありません。
AIが生活に浸透されたスマートシティになっていて、快適な筈ですが人々の暮らしは何だか苦しそうです。
しかも、AIを使った新たな殺人も描かれ、死後の“レイクビュー”が夢のような世界として宣伝されていますが…
そこは永遠に過ごせる仮想世界であり、完全な監視社会でした。
また、宗教や性別、人種による差別のない世界で、天国と言われる“レイクビュー”に自殺した元軍人のルークも住民になっていました(キリスト教では、自殺は許されません)
そんな近未来の生活を疑似体験させてくれた作品でしたが
どうかな…死んでなお格差社会で搾取されるのなら、ノラの父親デイブの言う通り普通の死を選択した方がいいかなって思う次第です。
ブラックコメディでありながら、色々考えさせられるところもあって…チョット背筋が寒くなるのを感じました。