BBCドラマはいつも落ち着いてリラックスして観られますね。しかし事件の中身はしっかりと残酷でシリアスです。イギリスの片田舎の美しい光景とは正反対に生々しい殺人事件が起こります。
ミス・マープルの推理の特徴は、人物に対する観察力と洞察力。そして、自分の昔話が多いのでよく怪訝に思われますが、彼女は過去の出来事からヒントを導き出し事件を推理していきます。
第1話 書斎の死体1
早朝7時、バントリー大佐の書斎で若い女性の死体が発見されます。
誰も見覚えのない女性です。
バントリー大佐の妻ドリーは、友人で推理好きのジェーン・マープルの協力を得ようと思いつきます。
警察よりも早くジェーンに現場を見てもらおうと、急いで彼女を迎えに行きます。
ジェーンとドリーが、女性の死体を観察していると巡査のポークと州警察本部長のメルチェット大佐が到着します。メルチェット大佐はバントリー大佐の友人です。彼はドリーと挨拶を交わし、旧来より捜査で何度も会ったジェーンにもお世辞を言って挨拶をしました。
どうやらジェーンの存在は、警察にとっては歓迎しかねるようです。
ドリーとジェーンは、朝食を共にします。既にジェーンは被害者が、死ぬ前何処に居たか推理していました…
そして、現場にスラック警部も到着しました。
捜査が開始します…
第2話 書斎の死体2
事件の翌日、ジェーンとドリーは被害者のルビーが働いていたホテルに滞在して独自の推理を勧めていましたが、ジェーンは引っかかっている何かが分からないままずっと考え事をしていました。
その頃、村の青年マーカスは森の中で新たな死体を見つけました。
それは、焼け焦げた車の中に焼死体があったのです。巡査のポークに伝えますが全く取り合ってくれません。
警察はホテルに捜査本部を設置し捜査をホテルに絞り始めました。メルチェット大佐はホテルに滞在している資産家のジェファーソンに話を聞きに伺います。
ジェファーソンは、8年前に妻と2人の子供を飛行機事故で亡くし現在は、子供達の配偶者アデレイドとマーク・ガスケルとアデレイドの連れ子ピーターと共に滞在していました。
そして、ジェファーソンは、被害者のルビーを養子にする事を決めていたのです。ルビーに残す遺産は何と10万ポンドです。
一方ジェーンも容疑者が分かっているようですが…ランチも食べず浜辺を歩くばかりです
ホテルに設置した捜査本部では、スラック警部がルビーと最後にダンスをしたバーレットに話を聞いていました。ルビーはホテルの客のダンスの相手をしたり模範ダンスを見せたりする仕事をしていました。
バートレットは、昨夜車が無くなっていた事をスラック警部に話しますが、事件とは関係ないとスラック警部はスルーします…(車!あの車か~)
次にスラック警部は、ルビーの従妹のジョシーから事件当日の経緯を聞きます。ジョシーが足を怪我してしまった為、代役としてルビーに仕事を紹介していました。
ルビーの足取りは昨夜11時半から掴めません…
第3話 書斎の死体3
ジェファーソンに事件の真相究明の依頼を受けた元警察総監のヘンリー卿ですが、マスコミに事件を察知され事件が公になってしまいました。
ヘンリー卿はジェーンを高く評価していました。今回の事件もジェーンは既に犯人が分かっていました。彼女は第3の殺人が起きないか心配していたのです。
警察はアデレイド、マーク、ブレイクの3人に絞ります…
2人を殺した犯人は…
第4話 動く指1
リムストンのファーズ莊へジェリーとジョアンナ兄妹が引っ越してきました。兄のジェリーは飛行訓練での事故で足を怪我していました。
翌日教会のミサに出かけた兄妹ですが、都会的で洗礼された若い兄妹は、村人の注目を浴びてしまいます。閉鎖的な田舎では、悪い印象を持つ人もいました。神父と挨拶を交わしている所へ弁護士のシミントン夫妻もやって来ました。
ジェリーは、夫妻の子供達の家庭教師エルダーが気になります。
帰宅後、2人は朝食を楽しんでいましたが、そこへ手紙が届きます。
その中にジェリー宛の中傷的な内容の手紙がありました。2人は唖然とします。
ジェリーの足の経過観察にグリフィス医師が往診に訪れました。グリフィスに中傷文の話をすると、どうやら中傷文は無差別に村人に送られており、グリフィスも送られた事がありました。
手紙の文字は、タイプで宛名が打たれており、本文は本から切り貼りした物で同一人物の仕業と推測されます。
その頃、カールスロップ神父夫妻の元へミス・マープルが訪れていました。妻のモードは村中に送られる、中傷的な手紙の張本人を見つけて欲しいとジェーンに依頼します。
そんな中、事件が起こります…
第5話 動く指2
シミントンの妻の死は、遺書と青酸カリの状況証拠から自殺だと思われましたが、ジェーンは他殺だと推理していました。
警察は村中にあるタイプライターと中傷文の宛名と同じタイプの物が無いか捜査しています。ジェーンは捜査に訪れた警視に他殺の話を持ち掛けますが、警察は自殺と考えており気を悪くしてしまい、話を聞かず帰ってしまいます。
そして、新たな殺人事件が起こってしまいます。
シミントン家のメイドのベアトリスの死体がクローゼットから発見されました。第1発見者は、シミントン夫人の連れ子ミーガンです。
ミーガンは死体を発見した際、慕っているジェリーに連絡をします。ジェリーが到着すると既に警察が規制線を張っていました。怯えるミーガンと家の中に入ると、既にジェーンの姿がありました…
警察はジェーンの話を聞いてくれるでしょうか…
ジェーンは、身近な人達の力も借りて犯人を誘き出す作戦を考えます…
第6話 予告殺人1
ある日の村の新聞に殺人の予告記事が掲載されます。
「殺人お知らせします。10月5日金曜日リトル・パドックスにて午後7時より。お知り合いの方お待ちしております」
村人は騒然となります。
リトル・パドックにはレティー・ブラックロックと遠縁のパトリックとジュリア兄妹、フィリッパ、レティーの友人バンニーと料理人のハナが暮らしています。
しかし、誰も記事の投稿を依頼していません。
村人は、新聞を見てブラックロック家に押し寄せてくるのでしょうか?
そしてその晩ブラックロック家に訪れたのは…
イースターブルック大佐夫妻、マーガトロイドとヒンチクリフ、スウェッテナム親子、牧師夫人のハーモンが訪れてきました。
さぁ7時1分前です…
カーン…カーン何か音が響き始めました
いきなり部屋の明かりが消えました…
部屋の中はパニック状態です
部屋に懐中電灯が光ります「手を挙げろ」男の声です…
そして、3発銃声が響きます
予告通り殺人事件が起こってしまいます…
第7話 予告殺人2
グラドック警部は、事件当時の出席者全員に話を聞きましたが、さっぱり埒が明きません。
ヘンリー卿からの勧めもありミルチェスター警察署長は、グラドックにジェーン・マープルを紹介しました。
グラドックは、ジェーンが滞在しているホテルで話を聞きますが、ホテルはルディーが受付をしていたホテルです。ジェーンは既に推理をしており鋭い洞察力でグラドックを圧倒します…
ジェーンのアドバイス通り、グラドックはホテルのレストランのウエイトレスのマーナに、再びルディーの事を尋問します。
彼女は事前共犯にならないか不安に思っていました。グラドックがそれには当たらないと言うと、事件の日ルディーと会話した内容を話し始めます。
ルディーは新聞記事を見せて英国人の馬鹿げたジョークだと、自分はお金が貰えるから強盗の真似をすると話していました。
ジェーンの推理が的中していました。
ジェーンは、今後は牧師館で遠縁のハーモン夫人の所に滞在する事にしました。
牧師夫婦は、急にジェーンが訪れる事になり…今回の殺人事件にジェーンが関わるのでは…と目を合わせます
第8話 予告殺人3
自分の誕生日に毒殺されたドラ・バンナー…
ジェーンは牧師からの手紙をレティーに渡す為、現場を訪れます。2人が殺された家は既に規制線が貼られていました。
そこへグラドック警部がレティーの尋問にやって来ました。ジェーンは部屋を出て行きました。
バンナーは、誕生パーティーの後頭痛がひどくなり、レティーの痛み止めの薬を飲んで亡くなりました。
今回も誰かがレティーの命を狙っていたとグラドックは考えます…
しかし、レティーに心当たりはありません
グラドックは、スコットランドに行きレティーに遺産を託しているベル・ゲドラーに会ってきた事を話します。
ベルの亡くなった夫の妹ソニアの子供、ピップとエンマだけがレティーが亡くなると利益を得る事が出来ます。しかしピップとエンマの行方は分からないままでした。
一時はパトリックとジュリアを疑っていたグラドックですが、本人であると確認された為、今度はソニアがこの村にいるのではないかとグラドックは考えていました。
そして、3人の候補者が浮かんでいました。
スウェッテナム夫人、マーガトロイドとヒンチクリフです。3人共昨日の誕生日パーティーに参加し、殺人の予告日の夜もブラックロック家に居ました。
グラドックはソニアの写真を探しにジュリアの案内で屋根裏部屋へ来ましたが、アルバムからソニアの写真だけが無くなっていました。
しかしグラドックは屋根裏部屋で何通か手紙を見つけました。そしてグラドックはその手紙をジェーンに見せる為牧師館へ訪れます。
行き詰った事件は解決の糸口を見つける事は出来るでしょうか…
ジェーンの推理は大詰めを迎えています…
第9話 ポケットにライ麦を1
ある朝、投資信託会社社長のフォテスキューが会社で毒殺されます。
ニール警部補は医師から植物性の毒だと聞きますが、フォテスキューは会社で何も飲食していません。医師は効き目が出始めるのに時間がかかる物もある…朝食もありうると言います。
ヘイ巡査部長がフォテスキューが着ていたスーツを調べると、ジャケットのポケットからライ麦の種が入った袋が出て気ました。何故ポケットにライ麦の種が入っているのか…ニールとヘイは鳩に餌でもやっていたのか?と不思議に思います。
ニールは、先ず会社の秘書のグローヴナーと事務員のグリフィスに尋問を始めます。
ヘイが、フォテスキューの家族を調べると複雑な関係が浮かび上がります。
先ず先妻には20年前に先立たれ2年前に年の離れた若い女性と再婚していました。その結婚は家族から歓迎されていません。
2人の息子は犬猿の仲で、兄のパーシバルは会社を手伝っていますが、弟のランスは父親とケンカしアフリカへ行っているようです。
パーシバルは、父と同居していますが現在出張でリーズに行っていました。
事務員のグリフィスの証言では、社長の様子が最近変わってしまい、金遣いが荒くなったようです。またパーシバルと仕事で揉めており、ランスを帰国させる話をしていたようです。
ニールとヘイはいよいよフォテスキューのイチイ莊へ向かいます…
第10話 ポケットにライ麦を2
そして第2の殺人が起こってしまいます。後妻のアデルが、居間で死んでいるのを家政婦長のダブとパーシバルが発見します。
そして朝からメイドのグラディスの姿が見あたりません…
グラディスは前日同郷のジェーンに電話を掛けていましたが、ジェーンが留守をしていた為直ぐに電話を切ったようです。
ジェーンは新聞記事から、グラディスが働く屋敷で起こった一連の事件を心配していました。
いよいよジェーンが事件の起こったイチイ莊へ乗り込みます。
ジェーンの頭の中には、マザーグースの童謡「ポケットにライ麦を詰めて歌うは町の唄」の歌詞が流れます…
「6ペンスの唄」
6ペンスの唄を歌おう
ポケットにはライ麦がいっぱい
24羽の黒ツグミ
パイの中で焼き込められた
パイを開けたらそのときに
歌い始めた小鳥たち
なんて見事なこの料理
王様いかがなものでしょう?
王様お倉で
金勘定
女王は広間で
パンにはちみつ
メイドは庭で
洗濯もの干し
黒ツグミが飛んできて
メイドの鼻をついばんだ
メイドのグラディスは無事でしょうか…
♦只今こちらの動画配信サイトでご視聴頂けます♦
(配信は投稿時のものとなります)
Huluで今すぐ観る U-NEXTで今すぐ観る
Amazon Primeで今すぐ観る
勝手に私見考察
アガサ・クリスティーは「そして誰もいなくなった」でも童謡の歌詞を引用した見立て殺人の推理小説を書いています。この作品は、世界で1億部以上読まれている作品です。
ミス・マープルシリーズの見所は、確かに彼女の推理による所が大きいですが、事件を担当する警部とジェーンの関係も面白いですね。
シーズン1では3人の警部が出てきます。スラック警部やグラドック警部は他の作品にも出演します。特にスラック警部のせっかちでジェーンを快く思っていないが、結局ジェーンの力をかりる顛末等スラック警部のキャラが立ちますね。
また、アガサ・クリスティー作品では所謂上流階級の人々の優雅な暮らしの中で、尚欲深い犯人が綿密な計画殺人を起こし、犠牲者には無邪気で何の落ち度もない人が殺される…
その犯人を推理好きのおばあさんが暴くところにスッキリさせられます…(水戸黄門に似てるかな?)
ジョーン・ヒクソンの他にもミス・マープルは、ジェラルディン・マキューアン版・ジュリア・マッケンジー版等多くの女優さんが演じています。
私はまだ観ていませんが、女優さん別で比べても別の楽しみ方が出来ますね。