キャスト紹介
プロデューサーのドン・ハンドフィールドが、マーク・ノップラーの曲「ブーム・ライク・ザット」の歌詞を聞いた事をきっかけに、映画【The Founder】の構想が練られ始めます。
その歌詞とは…シェークミキサーのセールスマンが、マクドナルド兄弟が経営するハンバーガー店を訪れ、フランチャイズ化しようと売り込んだことが歌われていました。
主演のマイケル・キートンも脚本を読んだ時、何故今まで映画化されなかったのか?と思ったそうです。
(引用:公式サイト)
レイ・クロック -/マイケル・キートン
52歳のセールスマン。何度も失敗を繰り返しますが、成功への情熱と執念を失いませんでした。マック&ディック兄弟が経営する”マクドナルド”と出会った事から彼に転機が訪れます。
ディック・マクドナルド(弟)/ニック・オファーマン
カリフォルニア州サンバーナーディーノのハンバーガー店“マクドナルド”を兄弟で経営しています。効率化を図り安価な商品の販売に成功し斬新な販売方法で、連日“マクドナルド”には長蛇の列が並びます。
マック・マクドナルド(兄)/ジョン・キャロル・リンチ
弟のディックと共に“マクドナルド”の共同経営者。ディックと共に店のシステム化を進め、マーケティングによってメニューを限定し徹底した合理化を図っていました。
エセル・クロック /ローラ・ダーン
レイの妻。セールスマンのレイを支え続けていましたが、家庭を顧みないレイに孤独感を感じていました。
ジョアン・スミス/リンダ・カーデリーニ
ミネソタ州でレストランを経営するロリー・スミスの妻。レストランでピアノの生演奏をしていました。夫婦で“マクドナルド”のフランチャイズのオーナーになります。夫以上の野心家
ロリー・スミス /パトリック・ウィルソン
ミネソタ州でレストランを経営していましたが、“マクドナルド”のフランチャイズ店オーナーになります。
ハリー・J・ソネンボーン/B・J・ノヴァク
財務コンサルタント。
レイに財務苦境を打開するため、不動産を買いフランチャイズ店にリースすることで、安定した収入を得るという抜本的な経営改革を提案します。
あらすじ
1954年アメリカミズーリ州
52歳のレイ・クロックは、シェイクミキサーの売り込みに奔走しますが、客の反応はサッパリでシェイクミキサーの販売は行き詰っていました。
そんなある日、カルフォルニアのサンバーナーディーノから6台の大量注文が舞い込んだのです。
レイは、6台のはずがないとその店へ確認の電話を入れました。すると電話に応対したディックは「6台は間違いだ8台だ」と“マクドナルド”の住所を伝え早々に電話を切ってしまいます。
“マクドナルド”に興味を抱いたレイは、すぐさま現地へと向かいます。
ミズーリ州~アリゾナ州~サンバーナーディーノと…延々とルート66号を走りドライブインに到着しました。
レイの狙い通り、そのドライブインにハンバーガー店“マクドナルド”はありました。
そして、レイの目に飛び込んできたのは、店の前に並ぶ客の行列です。
レイは、客の列に並びオーダーを待つことにしました。すると前に並んでいた女性が「心配いらないわ。直ぐ進むわ」と教えてくれます。
言われた通りに直ぐにレイの順番が来ました。カウンター越しにハンバーガー、ポテトとコーラーを注文して支払いを済ますと…
紙コップと紙袋を渡されました。
驚いたレイが定員に「これは?」と聞くと、店員は「注文の品です」と答えます。
そんな筈はない「注文したばかりだ」と怪訝そうに言うレイに店員は「出来ました。包み紙で食べてそのままゴミ箱に」と答えました。
そして、どこでも好きなところで食べていいと言われるまま、店の前のベンチに座りハンバーガーを食べ始めます。
そこへ掃き掃除をしていた男性が「お味は?」と尋ねて来ました。
レイが「最高のバーガーだ」と感心して答えると、彼は嬉しそうに「良かった。マック・マクドナルドです」と看板を指さし名前を名乗ったのです。
驚いたレイは、名刺を渡し電話の男だと自己紹介します。
レイは「システムが素晴らしい」と店の感想を言うと、マックは「見学する?」と願ってもない提案をしてくれました。
「是非!」レイは答えます。
レイにとってこの“マクドナルド”のシステムは驚きの連続でした。
そして、“マクドナルド”が彼の頭から離れなくなり、ある閃きが彼を突き動かして行きます。
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勝手に私見考察
ここからはネタバレが含まれます。
彼らのビジョンが違いすぎた結果…
レイ・クロックは、金儲けの戦略を考えました。
マクドナルド兄弟は、ハンバーガー・ショップの経営戦略を考えました。
根本的なビジョンが、両者の間で大きく違っていた訳です。
店の品質に拘り妥協を許さなかったマクドナルド兄弟とフランチャイズ店を全国に広げていきたいレイ。
お互い譲らず最終的に両者の関係は最悪な結果を招く事になります。
マクドナルド兄弟がもっと柔軟にレイの提案を受け入れていたら…
レイがマクドナルド兄弟との紳士協定を守っていたなら…美談になっていたかもしれません。
レイの手腕
結果的にレイが“マクドナルド”を横取りしたかのように見えますが…それはどうでしょうか?
随所に彼のビジネスセンスを感じるシーンは幾つもありました。
飲食店の投資をクラブの金持連中に持ちかけますが、ルールを守らず勝手な経営をしてしまいます。その失敗を糧にレイは、コンセプトを明確にしてフランチャイズ化を進めていきました。
- 実直な中間層の夫婦をオーナーのターゲットとしますー結果は、店舗間の標準化が図られました。
- 教会や役所のように各地域へ店舗展開し”ゴールデンアーチ”のシンボル化。
- 他人の提案を柔軟に取り入れましたー粉末シェイク、不動産事業への参入などコスト削減や投資を果敢に攻めました。
- 冷徹な判断が出来ます。
すると時代の流れがレイに味方するんですね~。私は、この時代の流れこそ成功する為の重要なファクターだと思っています。
実は、レイ以外にも”マクドナルド”のノウハウを買い店舗を開業した人達がいたらしいですが、結局成功者はレイ・クロックだけだったのです。
マクドナルド兄弟のその後
紳士協定を反故されたマクドナルド兄弟ですが、その後のインタビューでレイとの経営権の売却について「この契約は生涯最高の取引だった」と答えています。
映画では、マクドナルドの看板を外され肩を落とす兄弟の姿が描写されていますが、実際の兄弟はもっと強かにレイとやり合っていて、その後は後悔無くサッパリしていたようです
(黒字だったサンバーナーディーノの店舗を赤字と偽って申告し、契約後レイが知ると憤って報復としてその店の目の前にマクドナルドをオープンさせています)
1971年にマクドナルド兄弟の兄マックが亡くなると、1973年にレイはマクドナルドの経営から手を引いています。
その後、弟のディックは1998年に亡くなりました。
正直、私はこのアメリカ式フランチャイズ経営は嫌いです。搾取商法だと感じませんか…レイ・クロックのようにして成功者になるのなら、私は普通が1番だな~と感じてしまう凡人でした。